両親が2名ともいる家庭と比較すると、シングルマザーで子育てをするのは大変コストがかかることだと思います。
ましてや、大学進学となれば、受験するだけでもかなり高額の費用がかかるため、大学進学を断念しようと思う人も多いのではないでしょうか?
でも、可愛いわが子を大学進学までさせてあげたいという親心は誰にもあるはずです。
母子家庭でも大学に行ける?
現在、日本では女性がまだまだ活躍しにくく、稼ぎにくい社会の仕組みになっている現状があります。
厚生労働省の調査によると、2019年の男性の平均月給が338000円なのに対して、女性いの平均月給が251000円となっています。
養育している子どもの数にもよりますが、子ども1人でもを大学に出す余裕はとてもありません。
そんなシングルマザーに朗報ですが、国、北海道、市町村が提供している支援制度を使うことで大学進学を実現させることが可能になります。
それでは、どんな制度があるのでしょうか?
国、北海道、市町村が提供している支援制度は13個もある?
シングルマザーでも経済的に困窮している家庭状況にある場合は、国、北海道、市町村が提供している支援制度を受け、大学進学や教育費にかかる部分を支援してもらえます。
13の主な制度をピックアップしてみましたので、一緒に見ていきましょう!
1.児童手当
児童手当は、生活の安定と子どもの成長を支援する目的で作られた制度です。
中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)までの児童を扶養している保護者に支給されるものです。
金額は1名当たり月額で15000円(3歳未満)、10000円(3歳以上~中学生まで)支給されます。
3名以上子どもがいる場合は第3子以降は15000円になります。
2.ひとり親家庭等医療給付事業
ひとり親家庭等医療給付事業は、片方の親しかいない家庭でその親や子どもが病気になった場合に医療費の負担を軽減してくれる制度です。
この制度を利用すると、医療費負担は1割になり、大変安くなります。
自己負担金額は上限が決まっていて、通院の場合は月18000円まで、入院の場合は月57600円となります。
3.児童扶養手当
児童扶養手当も片方の親しかいない家庭に支給される制度です。
色々な条件はありますが、それをクリアすれば、親の所得に応じて子ども1名当たり月額10120円~42910円が支給されます。
子ども2名の場合は、さらに5070円~10140円が加算され、3名以上は1名増えるごとに3040円~6080円が加算されます。
4.自立支援教育訓練給付金
自立支援教育訓練給付金は、母子家庭に対して就労に必要な技術を身につけるためや、資格取得に必要な費用を支援してくれる制度です。
訓練講座の受講費の6割を負担してくれます。
児童扶養手当の支給を受給中及びそれと同等の所得水準にあること、就業経験・技能・資格取得状況などが当該教育訓練を受けることが適職に就くために必要だと判断されること、今までこの訓練給付金を受給したことがないことの3つに該当すれば、支給されます。
これを受給できると、家庭の所得が増えることにもつながりますので、一石二鳥ですね!
5.高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、シングルマザーが看護師や介護福祉士などの難易度が高い資格を取得するための学費などを支給してくれる制度です。
児童扶養手当の支給を受給中及びそれと同等の所得水準にあること、養成機関(学校)において、1年以上のカリキュラムを修業し、対象の資格取得が見込まれること、仕事や育児と修業の両立が困難であることの3つの条件に該当すれば、支給されます。
金額は市町村税が非課税世帯か課税世帯かによっても異なります。
高等職業訓練促進給付金は非課税世帯の場合、月額100000円、課税世帯の場合70500円が支給されます。
また、高等職業訓練修了支援給付金というのもあり、非課税世帯には月額50000円、課税世帯には25000円が学校のカリキュラムが終了後に支給されます。
こちらも自立支援教育訓練給付金と同様で、家庭の所得アップにつながるので、嬉しい制度ですね!
6.母子父子寡婦福祉資金貸付金
母子父子寡婦福祉資金貸付金は、経済的に自立するための費用を借りれる制度です。
事業開始資金、事業継続資金、修学資金、技能取得資金、就職支度資金、修業資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、修学支援金、結婚資金がそれに当たります。
ただし、こちらは返還の義務があるので注意が必要です。
7.寡婦控除
寡婦控除は、シングルマザーの所得税を減額する制度です。
所得税の額は、所得×税率で計算します。
寡婦控除の金額は、27万円か35万円になり、その金額が所得税から引かれる仕組みです。
どちらの金額になるかは、夫と離婚したか、死別したのか、単純な所得の金額、子どもの有無で決定されます。
8.国民健康保険料免除
前年の所得が少ない場合には、国民健康保険料免除が受けられます。
免除額は、全額免除、4分の1免除、4分の2免除、4分の3免除のいずれかになります。
どれぐらいの金額が免除されるかは、所得額によって変化します。
9.行政サービスの費用負担の軽減
行政サービスを利用する際には、利用料がかかります。その金額を免除してくれる制度です。
市町村が独自に行っている制度ですので、地方自治体への確認が必要です。
10.道営住宅などへの入居の優遇措置
片方の親しかいない家庭の場合、所得に応じて道営住宅や市営住宅などの公営住宅に優先して入居できる権利が与えられる制度です。
直接的ではないですが、公営住宅は家賃が安いので、公的に家賃の1部を負担してもらっているのと同様になります。
11.奨学金や大学の給付制度を利用
日本学生支援機構の返還の義務がない給付奨学金制度や、大学独自が設けている奨学金などもあります。
行きたい大学が決まったら、一緒に調べてみることをおすすめします。
12.大学無償化制度
2020年度4月の入学者から対象になる大学等修学支援法により、大学無償化が実現しました。
国公立大学はほとんど無料で、私立大学は授業料が減免される制度になります。
完璧な無償化ではないですが、かなり嬉しい制度ですね!
ただし、成績が下がらないこと、留年しないことなど色々な条件がありますので、注意してください。
市町村税非課税家庭は、上限まで支援が受けられるのも大変魅力の制度です。
13.さまざまな貸し付け制度などもあり
国の教育ローンである教育一般貸付、北海道社会福祉協議会が提供する生活福祉資金、民間団体が行っているあしなが育英会、公公益財団法人交通遺児育英会の貸付、北海道奨学金ネットワークなどの民間団体の奨学金や一時金の情報があるサイトも存在します。
まとめ
母子家庭だからと言って、大学進学をあきらめなくても、今はさまざまな方法をとれば大学進学は可能だということです。
将来をしっかり見据えて、うまく支援制度を使って進学につなげてくださいね!