毎回うんざりする読書感想文。
高校生になると、部活に受験勉強にテスト勉強に·····。とにかく時間がないですよね?
だから読書感想文は、手短に労力をあまり尽くさずに済ませたいもの。でも、本を読んで、長い文章を一からつくるのはかなり面倒·····。
実は、読書感想文をササッと片付ける正攻法があるんです!
今回は、本の選び方から本の読み方、感想の書き方までその正攻法をご紹介します。このマニュアルに則るだけで、すぐに書けますよ!
何の本を選べば良い?
感想の書きやすさだけを重視すると、入門書や教養書を選ぶのがベスト。新しい知識や考え方が記されているので、内容が充実しやすいんです。
その中でも、自分の体験や知識と関連のあるものを選ぶと書きやすいでしょう。
また、本のページ数はできる限り少ないものにしましょう。分厚い本だから評価が上がるということはないのでご安心を!
オススメの本を3冊ご紹介しておきますね。
美術に興味があるなら、『はじめてのルーヴル』中野京子著、集英社、2013年
音楽や科学に興味があるなら、『響きの科学 ベートーヴェンからビートルズまで』ジョン・パウエル著、早川書房、2011年
スポーツに興味があるなら、『弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー』高橋秀実著、新潮社、2012年
·····など。
こんな感じで、得意分野や興味のある分野、関わりのある分野についての本を選ぶと書きやすいです。
感想文を書くための読み方
まず、前書きなどで「何について書かれた本か」を押さえておきます。
本編を読む前に、自分はその本の内容に対してどう思うか簡潔にまとめておきましょう。
次に、本編を読みます。ここで行うのは「筆者の主張を見つける作業」。
見つける主張は2種類。予めまとめておいた自分の考えを補強する主張。そして、逆にそれを覆す主張です。
例えば、「美術作品の見方を紹介する」本があったとしましょう。
その情報から「見方があるなんて初耳だ。それを知れば深い鑑賞が可能になるかもしれない。」と考えをまとめたとします。
本編を読む時、この場合、補強する主張すなわち、その見方を知るメリットが分かる文を見つけます。2つ見つけられれば十分です。
そして、考えを覆す主張も同時に見つけます。「その見方を正しいと言うあまり、自由な鑑賞が出来ず、深い鑑賞はできなくなるのでは?」など、反対意見を生む余地のある文を見つけます。
こちらは、補強する主張より多く見つけましょう。補強する主張を見つけ終えたら、その後は批判的に読むと良いです。
これらの作業は、付箋やメモに書きながらしましょうね。
感想文の書き方
「本を選んだきっかけ」・「要約」・「感想」・「まとめ」の4段構成で書きます。
きっかけと要約で2割、感想で7割、まとめで1割を埋めるイメージです。
きっかけは素直に。例えば『響きの科学 ベートーヴェンからビートルズまで』を選んだ理由。
「私は音楽の演奏を趣味にしている。しかし、演奏するにあたって科学を意識したことは一度もない。そのため、本書の筆者の音楽を科学的に見るという態度は斬新に感じられた。音楽に対して新たな見方を発見できるのではないかという期待を胸に本書を手に取った。」
この程度の内容にまとめておけば大丈夫です。文量は全体の量に合わせて調整を。
要約は、前書きなどの内容を簡潔にまとめるだけです。剽窃にならないよう自分の言葉に書き換えましょう!
そして主役の感想。
まずは、自分の考えを補強する主張を引き出します。
「〜という筆者の考えには納得した」などと書き、その理由や内容を後で詳しく述べます。
補強する主張が複数ある場合は「さらに筆者は〜という視点も示していた。」などと加えて字数を稼ぎます。
ある程度書けたら続けて、考えを覆す主張について。
「しかしながら、〜という考えには議論の余地があるだろう。」などと逆接を持ち出します。そして、その理由や内容を述べましょう。
最後にまとめです。
ここで書くのは、感想の要約と自分の今後の展開です。
感想の要約では、理由や内容以外の本筋だけを書きます。感想の部分で一度使った言葉はなるべく違うものに言い換えましょう。
自分の今後の展開は、「本書を受けて、〜を〜に活かしていきたい」や「〜という部分についてより理解を深めたい」など書くと良いでしょう。
まとめ
1.興味のある分野についての入門書・教養書を選ぶ。
2.考えを補強する主張と覆す主張だけを探して読む。
3.四段構成に当てはめて完成。
高校生となると、ある程度の完成度も求められてきますよね。
この正攻法を使って、クオリティをクリアしながらも脳疲労の少ない感想文の提出ができると良いですね!
感想文は、効率よくササッと終わらせましょう。その代わり、勉強や部活などにしっかり励んでくださいね。
そのうちに感想文を書くことへの苦手意識がなくなってくるかもしれませんよ。まずは、今回紹介した方法を参考にして成功体験を得てもらえると幸いです!