高校生になると、理系に進むのか、文系に進むのか、【文理選択】が必要になりますよね。
「わたしは歴史が得意だから文系!」
「オレは数学が好きだから理系!」
と、単純に科目の得意不得意で選択しようとしていませんか?
ちょっと待ってください。
理系に進むのか、文系に進むのかで、将来の選択が大きく異なります。
どんな大学に進学して、将来どんな仕事がしたいのか。
なりたい自分を思い浮かべ、逆算して文理選択をしましょう!
理系と文系どっちを選べばいいの?
理系に進むのか、文系に進むのかを決めるときのポイントは3つあります。
- 学問の方向性から選択する
- 就職先から選択する
- 得意不得意から選択する
この3つのポイントが大切です。
このポイントを中心に、理系と文系の違いを解説します!
理系と文系の違いとは何?
理系 | 文系 | |
学問の方向性 | ・科学や文明の発展 ・再現ができるもの ・未来を学ぶ ・ものを研究対象とする | ・幸福の発展 ・再現ができないもの ・過去を学ぶ ・人や人間生活を研究対象とする |
就職先 | ・専攻内容が直接就職に結びつきやすい | ・専攻内容とは関係ない就職が多い |
得意不得意 | ・数学や理科が得意 | ・数学や理科が苦手な場合が多い |
理系の特徴は?どんなことを勉強するの?
一般的な理系のイメージは、数学や理科が好きで、論理的な人という印象がありますよね。
それでは、そもそも理系ってどういうものなのか?どんな学問なの?など様々な疑問にお答えします。
理系の特徴
- 科学、文明の発展
- 反証可能
- 未来を学ぶ
- ものが研究対象
理系には学問的な特徴があります。
理系に進むメリット
- 専攻内容が就職に結びつきやすいため就職しやすい
- 卒業後に役立つ技術や知識が身につく
ことがあげられます。
代表的な学部と具体的な学ぶ内容としては、
- 理学部⇨理科や数学をさらに深く学ぶ
- 工学部⇨モノづくりのための実践的な知識や技術を学ぶ
- 医学部⇨医学について学ぶ
となります。
どの学部も、現在ある科学技術からより発展させるための技術を学ぶ学問ですよね。
つまり、
未来の発展のために、
科学的な研究をしたり、
文明の発展をはかる学問
であります!
文系の特徴は?どんなことを勉強するの?
一般的な文系のイメージは、
◎英語が好き!
◎歴史が得意!
◎数学や理科が苦手・・・
ですよね。
文系の特徴
- 幸福の発展
- 反証不可能
- 過去を学ぶ
- 人や人間活動を研究対象にしたもの(文学、歴史学、心理学)
- 文化を発展させたいのか
という学問的な特徴があります。
文系に進むメリット
- 実験・研究活動に束縛されない=自由時間が取りやすい
- 専攻によって就職先が限定されることが少ない
- 理系科目から距離を置ける(ただし、経済学など数学が必須となる学問も)
- 理系と比べると学費が安め
となります。
代表的な学部と学ぶ内容としては、
- 法学部⇨法や法律について学ぶ
- 文学部⇨言語表現を利用した作品を研究して学ぶ
- 外国語学部⇨言語の文法や構造、意味などを学ぶ
となります。
つまり、
生活をより豊かにするために、
過去の作品から学んだり、
文化を発展させる学問
ということです。
理系って文系よりも難しいの?
よく、「理系は文系よりも難しい!」とよく耳にしますが、実際はどうでしょう?
文系=暗記して解く
理系=理解して解く
というイメージがあるかと思いますが、それは違います。
確かに、理系の方が思考力を使って解く問題が多いのですが、それだけではなく、理解の方が覚えなければならないことが多いから難しいと言えるのです。
例えば、地方難関国公立大学の場合。
理系 | 文系 | |
共通テスト | 5教科7科目 | 5教科7科目 |
二次試験 | 英語・数学・理科 | 英語・数学・国語 |
共通テスト出題範囲と二次試験出題範囲の比較 | 数学⇨数学Ⅲ 理科⇨より応用的な問題を出題 そのため、共通テストの勉強とは別に二次試験対策が必要 | 応用力を問う問題が多くなるものの、 出題範囲としては共通テストと大きく変わらない |
上の表のように、理系と文系を比べると、理系の方が二次試験対策の勉強が必要になる可能性が高く、覚える量が増えるため、理系の方が難しいと言われるのです。
理系VS文系就職率が高いのは?
ズバリ、就職に強いのは、理系です!!
コチラのグラフをご覧ください。
※厚生労働省:大学等卒業予定者の就職内定状況調査をもとに作成
上のグラフは、令和2年度大学卒業予定者の就職内定率です!
令和2年10月時点で、理系74.5%に対して、文系68.7%
令和2年12月時点で、理系86.0%に対して、文系81.3%
令和3年2月時点で、理系92.1%に対して、文系88.9%
令和3年4月時点で、理系95.9%に対して、文系96.0%
令和3年4月時点の最終的な就職率は理系も文系もさほど変わりませんが、令和2年10月時点では、文系より理系の方が5.8%上回る結果となりました。
この結果より、文系よりも理系の方が早く就職が決まりやすい=需要が高いということがわかります。
理系が強いのは就職率だけじゃない
理系と文系を比較したとき、さらに大きな差が生まれるのは、年収です。
理系出身者と文系出身者の年収比較によれば、
文系出身者 559.02万円
理系出身者 600.99万円
となっており、文系出身者よりも理系出身者の方が41.97万円年収が高いことがわかります。
また、年収の差は年齢の上昇とともに広がっている。
これは、文系出身者よりも理系出身者の方が生産している付加価値が高く、この傾向は新しい価値を生み出す創造性が競争力の源泉となるこれらの社会において、さらに強まることが予想されると書かれている。
さらに、理系の方が職業の選択幅も広く、研究職や生産技術・管理、建築系などといった専門的な知識が必要な職業は、理系ならではと言えます。
結局、どうやって理系・文系を決めれば良いの?
はじめにも書きましたが、理系・文系を決めるポイントは3つです。
①学問の方向性から選択する
理系 | 文系 |
・自然科学全般 ・モノづくり ・農業 ・医療など | ・文学 ・法律 ・経済 ・教育など |
②就職先から選択する
理系 | 文系 |
・ITエンジニア ・研究開発職 ・電機メーカー業界 ・食品メーカー ・病院 ・製薬会社など | ・教員 ・カウンセラー ・マスコミ ・弁護士 ・金融系 ・IT関連など |
③得意不得意から選択する
理系 | 文系 |
・数学 ・理科 | ・国語 ・社会 |
※英語は理系・文系問わず必要な教科になります。
まとめ
いかがでしたか?
理系・文系の選択は、その後の人生を決める重要な選択になります。
将来どんな職業につきたいのか、どんなことを学びたいのか、何に興味があるのかをじっくりと考えて、後悔しないように選択しましょう。
迷った時は、学校の進路相談担当の先生や、塾の先生に相談してみてくださいね。
将来の夢を見据えるとどちらを選べば良いのか、あなたに合っているのはどちらなのかを丁寧に教えてくれますよ!