小学校高学年から中学にかけて訪れる反抗期。急に無口になったり、イライラしたり…。成長過程の1つであることは知っていても、子どもが反抗的な態度をとってきたらどうすればいいのか、不安に感じているお家の方も多いのではないでしょうか。
反抗期の間の子どもとの接し方を間違ってしまうと、その後の親子関係に影響を与えてしまいます。今回は、反抗期の子どもに対して、親はどのように接したらよいかを解説していきます。
親子の信頼関係を維持する、反抗期の接し方5選!
反抗期の間でも、親子の信頼関係は維持することができます。どのような接し方をしたらよいのか、ポイントを5つ紹介します。
①構わずに、見守る。
反抗期というのは、子どもは親などの大人の手を借りずに自分で何とかしたいと考える時期です。反抗期の間は、手出しや口出しをしたくなってもグッとこらえましょう。
このような期間に手出しや口出しをすることは、子どもが「自分でやりたいのに。」と思い、反発を生む危険があります。
反抗期は、精神的な自立のために起こるものとされています。子どもはこの時期に、心理的に依存していた親から離れ「一人前の人間として対等に扱われたい」と欲するようになります。
そのため、子どもの「自分で行動したい。」という気持ちを優先させてあげましょう。
とはいえ、一人でできることは限られています。反抗期は親から離れたいという気持ちと、まだまだ依存しているという意識の間での葛藤です、子どものヘルプのサインを見逃さず、助けを求められたら適切なサポートをしてあげましょう。
【反抗期によくある行動】
- 部屋の掃除を勝手にしてほしくない。
- 机やカバンの中を確認してほしくない。
- 洗濯物をたたんでほしくない。
このような行動は、「自分のことは自分でしたい。」という意図があります。反抗期が来た、と思って、受け入れてあげましょう。
②見放さず、愛情を注ぎ続ける。
反抗期でもその中に、子どもは不安を抱いたり、甘えてきたりするものです。態度は反抗的でも、本来は親に認めてもらいたいという感情をもっています。
ですから、これまでと変わらずにいつも通りに接するようにしましょう。お家の人の接し方がいつもと変わらないことで、子どもは安心感を得られます。
反抗期ですから、過度なコミュニケーションは逆効果となる場合があります。短いコミュニケーションをとるのが有効です。
【短いコミュニケーションの例】
- 「おはよう。」「お帰り。」などの日常の挨拶。
- 「すごいじゃん。」「頑張ったね。」といった、褒める言葉。
- 「ありがとう。」「助かったよ。」といった感謝の言葉。
- 「最近、どう?」「今日何食べたい?」など、簡単な質問。
③自分自身で決めさせる。
反抗期の子どもは、親からの命令や指示を特に嫌います。何か伝えたいことがある場合は、「お母さんは、~した方がいいと思う。」「~してくれたら嬉しいんだけど。」といったように、主語が「私(I)」の「アイメッセージ」を心がけましょう。
そうすれば、親から強制されてするのではなく、子供自身が考え、選択し行動することになるので、少しは聞き入れやすくなるでしょう。
【アイメッセージの例】
- 危ないことをすると、私は(お母さんは)とても心配だわ。
- 何度伝えても伝わらないと、私は(お母さんは)悲しい気持ちがする。
- 手伝ってくれて、とても助かったよ。
- すごく感動したよ
- あなたが書く文章、私は好きだな。
- ねぇねぇ、これってどうやって解くんだっけ?私、教えてほしいんだけど。
- あなたが勉強している姿を見ていたら、私もなんだかやる気になってきた。
このような伝え方をすることは、「子どもの行動や話す内容を否定する。」「𠮟りつける。」ということを防ぐことができます。何度も叱ったり、ダラダラと注意することは、子どもの言動を否定することにつながり、反抗期の子どもに大きな負担となります。強い反抗心をもつことにつながるでしょう。
「アイメッセージ」は、自分の気持ちを言うだけですから、相手の行動を否定したり評価したりするものではありません。何か伝える時には、意識して使ってみましょう。
④子どもがつくる距離に合わせる。
反抗期の子どもに対しては、子どもがつくる距離を尊重し、親が距離を決めないことが大切です。
この時期は親に限らず、大人からの干渉を好まないので、先生に反抗することもあります。一方で友達が一番という気持ちが強まり、家族中心の生活から友達に重きを置くようになってきます。
ですから、この時期の子どもは親と接するだけでストレスを受けてしまうことがあるのです。子どものことが心配でも、あまり干渉しすぎないように注意しましょう。
あまり子どものことを構い過ぎてしまうと、反抗心から逆効果となってしまいます。
子どもが話したがらないときには踏み込まず、タイミングを見計らって聞くといったことも、子どもの距離を大切にすることにつながります。
⑤一過性のものだと思い、深く考え込まない。
反抗期が来ると、それだけで頭がいっぱいになりがちですが、それは時間が経てば過ぎていく一過性のものです。
親は「嫌われたかもしれない。」「親子関係が悪くなったのかも。」と不安になります。その気持ちのまま、子どもの気持ちを考えずにこれまで以上に踏み込むと、親子関係が悪化してしまいます。
「反抗期だから、仕方ない。」と割り切って過ごすことが、親子どちらにとってもプラスになります。
反抗期の子どもの言動は、「親から離れたいという気持ち」と、「まだまだ依存している」という意識の間で葛藤し、精神的な不安定さが不安や怒りとなって処理しきれず、親への反抗として現れたものです。なので、本意ではありません。
このことが理解できていると、「反抗期でただただ感情がコントロールできていないだけだ」と思って、子どもの言動を適当に受け流すことができ、親の気持ちは楽になります。
どうしても気になってしまう場合は、趣味を始めるなど、自分の心が穏やかになれる時間をもつことで、子どもの反抗から目線をそらす助けになります。
【反抗期の子どもの特徴】
- 暴言を吐く
- 口を聞かなくなる、無視する
- 口答えする
- 洗濯物を一緒に洗うのを嫌がる
- 毛嫌いする
- 親子の会話をしない
このような行動は、反抗期からくるものですので、ひどく気にする必要はありません。
ただ、暴力を振るう、非行に走るなどは、やはり行き過ぎています。この場合、家庭の中でなんとかしようと思ってもうまくいかないことが多いので、スクールカウンセラーや学校の先生、専門家に話をして、早めに対処するようにしてください。
親子関係が悪くなる、NGな行動例とは?
反対に、行動によっては子どもの反抗心を大きくし、暴力や非行などの問題行動につながる場合もあります。では、避けるべき行動とは、どのようなものなのでしょうか?
無理やり従わせる。
親に反発する子供を何とか従わせようと、いつもより強い口調で怒鳴ったりするのはいけません。
自我の芽生えでもあるこれらの時期は、子供は「親の言いなりにはならない!」という気持ちが高まり、親から指図や命令されることに対し、更に反発心を強めます。
突き放す
何を言っても聞かない子供に対し「じゃあ、自分で好きなように勝ってにしなさい!」と突き放してしまうことはいけません。
子どもは親に見捨てられたと感じ「どうせ僕は」「私なんか」と口にするようになり、自己肯定感が下がり、投げやりな人生になってしまう恐れがあります。
極端に放任する。
ある程度の放任は、よいのですが、あまりにも関わりを持たず放置すると、子どもは愛情に飢えてしまいます。
本来子どもは親に認めてもらいたい、愛されたいという気持ちを持っています。ですので極端な放任主義は、わざと親の気をひく為に、更に反抗させたり、問題行動を起こさせる要因になるので気を付けましょう。
まとめ
反抗期は子どもの正常な発達の過程で、通過年齢や程度に差異はあるものの皆が通る道です。
しかし、反抗期が始まってから親ができることは、残念ながら限られています。子どもが親を避け始め、話を聴いてくれないからです。
反抗期に自分でどんな行動ができるかは、それまでどう過ごしてきたかが影響しやすいです。そのため思春期・反抗期に入る前に準備しておくことが大切です。
事前の準備のポイントとして最も重要なのは「親がすべてを決めない。」ということです。それと同時に「子どもを完全に自由にさせてはいけないこと」「子どもが自分でできることを増やしておくこと」に気を付けましょう。
自立しようとするのは思春期・反抗期ですが、助走という意味で、小学校のころから自立の力を促しておきたいですね。
個別指導塾マナビバでは、子どもが塾に居る間の様子や、学習の状況を詳しく保護者の方にお知らせしています。また、小中高一貫指導であり、長い間同じプロ講師と学習を行うため、講師との信頼関係も築くことができます。
反抗期の子どもにとっては、家や親以外の居場所を作り、家や親以外に相談する人がいることが成長の支えになります。反抗期で、家でなかなかコミュニケーションがとれなくても、講師が子どもと保護者の橋渡しの役割になります。成績を上げることはもちろん、安心できる居場所と言う意味で塾を活用するのもいいですね。