子育ての悩みの一つが反抗期。急に無口になったり、イライラしたり…。最近自分の子どもの様子が違うのは、「もしかして反抗期?」「機嫌が悪いだけ?」「何か別の原因があって一時的に落ち着かないだけ」と悩むお家の方も多いでしょう。
また、成長過程の1つであることは知っていても、子どもが反抗的な態度をとってきたらどうすればいいのか、事前に心の準備をしておきたいという方も多いでしょう。
今回は、反抗期がいつから始まるのか、反抗期にはどんな行動が見られるのかについて解説していきます。
反抗期っていつから始まるの?
思春期の始まりが子どもによって異なるように、反抗期の始まりも人によってまったく違います。それまで何の疑問もなく受け入れてきたことが急に受け入れられなくなったり、違和感を持ったり…。そんなことが反抗期のきっかけになります。
一般的な目安としては、男子は10歳、女子は11歳ころに反抗期がスタートすると言われています。
以下は、インターネットの調査で、「反抗期がいつから始まったか」の回答の割合を表したグラフです。
【男子】
【女子】
男子では12歳(中1)と14歳(中3)が全体の18.5%、女子では13歳(中2)が全体の19%と最も多い結果となりました。
また、校種別で見ると、以下のような結果となります。
男子 | 女子 | |
小学校低学年 (8歳未満・8歳) | 8% | 6.2% |
小学校高学年 (9歳~11歳) | 28.8% | 33.8% |
中学生 (12歳~14歳) | 47.1% | 48.4% |
高校生 (15歳~) | 16.1% | 11.6% |
このように、男子も女子も中学生で反抗期を迎える人が全体の約半分を占めています。また、3~4人に1人が小学校高学年で反抗期を迎えています。
子どもが小学校4年生になる頃から、反抗期の備えをしておくのが良いということが分かりますね。
反抗期の備えには、どんなことをしたらいいの?
事前の準備のポイントとして最も重要なのは「親がすべてを決めない。」ということです。それと同時に「子どもを完全に自由にさせてはいけないこと」「子どもが自分でできることを増やしておくこと」に気を付けましょう。
自立しようとするのは思春期・反抗期ですが、助走という意味で、小学校のころから自立の力を促しておきたいですね。
なぜなら、反抗期が始まってからでは、子どもが親を避け始め、話を聴いてくれないため、親ができることが限られるからです。
反抗期に自分でどんな行動ができるかは、それまでどう過ごしてきたかが影響しやすいです。そのため思春期・反抗期に入る前に準備しておくことが大切です。
反抗期の行動の特徴
それでは、子どもが反抗期を迎えるとどんな行動をとるのでしょうか?反抗期の子どもの特徴を見ていきましょう。
暴言を吐く
思春期の子どもはいろいろなことからストレスを受けます。そのストレスを発散するために攻撃的になります。
また、そのストレスは親から受けることも多いため、その攻撃が学校の先生や親に向いてしまうことも多い傾向にあります。
学校や親に対して攻撃的になることで、言葉遣いが荒くなり、暴言を吐くようになります。個人差はありますが、反抗期にこのような暴言を吐くようになるのは女の子よりも男の子の方が多いです。
親との関わりを避ける
反抗期になると攻撃的になる子どもいますが、性格が大人しい子どもは攻撃的になれないこともあります。そのような場合には、他人を拒絶してなるべく関わらないようにしようとすることがあります。
そのため、口を聞かなくなったり、部屋に引きこもったり、話しかけても無視したりします。このようなタイプはコミュニケーションを取ることが難しく、子どもの考えていることが理解できなくて悩んでしまう保護者も多いでしょう。
状況が悪化してしまうと、引きこもりの状態となってしまう可能性もあるので、子どもの気持ちが理解できないからと思春期や反抗期に対処しないということは避けなければいけません。
親の介入を拒む
思春期になってくると、子どもにも知られたくないことが多くなってきます。そのため、保護者であっても勝手に部屋に入られることを強く嫌がるようになる場合があります。
そのため、いつまでも保護者が子どものことを子ども扱いしすぎて、勝手に部屋を掃除したり、机の中やカバンの中を確認したりなどしていると、子どもにとって大きなストレスとなり、暴言を吐かれてしまう原因となってしまいます。
そもそも、家族であってもプライバシーはあります。思春期を迎えるほど大きくなった子どものことを考えない接し方は非常識であることを、保護者は理解しておかなければいけません。
口ごたえする
反抗期になると、子どもにとってストレスを与えてくる保護者は敵のように見えてしまいます。そのため、何を言われても素直に従えなかったり、正しいことを言われても反発したりなどします。
特に、保護者の話の内容に矛盾点があったりすると、攻撃のチャンスとばかりに口ごたえをします。
父親を毛嫌いする
思春期になると家族と洗濯物を一緒にされることを嫌がるようになる子どももいます。これは女の子の思春期によく見られ、お父さんと自分の洗濯を一緒にされることを嫌がられることは定番です。
しかし、これは思春期を迎えた女の子は少しずつ大人になってきていて、父親のことを男性として認識するようになることが原因の1つでもあります。そのため、これはただの思春期や反抗期というわけではなく、子どもの成長でもあります。
また、同様の理由で父親のことを急に生理的に受け付けられなくなってしまう女の子もいます。そのような状態になると、子どもは近くに父親がいるだけでも嫌な気分になってしまうことがあり、接することを避けたり、暴言を吐くようになったりなどするようになります。
物にあたる・暴力をふるう。
思春期になると子どもはいろいろなストレスを溜め込んでしまいます。しかし、子どもは上手くストレスを発散する方法がわからなかったりもします。
そのため、ストレスの行き場がなく、物に当たってしまうこともあります。
さらに状況が悪化すると、人に向かっても暴力的になってしまったり、未成年飲酒や喫煙などに向かってしまう可能性もあります。思春期や反抗期は一時的なものと軽視してはいけない場合もあるのです。
正しい対応ができず、関係をこじらせてしまうと、反抗期が長く続いたり、反抗心がどんどん強くなり、反抗の原因が反抗期ではなくなってしまいます。反抗期にとるべき行動や、気を付ける言動などについてチェックしておきましょう。
暴力を振るう、非行に走るなどは、やはり行き過ぎています。この場合、家庭の中でなんとかしようと思ってもうまくいかないことが多いので、スクールカウンセラーや学校の先生、専門家に話をして、早めに対処するようにしてください。
反抗期っていつまで続くの?
では、反抗期はいつまで続くのでしょうか?下のグラフはインターネットの調査で、「反抗期がどのくらい続いたか」の回答の割合を表したグラフです。
全体では、「2年以上」と答えた人が31.1%と最も多くなっています。「1年~2年未満」と答えた人の割合も23.2%と多く、約半分以上の人が反抗期が1年以上続いているということになります。
そのため、子どもの反抗期についての対応は1年以上は続くと覚悟しておいた方がよいでしょう。
また、正しい対応ができず、関係をこじらせてしまうと、反抗期が長く続いたり、反抗心がどんどん強くなり、反抗期が終わっても、親への反抗心は残ってしまう等、親子関係の悪化をもたらしてしまします。以下のコラムを参考に、反抗期についての正しい理解と行動を身に付けましょう。
まとめ
反抗期の子どもの言動は、「親から離れたいという気持ち」と、「まだまだ依存している」という意識の間で葛藤し、精神的な不安定さが不安や怒りとなって処理しきれず、親への反抗として現れたものです。なので、本意ではありません。
親は「嫌われたかもしれない。」「親子関係が悪くなったのかも。」と不安になります。その気持ちのまま、子どもの気持ちを考えずにこれまで以上に踏み込むと、親子関係が悪化してしまいます。
「反抗期だから、仕方ない。」と割り切って過ごすことが、親子どちらにとってもプラスになります。「反抗期でただただ感情がコントロールできていないだけだ」と思って、子どもの言動を適当に受け流すようにしましょう。
個別指導塾マナビバでは、子どもが塾に居る間の様子や、学習の状況を詳しく保護者の方にお知らせしています。また、小中高一貫指導であり、長い間同じプロ講師と学習を行うため、講師との信頼関係も築くことができます。
反抗期の子どもにとっては、家や親以外の居場所を作り、家や親以外に相談する人がいることが成長の支えになります。反抗期で、家でなかなかコミュニケーションがとれなくても、講師が子どもと保護者の橋渡しの役割になります。成績を上げることはもちろん、安心できる居場所と言う意味で塾を活用するのもいいですね。