近年では、ネット・スマホの普及したことによって、塾を選ぶ際に、ネットのランキングサイトを利用する家庭が増えています。
ランキング上位の塾であれば間違いないと思って塾選びをするかと思いますが、サイトのランキング情報を鵜呑みするのは危ないかもしれません。
この記事では、ランキングサイトが信用できない理由、ランキングサイト以外で塾を選ぶポイントについて解説していきます。
塾のランキングサイトは信用できない?
確かに、こういったサイトを利用して塾を決定し、それが結果的に子どもに合っていることはあります。
しかしその一方で、ランキング上位の塾に申し込んだからといって、必ずしも子どもにベストなチョイスになるかというと、そうではありません。
100%ランキングサイトを信用するのは危険だということです。
では、なぜ信頼を寄せるのに注意が必要なのか、その理由を以下にみていきます。
アフィリエイトサイトという構造
一番は、アフィリエイトというネットビジネスの仕組みです。
ご存知の方は、この言葉を聞いて、あるいはこの記事のタイトルを見た瞬間から、ランキングサイトの実体にも気づいています。
アフィリエイトというのは、サイトやブログの運営者が広告主と提携して、自分のサイトなどに広告を貼ります。
そしてその広告を見て、実際に商品を購入したり、それこそ入会などの申し込みをしたりする人が出ると、運営者にインセンティブ(報酬)が支払われるという仕組みです。
運営者と広告主の橋渡しをするのが、ASPです。サイト構造になっていて、ASPに色々な広告主が依頼を出しています。運営者は報酬などを考慮して、広告主を選びます。
アフィリエイトについてここまで具体的に分かっていなかった人も、ここまで読めば学習塾のランキングサイトの実体についても気づけます。
想像通り、ASPには学習塾も広告主として依頼を出しています。
内容は、新規資料請求・無料体験申込で6,500円、新規入会で16,500円です。
個別指導塾スタンダードと聞いて、あれ聞いたことがある、という人も多いはずです。
つまり、そこからスタンダードの資料請求がされれば、それだけで運営側に6,500円が入り、仮に入塾までいけば16,500円の利益が出ます。
アフィリエイト以外の報酬例
アフィリエイトは成果報酬で、体験申込みや入塾のたびに利益が生まれます。
そうではなくて、塾運営会社が内部の社員や外の会社にあらかじめ報酬を払い、集客サイトを作る例もあります。
不動産・保険・塾などの場合「資料請求」が成果となってサイト側に報酬が入る例もあります。
今では、SEOに強いサイトを作ることを専門にするHP制作会社が溢れています。
たとえばこういったところに自分の塾を入れたランキングサイトを作ってもらったり、自分の塾の公式HPを作成してもらったりすれば、ネットからの大きな集客を見込めます。
この場合、通常は作成依頼段階で報酬額を決定します。
さらに成果報酬の条項を付けるケースもあります。
運営者はアフィリエイト報酬が目当て
そもそも、ランキングサイトの運営には時間と労力というコストがかかります。
塾ナビのようなサイトを構築するのには、膨大な時間と手間がかかります。
では、なぜこのようなコストを払ってサイトを作り、運営を継続するのでしょうか。
それはアフィリエイトによる収益があるからです。
そのため、ランキングサイトのリンクから学習塾の資料請求をしたり、無料体験や入塾を果たしたりした場合には、運営者に一定以上の利益が生まれていることを理解するべきです。
全てのサイトがそうであるとは言えませんが、悪質なランキングサイトでは作為的にランキングを操作し、サイト内の口コミにつき好意的なものを捏造している例があります。
特に大手の学習塾ほど広告活動に力を入れているケースが多いです。
つまり、より高単価の報酬で、集客力の高いランキングサイト運営者と契約を結びます。
このような事情から、地域密着型の1つしかない学習塾は、ランキングサイトに入りにくい傾向があります。
ランキングサイト以外の塾選びのポイント
ランキングサイトで紹介している学習塾に通って、確かに良い選択になる例があります。
しかし上記の仕組みから、ランキング自体の信憑性には疑問の余地が存在します。
ランキングサイトだけを塾選びの指標とするのではなく、別の視点も取り入れて、もっと俯瞰的に取り組むほうが、結果的に子どもに合った塾を見つけられる確率が高まります。
以下では塾選びの他の視点について紹介していきます。
塾の距離で選ぶ
自宅から近い塾か遠い塾かという問題も、塾選びの大事な分岐点です。
結論からいうと、こちらも一長一短で、一概にどちらが良い、とはいえません。
一見すると、自宅から近い塾のほうが良いに決まってる、と思えます。
しかし、自宅から近い塾だと、上述した学校と塾の峻別、という問題が生じます。
自宅から近い塾ということは、えてして学区内か、外でもそう離れていないために、同じ学校の子がたくさんいる確率が高いです。
距離のある塾なら、逆に知らない子ばかりの可能性が高くなります。
しかし、遠い塾でも電車の座席また、遠い塾で電車やバスを使うのであれば、その間に塾で習ったことを復習できるというメリットがあります。
近いとどうしても時間的に短い自転車や徒歩になり、その間に復習は難しいです。
家に帰ってからすれば良い、と言うのは容易いですが、多くの子は塾から帰ったら疲れていて、それからまた机に向かって勉強、というのは難しいです。
もちろん、近くの塾に通えばその分、通う時間を短縮できますから、家に帰ってからちゃんと自分で復習できる子であれば、なんの問題もありません。
さらに前出の学校の友だちが多いという状況もメリットになったり、あるいは特別デメリットにもならなかったりするのであれば、そういった子にも距離が近い塾は問題がないです。
つまり、冒頭で述べたように、距離が近い塾か遠方かという判断もまた、子によるということです。
チェーンか個人経営かで選ぶ
チェーンか個人経営かという問題も塾選びのポイントになります。
チェーンだと、同じテキストが使われて同じ指導が行われる、マニュアルに沿った教育になるというものです。
チェーンでも教室によってその性格は異なります。基本的に、塾長の人柄や考え方が、色濃くチェーンでも個人経営型でも塾の雰囲気に現れます。
そのため、チェーンの塾の名に良いイメージがあるかどうかよりも、実際に今、どんな塾長によって運営されているかが大切です。
それを知るためには、HPを覗いたり、実際に入塾相談に行ったりする他ありません。
まとめ
塾のランキングサイトは、アフィリエイトなどで報酬を得られる関係から、お金目当ての恣意的なランキングになっている可能性があります。
こういったサイトだけを鵜呑みにして大事な塾を選ぶのは危険です。
他にも、知り合いが多いのか少ないのか、近いのか遠いのか、チェーンか個人経営か、など塾選びに使えるポイントは存在します。
ただそれらもランキングサイトと同様、決定的な一打にはなりません。
結局、塾は相性が全てです。そして相性とはつまるところ塾長とのそれで、これは、HPを見たり、実際に訪問したりする他に知ることは難しいです。