小学生の苦手な科目のナンバーワンは算数だといわれています。しかし、小学校で習う算数は中学校から学ぶ数学の基盤となる大切なものなので、しっかりマスターしておきたいものです。
なぜ算数が好きになれないのか、どうしたら算数を好きになってもらえるか、保護者の悩みも尽きませんよね。
今回は、算数が苦手と思ってしまう主な3つの理由と、小学生が算数を好きになる方法をご紹介したいと思います。また、算数が得意な子に共通している算数力の伸ばし方も是非ご参考下さいね。
算数が苦手な小学生に見られる3つの理由
小学生が感じやすい算数に対する苦手意識は、他の教科と異なる次の3つのポイントが原因かもしれません。
①抽象的概念である数字がイメージしにくい
1、2、3という「数」は、特に小学校入学して間もない子供にとってはその概念を把握できません。指を使って数えられる以上の繰り上がりのある数字は、なおさら実生活と結びつかないため理解することが難しいようです。
単なる「数字」ではなく、人の名前や果物などイメージしやすいものを「数」として捉えるなどの工夫をするとよいでしょう。
②一度つまづくと授業のペースにおいつけない
算数は、基本的な計算の方法や九九、公式など、必ず覚えなければ先に進めないポイントがあります。小学校の算数の教科書には、その学年のその時期にしっかりマスターしておくべき内容が載っています。
ひとつでも理解不足のまま次に進んでしまうと、授業のペースについていけず、ますます算数の苦手意識が高まります。
③文章問題で何を聞かれているのか分からない
日本人は世界的にも算数が得意であるといわれています。とくに計算能力は高く評価されています。そのいっぽうで、近年は児童の読解力の乏しさが注目されています。
計算はできるけれど、算数の文章問題が苦手というケースが多いですね。問題で何が問われているのか読み取ることが難しいということです。
小学生が算数を好きになるための方法
では、算数が苦手だなと思っている小学生に、算数を好きになってもらう方法にはどんなものがあるのでしょうか。
最近では算数クイズの楽しい本やゲームがたくさん市販されていますが、ここでは、ご家庭でできるちょっとした働きかけで算数が好きになるヒントをご紹介します。
・実生活に密着したケースでクイズをする
「数」という概念は、特に小学生低学年の子供にはとても把握しにくいものです。また、「数字」と「数」が結びつかないこともあるようです。その場合には、日々の生活の中にあるモノを使って数のゲームをしてみてはいかがでしょうか。
たとえば、4人家族のご家庭であれば、「みんなにお皿を配ると全部で何枚必要ですか?」など。実際にお皿を1枚ずつ配ってみることで数の概念を体感することができるようになります。
・積み木やブロックで空間認識能力を養う
赤ちゃんの時期から立体的な積み木や色々な形のブロックを遊んた経験があると、空間認識能力が養われるといわれていますよね。
空間をイメージできるようになると、算数に必要な数的センスや図形的センスを高める効果があるようです。そのためには積み木やブロックをとにかく手で触って確かめることが大切。
レゴブロックは小学生におすすめですし、集中力や想像力、思考力、表現力などさまざまな能力を引き出すことができますよ。
・トランプやすごろくなどゲーム感覚で数字に慣れる
数に関連するゲームにトランプやすごろくがあります。トランプの七並べは、数字の並びや数の大小が把握できるようになります。
すごろくなどのボードゲームは、進むマスやゴールまでのマスを数える足し算や引き算の練習にぴったりです。ゲームなどの遊びの中で数字や数に慣れておくと、苦手が好きになるかもしれません。
週末や長いお休みのときはぜひご家族で楽しんでもらいたいですね。
算数が得意な子になる方法や伸ばし方とは?
算数が得意な子はいったいどんな特徴があるのでしょうか。算数がちょっとでも好きになったら、もっと好きになる方法や伸ばし方をご紹介します。
・四則の計算をとことん練習
四則は算数の基本中の基本。足し算と引き算、掛け算、割り算ですが、この計算をとことん練習することが算数が得意になる近道だといわれています。
数の計算が早く正確にできるようになると、普段の実生活の中で自然と数的センスが身に付くのです。学習塾である「公文」は、この計算力を算数力の基本としていることで知られていますよね。
・見直しする習慣をつける
算数はいくら早く解答できても間違っていては意味がありません。ちょっとした計算ミスや文章の読み違えなどに気づく能力も欠かせません。算数が得意な子は、問題を解いた後にしっかり見直しをしているはずです。
100点をとることが成功体験としてさらに能力を伸ばすモチベーションにもつながるので、見直しの習慣づけはとても大切ですね。
・公式を説明できるようにする
算数の文章問題では、答えを導き出すための式をたてる必要がありますよね。なぜこの式で解けるのか分かっていなければ式はたてられません。
同様に、公式にも意味がありますが、なぜこの公式で解けるのか説明できる小学生は少ないように思います。答えまでのプロセスを理解できると、どの公式を使えばよいのかすぐに分かるようになるでしょう。
まとめ
算数が苦手という小学生はとても多いようですが、大人にとっては苦手になってしまいがちな理由をなかなか分かってあげられないことも事実ではないでしょうか。
算数本を買ったり算数塾を検討することも必要な場合もあるかもしれませんが、普段の生活の中にある「数」を意識して子供に投げかけてみる、あるいはゲームや遊びの一環として楽しみながら「数字」に触れてみる、そういった方法もよいのではないでしょうか。
算数がちょっと好きになってくれるかもしれません。「ちょっと好き」が、きっと算数が得意になるきっかけになるでしょう。