大学入試改革により入試名称の変更が行われました。センター試験の廃止は大きな話題を呼んだのが記憶に新しいところです。
しかし、その制度の内容についてよく分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は教育改革の柱となる大学入試について、仕組みや注意点をご紹介していきます。
大学入試は3種類に大別できる
まずはここから知っておきましょう!大学入試は大きく3つの区分に分けられています。
一般選抜(旧:一般入試)
かつては一般入試と呼ばれていた大学入試試験です。募集人員が一番多い入試区分とされています。国公立では全体の80%、私立では約半数を占める試験方式です。
学力での評価となり、高校までに学習した知識が求められます。主要科目(国語・数学・英語など)の筆記試験・マークシート方式の試験です。国公立と私立で入試方法が異なる点が特徴となっています。
学校推薦型選抜(旧:推薦入試)
かつては推薦入試と呼ばれていた大学入試試験です。生徒の人柄などを評価する方式で、学校生活・書類・面接・小論文によって審査されます。この方式は「公募推薦・指定校推薦」といった、選抜区分が二別されるのが特徴です。
公募推薦は、高校の推薦基準と大学側の条件を満たせば誰でも出願できる方式となります。指定校推薦は大学が指定する高校から1人のみ出願できる制度です。公募推薦は競争率が高く合格もハードルの高いものとなっていますが、指定校推薦は推薦を受けることができれば必ず合格できます。
総合型選抜(旧:AO入試)
かつてはAO入試と呼ばれていた大学入試試験です。大学側が求める生徒像に合致するかどうかを審査する入試方式となります。高校の推薦が必要ないことから、誰でも出願ができる制度です。
大学側の設定する書類審査・学科試験・面接をクリアすることが条件になります。ほとんどの私立大学で実施されている他、国公立でもおよそ40%の学校で導入が進んでいるようです。国公立の場合、大学入試共通テスト(旧:センター試験)の結果が必要になる事例が増えていますから注意しましょう。
国公立と私立による大学入試の違い
国公立と私立による大学入試の違いは、その一般選抜方式です。
国公立の場合
「大学入試共通テスト」の試験結果に加え各大学で実施されている「二次試験」の試験結果を合算し、合否を判別します。2次試験は分離・分割方式となり、「前期・後期」で区別された日程でそれぞれ1校ずつ受験することが可能です。一部の大学では中期日程も設定されており、最大で3校の受験が可能となります。
前期日程で合格後に入学手続きを行った場合、中期・後期日程を受験しても合格の権利を失います。前期で合格した場合には中期・後期の合否を確認せずに入学の判断をすることとなりますから、チェックしておきましょう。
私立の場合
すべての大学で同じ日程が設けられているわけではないため、受験校の制限がありません。また同じ大学の学部・学科であっても、入試方式を複数設定している「複線入試(アラカルト入試)」を採用しているケースが多いのが特徴です。
また試験手続・準備による大学の負担増、複線入試の複雑さから、全学部統一入試の導入も進んでいます。全学部統一入試はすべての学部・学科において同日一斉に同内容の試験を行うものです。また一般選抜とは日程が異なるため、同じ学部・学科へ二度出願することが可能になりました。
大学入試までに注意しておくべき2つのポイント
大学受験にあたっては事前の準備も大切です。注意するポイントをおさらいしておきましょう。
・志望学部・学科による試験の違いを把握する
候補をいくつか挙げ、入試要項を押さえておくようにしましょう。受験科目を調べるなど、必要なタスクを総ざらいしておくことで集中した学習環境をつくることができます。
気をつける点は、同じ大学でも学部や学科によって配点が異なっていたりする場合です。また、同じ学部でも大学によって配点が異なるケースもありますから、早い段階で志望する大学・学部・学科を明確にしましょう。
・試験のスケジュールに合わせて行動する
一般的に9月〜10月が出願開始の時期と考えて良いでしょう。そこから試験開始までの時期は希望する入試形態によって大きく異なります。
国公立の場合
一般選抜:9月出願・試験1月・合否3月
学校推薦型選抜:出願から合否まで11月〜12月
総合型選抜:出願から合否まで9月〜11月
私立の場合
一般選抜:出願から合否まで12月〜2月
学校推薦型選抜:出願から合否まで10月〜12月
総合型選抜:出願から合否まで9月〜11月
大学によって期間が異なる場合があります。希望する大学について下調べは徹底して行うようにしましょう。
まとめ
大学入試は志望する大学・学部・学科によって大きく内容や実施時期が異なります。付随して学習内容や入試への準備も変わってきますから、事前の設計が不可欠です。
うまく進められずに悩んでいる方は、学習塾を活用するのも効果的です。大学入試を考えている方は本稿を参考にされてみてはいかがでしょうか。