小学校で「算数」だったものが、中学校では「数学」になりますよね。一気に難しくなる印象を受ける人が多いのではないでしょうか。
「うちの子は算数が苦手で心配」「中学校で数学についていけるか不安」と感じている保護者の方も多いことでしょう。
算数や数学はそもそもどう違うものなのかを整理すると、漠然とした不安が軽減されます。また、小学校から中学校への変換期に大切なことを知っておくと、うまく導くことができますよ。
算数や数学はどんな違いがある教科なのか
まずは「算数」と「数学」それぞれの内容について確認していきましょう。
算数とは?
算数とは、主に身の回りの事柄について、答えをだす教科です。例えば、足し算引き算などの計算ができるようになったり、図形の面積を求め方の意味や計算方法を学びます。
日常生活に必要な計算能力が求められ、解答の正確さが重要になります。算数は答えが全てな教科でもあります。ですので、計算ミスが多いお子さんや見直しが不十分な場合、テストの点数が悪くなってしまいます。その結果、算数の苦手意識が高まってしまいます。
中学生の理科の計算や、それ以降の物理や化学の計算の際には、算数の考え方や計算力を使っていきます。
数学になると何が変わる?
数学は、答えよりも数のルールを学ぶ学問です。数のルールに従って答えを導き出す過程が重要になります。算数は日常生活の具体的なものを求めるのに対して、数学では扱う問題が抽象的になるところに違いがあります。抽象的になる分、難しいと感じるお子さんが増えていくわけです。
どのように解いていけば答えに辿り着くのかということや、どのケースにも当てはまる一般的な法則を見つけていくことが重要な教科と言えます。数学を学ぶと、物事を論理的に考える力がついたり、答えを導き出す方法を見つけられるようになります。
算数と数学の違いを理解していないと起こること
数学は算数に比べて抽象的になる分、難しいと感じるお子さんが多いです。算数と数学の違いを理解していないと困ったとこになってしまうかもしれません。
・数学が一気に苦手になる
算数は、具体的な問題を主に計算という方法で解いてきました。答えを出すプロセス自体に注目された数学に苦手意識を感じることがあります。算数と数学は数字を扱うけれど、そもそも違う教科なんだということを理解しておくだけでも、対応方法が違ってきます。
「数学は算数の延長で、うちの子は算数が得意だから大丈夫そうだ」と思い込んでいると、中学生になって思わぬタイミングで躓いてしまうことがあります。
・公式を丸暗記する勉強方法が定着してしまう
数学では、xやyなどの文字がでてきたり、たくさんの公式をあてはめながら解いていく必要があります。最初は簡単そうに見えても、解く問題がどんどん抽象的になってきます。そのため、公式の意味を理解していないと、どの問題にどの公式を当てはめたらいいのかわからず、苦手意識を持ちやすくなります。
算数から数学への変換期に大切なこと
中学校に入って、算数から数学になったときに、スムーズに勉強していってほしいですよね。算数から数学への変換期で大切なことがあります。
計算のプロセスを見直せるようになっておくこと
答えが重要だった算数と比べて、数学では計算のプロセスが大切になってきます。算数のときから、「どのように問題を解いていくのか」「どんな考え方を使って解いているのか」に注目すると、数学を学ぶときにも考え方が似ているので、適応しやすくなります。
算数のときから計算のプロセスを見直せるようになると、計算ミスが減ります。計算ミスが減ると、算数では好成績を残せることが多いので、数字系の学問に対しての苦手意識が軽減して、取り組みやすくなります。
公式や解き方を理解する
公式は暗記して、なんとなくわかったつもりになりがちです。なんとなくだと、抽象的な問題を扱う数学では、自分の考えていることもなんとなくになってしまいがちです。
算数でも、公式や決まった解き方がありますよね。それらの方法を「どんな問題にあてはめているのか」「どうしてこの方法を選択しているのか」
と考えることで、考え方が数学的にグッと近づきます。
まとめ
算数から数学へ変わるときは、お子さんだけでなく、保護者の方も不安になりますよね。算数は具体的な問題を解いた結果が大事なのに対して、数学は抽象的な問題をどのように解くかのプロセスが大事な教科です。
算数の延長上に数学があると思っている方や公式だけを暗記していく方法で勉強している方は、中学校で数学になったときに、躓きやすいです。
算数を勉強している小学生の頃から、計算のプロセスを見直したり、公式や解き方自体を理解できるようになっておきましょう。
算数の勉強でこのような方法を身につけておくと、算数の精度も上がって、数字への苦手意識を軽減させた状態で中学生になることができますよ。小学生のうちから、数学への準備をしておきましょう。