暗記勉強と言えば、英単語、漢字、古文単語、歴史の年号、数学の公式、理科の元素記号など、たくさんの暗記事項がありますね。
暗記物が苦手、なかなか一気に覚えることができない・・・。
暗記学習で悩みを抱えている中学生、高校生は多いのではないでしょうか?暗記学習において、忘却曲線をしっかり理解した上で学習していくことは大変重要なのを知っていますか?
忘却曲線とは?
忘却曲線とは、ドイツの心理学者のヘルマン=エビングハウスが発見したものです。エビングハウスの忘却曲線とも呼ばれ、暗記したことと時間にはどんな関係があるのかを実験しグラフ化したものです。
エビングハウスは英語の子音・母音・子音からできている無意味な音節を記憶させ、これがどのぐらいの速度で忘れていくか、また、どのぐらいに復習をすると記憶が持続できるかを調べました。
その結果、人間が何かを学んだ時は、以下のような忘れていくことが分かりました。
【エビングハウスの忘却曲線から分かったこと】
・20分後→42%忘れる。
・1時間後→56%忘れる。
・9時間後→64%忘れる。
・1日後→67%忘れる。
・2日後→72%忘れる。
・6日後→75%忘れる。
・31日後→79%忘れる。
例え一生懸命勉強しても、1か月後にはほとんど忘れてしまう計算になります。
これでは、「どんなに勉強しても記憶の忘れる速度に追いつかないから無駄だ。」と考える人もいると思います。エビングハウスが発見したのは、忘れるということだけではありません。
私たちが暗記学習をしていく上で、重要なヒントになることも一緒に発見したのです。
忘却曲線は他に何を指すのか?
エビングハウスの忘却曲線は、単に忘れていくことだけを調べた結果ではありません。
実はその中に、研究結果から導かれる5つの発見と暗記学習に必要なヒントが隠されていたのです。
暗記の対象物が何か?
まずは、記憶や暗記する対象が何かということです。
人間が何かを学ぶ時には、その知識が自分にとって意味があるもの、重要なものであれば、暗記するのは簡単になるのです。
しかし、反対に全く自分にとって意味がないものや重要でないものであれば、すぐに忘れていくことが分かりました。暗記学習は必要に駆られて覚える人もいるでしょうから、一概に自分にとって必要なものとは言い切れないかもしれません。
でも、定期テストで良い点数を取るために覚えるなどの目的意識をしっかり持って暗記に取り組めば、覚えやすくなるかもしれませんね!
暗記を行う前に暗記学習に対する意識改革をしてみましょう!
また、暗記するものにインパクトを与えてあげるのも良い方法だと思います。
好きな色のマーカーで線や丸を描く、語呂合わせや歌などをうまく利用する、字ばかりで覚えにくい場合は自分でその横に絵を描いてみるなど、記憶に残しやすくするためにアレンジを加えるのも良い暗記方法です。
時間をかけて暗記しているか?
暗記する対象物が決まったら、目的意識の有無に関わらず、それを覚えるのにどのぐらいの時間を使っているかが問題となってきます。
暗記に時間をかければかけるほど、覚えられる情報量が圧倒的に増えていく結果が出ているのです。だから、学校の先生や塾の先生が復習を毎日行いなさいと言っていたのですね!
反復して暗記することの重要性が、研究結果から分かります。
復習をかさねることが重要!
暗記学習に時間をかけることが重要で、何度も覚えられるまで反復して暗記を続けることが非常に重要になってきます。復習を重ねること=覚えるのに時間を使うことになりますから、どんどん記憶に残りやすくなってきます。
苦手な分野でなかなか覚えられなかったとしても、諦めずコツコツと積み重ねることが重要になってきます。
何回かに分けて覚えることが大切!
暗記学習を行う上で大切なのは、一気に物事を覚えようとせずに、何回かに分けて暗記することがとても重要なのです。
特に定期テストは範囲によっても覚えることが多い時もあります。学習スケジュールをしっかり立て、毎日30個ずつ単語を覚えるなどの具来的な数を決めて、学習に取り組みましょう。
そうすれば、自ずと学習効率も上がっていきます。
そうは言っても、テストが近いので無理という人は、暗記に時間をかけられるように、もっと早くからテスト勉強に取り掛かる必要があるのです。
早めから学習に取り組めば、心に余裕を持って学習することも可能ですしね!
忘れるのは意外に速い!
物事を暗記したとしても、学んだ直後からどんどん忘れていきます。覚えるのに要する時間はかかりますが、忘れるのは簡単です。
これはエビングハウスの忘却曲線を見れば、一目瞭然ですね!
最初は一気に覚えて一気に忘れてしまうこともあるとも思いますが、次第にゆっくり忘れるようになるので、忘れないようになるまで毎日コツコツ積み重ねることが大切です。
最適な復習のタイミングを知ろう!
覚えても忘れてしまうのであれば、どうすれば記憶を持続することができるのでしょうか?
最適な復習のタイミングを知り、その時に暗記学習をすること!それに尽きます。
学習した24時間以内に10分の復習をすると、人間は100%記憶していることができるのです。次の復習は1週間以内に5分行うと、記憶がよみがえると言われています。さらに1か月以内に2分~4分が復習をすると、記憶がもっと持続します。
中学生や高校生は部活動や委員会活動に追われて、比較的テスト前からしか学習時間を取れない人も多くいると思います。
このタイミングをしっかりと見計らって、暗記学習を行い、時間効率の良い学習習慣をつけていきましょう!
まとめ
中学生、高校生のうちは毎回の定期テスト、受験などさまざまな場面で暗記をしなくてはならないことが多いです。もちろん、記憶を持続できなければ入試問題などは到底太刀打ちすることはできません。
忘れるタイミングを見計らって再度復習を行い、効率の良い自分なりの暗記学習方法を見つけていきまししょう!