ボーダーフリー大学またはFランク大学のことを、「偏差値がないのでレベルが低い大学」と考えるのは一概に正しいとは言えません。
また、入試の解答用紙に名前さえ書けば合格できる大学でもありません。
そこで、この記事ではボーダーフリー(BF)大学について説明し、通うメリット・デメリットについて言及していきます。
ボーダーフリー(BF)大学とは
既定の募集人数に対して受験者数が少ないことで受験生同士の競争が起きず、合否の基準となる偏差値の計算ができない大学のことを指したものです。
模試の受験生にその大学を志望する人が少なく、データを集めることができなかったため、その大学の「当落のボーダーライン(境界線)」を引くことができませんでした。
ボーダーラインがない状態(フリーな状態)だから、ボーダーフリーと呼ばれています。
大手予備校の河合塾では、以下のように設定します。
不合格者数が少ないため合格率50%となる偏差値帯が存在せず、ボーダーラインが設定できなかった場合、ボーダー・フリー(BF)としています。
つまり、残念ながらBF大は、その大学の入試に合格したすべての受験生が喜ぶわけではない進学先であることは、確かなようです。
偏差値について、なんとなく分かっているけれど、厳密にどうやって計算しているのか分かっていないという人はよくいます。
BF大を「偏差値40台以下の大学」と定義して、そのような大学に「進学する価値」について考えてみたいと思います。
ボーダーフリー(BF)大学に行くメリットは何?
ボーダーフリー(BF)大学に行く価値というのは人それぞれで、BF大で学ぶ価値を見出せる人には、十分行く価値があります。
また、その逆で大学の偏差値を重視している人には、行く価値がない、または価値が低いと言えるでしょう。
そこでまずは、そもそも「大学に行く価値」とはどのようなものなのか、考えてみましょう。
「大学の偏差値=学歴」は間違い
多くの人が、高いお金を支払って、4年または6年という長い年月を費やして大学に通うのは、学問を積んで学歴を高めるためです。
この「学歴」という言葉には、「中卒、高卒、大卒」という大きな区切りでという意味を持つものがあります。
受験生の多くが使う、学歴は「偏差値の高さ」に準ずるモノサシとなっています。
前者の意味で考えると、偏差値に関係なく「大学を卒業した人=高学歴」ですし、後者の場合は、「偏差値が高い大学を出た人=高学歴」と言っています。
このことから、「大卒」という意味での「高学歴」を獲得したい人なら、BF大に行く価値は十分ありますが、「偏差値が高い大学を出た人」になりたいのであればボーダーフリー(BF)大学は適していません。
ボーダーフリー(BF)大学に入るメリット
先述したように「大卒」という学歴だけが欲しい場合は、わざわざレベルの高い大学を受験するよりも。BF大を目指したほうが楽です。
北海道大学などと比較しても、わずかな勉強量・時間で合格することができるのでコスパが高い点がボーダーフリー(BF)大学を受けるメリットになります。
ボーダーフリー(BF)大学に入るデメリット
日本の就活では、高偏差値の大学の人を優先的に採用するという「学歴社会」になっています。
大手企業の中には、「MARCH未満は不採用」「早慶以上から面接」と言ったようにルールを作っている企業もあります。このようなルールを「学歴フィルター」と呼ばれています。
自分が本当に勤めたい会社にこの学歴フィルターが有った場合、大学に入ってから気づいては手遅れです。
そのため、ボーダーフリー(BF)大学に入った時点で「働ける可能性のある会社が少ない」ということができます。
北海道のボーダーフリー(BF)大学
ボーダーフリー(BF)大学についてお話ししてきました。
続いては道内のBF大をまとめたので参考にしてください。
道内の国公立のBF大
- 釧路公立大(経済)
- 北見工大(工学)
- 室蘭工大(理工夜間)
道内の私大のBF大
- 北海学園大(人文2部、経済2部、法2部、工)
- 東海大(国際文化)
- 札幌大(地域共創学群)
- 札幌学院大(法、人文、経済、経営)
- 北翔大(生涯スポーツ、教育文化)
- 旭川大(保健福祉、経済)
- 北海商科大(商)
- 北海道科学大(未来デザイン)
- 北海道文教大(外国語)
- 札幌大谷大(芸術)
- 函館大(商)
- 北海道情報大(情報メディア、医療情報)
- 札幌大谷大(社会)
- 札幌国際大(人文)
- 北海道情報大(経営情報)
- 苫小牧駒澤大(国際文化)
- 札幌国際大(観光、スポーツ人間)
- 星槎道都大(経営、社会福祉、美術)
- 稚内北星学園大(情報メディア)
- 北海道科学大(工)
- 北海道医療大(歯)
毎年、大学ごとの受験生の人数は変化するので、年度によってはボーダーフリーではない可能性もありますので多少の注意は必要です。
絶対に受かるとあぐらを書いて勉強をさぼり続けてしまうと不合格になり、浪人せざるを得ない状況にもなります。
まとめ
偏差値が高い大学に行っても、ただ自分の意思を持って学習をしなければもったいないですし、それだったらボーダーフリー(BF)大学に通って自分のやりたいこと、学びたいことを集中し取り組みをした方が良い結果を生むでしょう。
しかし、周りに流されやすい、自信がない、という人は俗にいう難関・高学歴の大学に進学すると、就活など多方面でメリットを享受できるでしょう。