新年の初詣の後は、いよいよ受験シーズンが本格化します。差し迫った受験での合格祈願はもちろんですが、広い意味での学業成就を願って神社へ参拝する人々に、札幌でご利益のあると言われる神社を幾つか紹介いたします。
【豊平区】平岸天満宮-菅原道真公の天満宮を祀る神社
学問の神様と言われる菅原道真公が祀られている天満宮といえば、ご存じ大宰府天満宮ですが、その大宰府天満宮からの御分霊を祀っているのが札幌市豊平区の「平岸天満宮」です。
珍しいことに、山の神を尊ぶ太平山信仰に、勝負事や商売繁盛、商談の神とされる三吉神社が一緒になった「太平山三吉神社」とこの「平岸天満宮」は同じ場所にあり、ここを訪れると幾つものご利益があると言われている一石二鳥、三鳥とも言っていい神社です。
合格、ゴウカク、ゴカク、五角、ということで縁起を担いで五角(合格)鉛筆や、合格祈願の絵馬なども用意されています。
「平岸天満宮」には神職の方が常駐し、御守りや御朱印を授かることも可能です。
住所 札幌市豊平区平岸2条16丁目3-2
アクセス 地下鉄南北線澄川駅より徒歩10分
なお、澄川駅から次の南平岸駅まで緩い下り坂になっているため、帰りは南平岸駅まで約12分くらいで行くルートもいいでしょう。
【中央区】弥彦神社-中島公園に隣接する太宰府の神社
次は、札幌の中心部に近い中島公園と隣接し、アクセス抜群の「弥彦神社」を紹介します。正式な読み方は「いやひこ神社」です。札幌市民は「やひこ」と言ってしまう人が多いようですが、「やひこ」で通じるくらい多くの人々に親しまれている神社です。
こちらも平岸天満宮と同様に大宰府天満宮からの御分霊を祀られているのが特徴です。菅原道真公へ受験のお願いをするのに非常に行きやすい神社と言えるでしょう。
北海道内の受験生が札幌に訪れる際に北野天満宮や太宰府天満宮へ行くのと同じつもりで参拝する人たちも例年、多数います。
春の桜、秋の紅葉、朱色の大きな鳥居など写真映えもいいため、お散歩や観光にも適しています。
住所 札幌市中央区中島公園1-8
アクセス 地下鉄南北線幌平橋駅より徒歩3分
なお、隣接する中島公園内を10分くらい歩いて行くルートもあります。行き、または帰りに中島公園へ立ち寄るのも楽しいですよ。
【東区】大天満神社−菅原道真公の子孫・文時公にまつわる神社
続いては、菅原道真公の孫である菅原文時公を御祭神とする東区の「大天満神社」を紹介します。こちらの宮司様は、その菅原文時公の子孫の方にあたり、それだけでも大変なご利益を感じられそうです。
神社の大きさは、他の神社と比べるととても小さく、住宅街を歩くと目の前に来るまで気づかないくらいの小規模な神社です。それだけに、まさに受験のお願いという一つの目的を叶えてくれるためにひっそりと佇んでいる印象を覚えます。
なんといっても菅原道真公の親類がいらっしゃるとなれば、遠い年月を隔てて道真公に巡り会えたような気になれるかも知れませんね。
住所 札幌市東区東雁来9条1丁目1-22
アクセス 中央バス東6札苗線、東68/ビ68伏古札苗線、
東79北札苗線、東69北札苗線「東苗穂8条3丁目」より徒歩7分程度
なお、バス停の東苗穂8条3丁目に行ける中央バスの路線は他にも幾つもあります。ただ、出発の本数からすると地下鉄東豊線環状通東駅から乗車するのが行きやすいようです。
【西区】琴似神社・御門山天満宮−札幌では希少な「撫で牛」
学問の神様である菅原道真公を祀る神社として知られているのが「天満宮」と名のつく神社ですが、学問の神様の使者は「撫で牛」という牛です。その牛を撫でると受験で良いことが起こるという縁起の良い「撫で牛」は、北海道内にも幾つかあります。
神社にいる牛を撫でて受かるなら、是非とも撫でに行きたいところですね。しかし、実はどの天満宮にも「撫で牛」が必ずいるワケではありません。
道内では旭川天満宮や登別の幌別にある刈田神社など、その数は希少です。そして札幌市内では、大変に希少な「撫で牛」のいる神社が西区の「琴似神社」内の「御門山天満宮」です。
「天満宮」と聞くと大きな神社を思い浮かべるかも知れませんが、この「御門山天満宮」は西区で最大の「琴似神社」の中にある境内末社(神社の中の神社)の一つです。
住所 札幌市西区琴似1条7丁目1−30
アクセス 市営地下鉄東西線琴似駅より徒歩4分程度
なお、札幌市西区の西区役所前近辺を通るバスでも行けます。西区役所のすぐ前が琴似神社です。
神社の参拝は、どうやってするの?
本来は、神社の神職の人に事前に申し入れ、社殿の中で祈祷をしていただき、初穂料(はつほりょう)というお礼を収めます。これを正式参拝といいます。
ここでは、ごく一般的な方法として初詣などで見られる、社殿の前でお賽銭を入れて鈴を鳴らしてお辞儀をして手を合わせてお願いする方式について、改めて説明します。この方式を略式参拝といいます。
①鳥居を通る前に、左端または右端で止まり、軽く一礼をします。
②鳥居から社殿までの通路を参道といいますが、中央を歩かずに左端または右端を歩きます。
③手水舎(ちょうずや・てみずや)の水で手と口を洗って身と心を清めます。(現在はコロナ禍のためこの儀礼は省略されています。)
※正式には先ず右手で柄杓(ひしゃく)を持って左手に水をかけ、次に左手で柄杓を持って右手に水をかけます。最後に右手で柄杓を持って左の手のひらに水を入れ、口をすすぐ、などの手順がありますが、現在はコロナ禍で手水舎の使用が省略されています。
④社殿の前に立ち、軽く一礼します。
⑤お賽銭を入れて、鈴を鳴らします。(コロナ禍のため鈴を鳴らせない場合もあります。)
⑥二礼してから二拍手します。
⑦手を合わせて神様にお願いします。受験生は入りたい学校と自分の名前を言いましょう!
⑧手を下ろし、一礼します。
以上で神様に合格のお願いをすることができます。あとは社務所(しゃむしょ)で絵馬やお守りを購入する(本来は購入ではなく、授かると言います)など、自分の気持に合わせた行動をとりましょう。
まとめ
今回は、合格祈願の神社に行くのにオススメの神社を紹介しましたが、実はここに取りあげた神社の他にもご利益のあると言われる神社が札幌にはまだだあります。
受験は自力で受かるもの、他力本願なんて…… と考える人もいるのは十分に承知しています。しかし、最後はやっぱり神様お願い!! との気持ちもわかりますよね。
受験の神様、菅原道真公を祀る神社は札幌だけでも10ヵ所以上あります。ぜひ、受験勉強の気晴らしと合格祈願を兼ねて、出かけてみてはいかがでしょうか。