多くの高校生が悩む、文理選択。どうせだったら将来性が高い方を選びたいですよね?
将来性と一言で言ってもさまざまな意味合いがあります。ここでは将来性=生涯賃金が平均よりも高い!と定義して解説します。
文系VS理系 平均年収ってどのくらい?
まずは、平均年収です。こちらの記事でも紹介していますが、
2010年に慶應義塾大学による調査では、文系学部出身者・理系学部出身者ともに平均年齢約46歳で、文系学部出身者が559.02万円、理系学部出身者が600.99万円と、理系学部出身者の方が約42万円高い結果となりました。
出身大学別にみると、国立大卒男子の年収は、30歳までは文系男子とほぼ同じですが、40歳では約100万、50歳では150万近く上回る結果となりました。国立大以外の理系男子は、30歳では文系男子より100万ほど低いですが、40歳でほぼ同じ、50歳以降は50万円を超える差に逆転することがわかりました。
さらに、正社員の割合は、文系60.1%に対して理系は82.4%、役員比率は文系20.3%に対して理系は35.0%といずれも理系が文系を上回る結果となりました。
この結果から、文系よりも理系の方が将来性があるといえます!
稼げる理系!特に稼ぎやすい職種は?
それでは、理系の中でも特に将来性がある職業・就職先は何でしょうか?
大きく分けて①研究開発職、②IT業界技術者、③データサイエンティスト、の3つあります!
①研究開発職
R&Dとも呼ばれ、企業の事業領域に関連した研究開発を行い、新たな知見や技術を得るための職業です。商品を開発する際に、5年先、10年先の実用化を目指して、必要な基礎知見の収集・開発をする基礎研究。基礎研究で立証された科学的事実を踏まえて、それを具体的な技術・製品へと結びつける応用研究。基礎研究や応用研究で得た科学的事実と、作り出された商品から得た知識から、新しいサービスを生み出す開発研究があります。
②IT業界技術者
情報技術の分野で快適な環境を構築する、専門知識やスキルを持つエンジニアを指します。IT業界技術者には、顧客からヒアリングして要求に合わせたシステムを設計するシステムエンジニア、システムエンジニアが設計したシステムをプログラミング言語を用いて構築していくプログラマーなどの職種があります。特にシステムエンジニアは、直接顧客からヒアリングしてシステムを設計するので、専門知識はもちろん、コミュニケーション能力も必要になります。
③データサイエンティスト
ここ10年で注目されるようになったデータサイエンティスト。これまでは経験や勘で行われてきた仕事の効率性や競争力を、ビッグデータ(テキスト、音声、動画、SNSなどから得られる大量の情報)を分析することによって、企業の経営課題を解決するための戦略立案や意思決定者をサポートする職種です。
文系だって稼ぎたい!将来性が高い職種とは?
もちろん、文系にだって将来性が高い職種もあります。
大きく分けると、①総合商社、②国家公務員、③弁護士の3つになります!
①総合商社
幅広い産業分野で、原材料や加工品、サービスなどあらゆる商材を扱って、売りたい相手と買いたい相手を結びつけて取引を仲介する職種です。もちろんモノだけではなく、電力や交通などのインフラ事業、金融関係も取り扱います。最も大切な役割が、売りたい相手と買いたい相手を結びつけることなので、高いコミュニケーションスキルやリーダーシップがあると有利でしょう。
②国家公務員
国家公務員にもさまざまな種類があります。大きく分けるといわゆる官僚・キャリアと呼ばれる国家総合職、総合職をサポートする国家一般職の2つです。
国家総合職は、幅広い見識を身につけるため、早い段階から人事異動を繰り返してさまざまな職務を経験し、若くして責任ある政策の企画や立案と言った仕事を任されます。
国家一般職は、各府省に採用されるため、特定の分野について専門的な業務を行います。国の中枢である霞が関での採用となるため、スケールの大きい仕事を任されることが多いです。
③弁護士
弁護士は文系の将来性がある職種の代表格ですよね。弁護士を目指すためには法科大学院で学ぶ必要がありますが、もし法科大学院に進めなくても予備試験に合格することで司法試験を受験することができます。
現在、合格者数を大幅に増やした影響で、弁護士の人数が多くなったのにもかかわらず、需要は一定なので、需要と供給のバランスが崩れて所得が低くなった=競争が激しくなったのですが、将来性のある職種には変わりありません。
理系なら◯◯学部、文系なら◯◯学部が就職に有利!
それでは、出身学部によって将来性は変わるのでしょうか?
理系 | 文系 |
医・歯・薬学部 理工学部 農・獣医・畜産学部 | 経済・経営・商学部 法学部 |
理系の場合は、医・歯・薬学部、理工学部、農・獣医・畜産学部の順に、文系の場合は、経済・経営・商学部、法学部の順に年収が高いことがわかっています。
ただし理系の場合は、医学部以外の学部はほとんど給料に差がなく、文系の場合は、経済・経営・商学部や法学部とそれ以外の学部では少しずつ差があり、トップと最下位の差は200万近くあります。
理系にしても、文系にしても「何か専門的なスキルを持っている」と年収が高くなる傾向がありますので、もし迷ったらスキルを身につけられる学部を選択するのも一つの手です。
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まとめ
将来性を高所得で需要があると捉えるのでれば、文系よりも理系の方が将来性が高いという結果になりました。しかし、文系だからって将来性が低いわけではありません。文系・理系にかかわらず、「専門的なスキル」を持っている人材は需要があります。大学在学中に取得できる資格試験を調べて、将来に備えてスキルを身につけると、将来性が高い職種に就職しやすくなりますので、検討してみてくださいね。