思春期の中学生は、大人からすればすぐに嘘だとバレるような嘘を平気でつくことがあります。
たとえば、学校の定期テストが返ってきたのか聞いてみると、「今回はみんな全くできてなくて、先生が切れて再テストになったからテストは返されなかった」という様な嘘をです。
このような嘘は、すぐに親はわかるのになぜ嘘をつくのか。
今回は中学生が嘘をつく理由と、よく嘘をつくパターンについてマナビバが解説していきます。
思春期の中学生が嘘をつく理由
思春期の中学生がが嘘をつく理由の中で一番大きいのは、嘘をつくことで想定されるデメリットを回避するためです。
大前提として、人は本能的メリットによる喜びよりもデメリットによる悲しみの方が強いのです。
ですから、嘘をつかないで正直になることで、少し怒られるけど丸く収まるより、嘘をついてでもなかったことにできた方が良いと感じてしまうのです。
特に、思春期は成長の過程で精神的に不安定になる時期で、プライドを守るために嘘をつくことが多くなるのです。
それでは、どのような理由で嘘をつくのか見ていきましょう。
怒られたくない
怒られたくないという気持ちが強い子は、自分の失敗を正直にいうことができず、嘘をついてしまいます。
どんなに自分が悪いと分かっていても、その場しのぎの嘘で乗り越えようとしますし、その場しのぎで嘘をついたことがバレたら、さらに怒られるのではないかと考え、さらに嘘をついて誤魔化そうとすることも多いです。
このタイプの子はよく怒られている経験があったり、人前で怒られて恥ずかしいと思った経験から、怒られることに非常にネガティブな子が多いです。
自分をよく見せたい
自分をよく見せたいという気持ちから嘘をつく子も非常に多いです。
思春期はどうしても他人の目が気になる時期ですし、興味を引こうとして、つい勢いで話を大きくしてしまうこともあります。
多少話を膨らませるくらいならそこまで問題ではありませんが、行き過ぎて子供の話がどんどん大きくなり過ぎて、どこかで話の矛盾が生じるのは良くありません。
話の相手に嘘だと見抜かれ、信頼を損なってしまいます。
このタイプは信頼を失うことを恐れ、どうにかして信頼を取り戻そうと嘘を重ねてしまうことも多いです。
自立心から自分のことは自分で決めようとする
思春期は、自立心が芽生える時期で、自分のことは自分で決めようと試行錯誤する時期ですが、行きすぎて一人でなんでもできないとダメなんだと考えることが多くなる時期です。
「一人でできないといけない」という思いの強さから、努力しても失敗したら「ダメだ」と言われてしまうと恐れ、自分は大丈夫なんだ、一人でできるんだということを見せようとして嘘をつきます。
そして、「一人ではできない」と感じていても、プライドから素直に助けを求めることができず、結果がバレるまで嘘をつ重ねてしまうことも多いです。
人間関係のトラブルを避けたい
思春期になると人間関係にトラブルを抱えることが多いですよね。
でも、人間関係のトラブルは今までの友人関係を損なってしまうこともあり、面倒くさいと感じることも多いはずです。そして、そんなトラブルを避けるために嘘をつくことがあります。
これは人間関係を円滑にするためのもので、なんでも正直になればいいというものではありません。
しかし、一度嘘をついたら、次にその話になった時にまた嘘を重ねざるを得なくなり、どこかで矛盾が生じてしまうこともあります。
そうなった時のダメージは非常に大きいので、デリケートな問題と言えるでしょう。
嘘をつくパターン
嘘をつくパターンには、寂しい自分を慰めようとするものや、他の人をあしらうためのもの、他の人に責められるのを避けようとするものなどがあります。
ここではそんな嘘をつくパターンについて紹介していきます。
孤独感を感じている
孤独感を感じている子供は、周囲に自分のことを認めてもらいたいなどの承認欲求が働き、友達や先生に対し、「お父さんはアメリカのIT企業で働いている」「別荘を持っている」「何回も海外旅行に行っている」などと言って注目を集めようとします。
これは自分の存在をアピールしようとするのが目的で、根底には友人関係がうまく構築できていないことによる、孤独感がある場合が多いです。
自分だけの居場所を作ろうとする
思春期の子供は親から自立しようとして、親と距離を取ったり、自分だけの時間や空間を確保するために嘘をつくパターンがあります。
たとえば、宿題が終わっていないのに「もう終わった」と嘘をつくのは、そう答えることでこれ以上何か口出しされないようにして、親に干渉されない自分の居場所をつくろうとしているのです。
自分の身を守ろうとする
親が厳しくて少しのことでもガーッと怒られてしまうような環境で育つと、自分の身を守るために思わず嘘をついてしまうことがあります。
怒られないようにしなきゃ、そのためには良い子でいなきゃ、親の信頼を裏切るわけにはいかないといった考えになることが多く、テストでよくない点数をとったら、それを隠したり、嘘の点数をいうことがあります。
親がよく嘘をついていて真似してしまう
上記の3つの他にも、親が嘘をつくから、子供も嘘をつくのが当たり前になってしまっているパターンもあります。
親がただ朝寝坊しただけなのに、会社に「今日ちょっと体調が悪くて、薬飲んだら落ち着いてきたので午後から出勤します」という連絡をする姿を見て成長したら、子供もちょっとしたことで理由をつけて学校を休むようになることは想像がつくかと思います。
子供の嘘を責める前に、我が身を振り返るようにしましょう。
まとめ
中学生が嘘をつく理由と、よく嘘をつくパターンについて見ていきましたが、いかがだったでしょうか。
中学生が嘘をつくのはデメリットを避けるために何かを隠そうとするからです。
しかし、子供は親に受け入れてくれるという信頼があれば、デメリットよりもメリットの方が圧倒的に大きい都分かれば、基本的に嘘をつきませんし、少し嘘をついても、すぐに本当のことを打ち明けてくれます。
思春期の子供とそのような信頼関係を構築するのは大変ですが、子供のことを優しく見守って、いつでも味方なんだとアピールをしてあげましょう。素直になれなくてはっきりとした言葉にはしませんが、子供も親の気持ちを心の奥底では理解してくれていますよ。