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勉強してもすぐ忘れる病気!子供を理解してあげるために知ってほしいことをマナビバが解説!

子供に勉強させたのに全然覚えていない、一度覚えたはずなのにすぐ忘れてしまうと悩んでいる親御さんは多いかと思います。

あまりにもすぐ忘れてしまう場合、うちの子供には何か問題があるのではないかと不安になることもあるでしょう。

そこで、今回は勉強をしてもすぐ忘れる子供の特徴とその対応法について確認をしてから、それでも解決しない場合にどんなケースが考えられるのか、紹介するケースに該当するときに親として子供を理解してあげるためにどんなことを考えていけばいいのかを解説していきます。

勉強してもすぐ忘れる子供の特徴

勉強のやり方や勉強に向かう姿勢が良くない場合は、勉強をしても定着せず、すぐ忘れてしまいます。

ここでは、そんなよくない勉強のやり方と姿勢の特徴について紹介します。

復習のタイミングがよくない

あなたの子供は勉強したことを覚えるために、きちんと復習はしていますか?復習していたとしても、どんなタイミングで復習をしていますか? 

忘れないよう勉強してすぐでしょうか。それとも、テスト本番前に一気にでしょうか。

実は、どちらも復習のタイミングとしては良いものではありません。

勉強をしてから少し間を開けて復習をして、本番までに何度も繰り返すことが重要なのです。

 

音読しないで勉強している

勉強は静かにするものというイメージがあるかもしれませんが、音読は勉強においてとても重要なものです。

文字を音読するとき、黙読するときに活性化する後頭葉・側頭葉・頭頂葉・前頭前野に加えて聴覚野なども活性化します。そして、音読をするときは、声を出すだけではなく、自らが出した声を耳で聞くことができます。

これによって音読は脳を活性化させられ、記憶に残りやすくなるのです。

 

勉強を嫌だと思いながら勉強している

勉強を嫌なことだ、嫌だけど仕方ないからやらないといけないなどと、マイナスなイメージを持ちながら勉強していると、記憶しづらくなります。

なぜなら、人は何かを記憶するとき、どんな気持ちになったかで、脳が記憶の仕方を大きく変えるからです。

好きだと思うことはストレスがなく、脳は十分な機能を発揮しますが、嫌だという気持ちだとストレスホルモンが分泌され、海馬や前頭前野の脳細胞が萎縮してしまうのです。

テストに対して焦りが強い

テストなどに向けて勉強をしていると、合格できるだろうかなどの不安や緊張に襲われることもあるでしょう

しかし、不安や緊張が強くなりすぎると、記憶の定着を阻害してしまうのです。

勉強のことやテストのことなどで強い不安や緊張状態になると、脳が疲れてしまい、恐怖や不安といったマイナスの情動に深く関わる扁桃体が活性化したり、エピソード記憶などの形成に関わる海馬の萎縮など、脳機能の不調を起こします。

覚える前に次の問題に行ってしまう

解説を読んで、理解したと思ってすぐに次の問題に進んでしまう事も主要な原因の一つです。

理解できたとしても、それは説明していることが分かったというだけで、テスト中に思い出せる定着した記憶になっているわけではないのです。

そのまま問題集を進めても、わかったと思っている問題の数は増えますが、実になったものはほとんどなく、見直してみると勉強したのに全然覚えられていないと思ってしまうのです。

ですが、これは初めから覚えられていなかったのです。

勉強してもすぐ忘れてしまう場合の対応法

勉強をしてもすぐ忘れてしまう子供の特徴について解説してきましたが、それではどうすれば忘れづらくなるのか。その方法について紹介するので、見ていきましょう。

 

正しい間隔で復習をする

勉強したことを効率よく覚えられる復習法として代表的なのが、「1 : 5」の分散学習です。

これは、勉強した日から本番までの「5分の1」の期間を空けて復習をするのが良いというもので、勉強をしてから試験まで30日あるとすると、6日くらい間隔をあけて復習しましょう。

そうなると、復習のタイミングは勉強した日から6・12・18・24日後になります。

もし本番までの日がなくても、すぐにはせずに1〜2日あけて復習しましょう。

1:5に厳密にこだわる必要はなく、大体この比率であれば、本番で思い出せる記憶になるといわれています。

なぜ間隔をあけた方がいいのかというと、記憶は覚えようとした時ではなく、それを思い出したときに定着するからです。

声に出して勉強する

先ほども述べたように、音読をしたときの方が黙読時より脳が活性化しますし、覚えやすいので、声を出して音読しながら勉強するようにしてみましょう。

音読といっても、大きな声でハキハキと読み上げる必要はありません。つぶやくように読むだけでも格段に覚えやすくなります。

教科書の太文字やノートで色をつけたところなどをただ眺めるのではなく、小さくても声に出して読む。それが、記憶を定着させるのに重要なことなのです。

 

楽しんで勉強する

先ほど嫌だと思いながら勉強しても、なかなか覚えられないと述べた通り、勉強は楽しんでしたほうがよく覚えられます。

しかし、どうしても好きではないことを勉強しないといけないこともありますよね。

嫌いな勉強はつらいものです。そういった時は、勉強に対するやる気を引き出すことで、脳の機能を向上させることができます。

勉強に対して、楽しさややりがいを感じられるように工夫することが、勉強したことを覚える効率を上げるためのポイントです。

テストへの不安を和らげる。

テストについて不安や緊張が強くなりすぎると、脳が疲労するのは先ほど述べた通りです。そこから脳の疲労を回復させ、脳の機能を本来の状態に戻すには、不安や緊張が強くなりすぎた状態であるマインドワンダリングを抜ける必要があります。

これを抜けるには、一つのことに集中して、眼前のことに意識がフォーカスできているマインドフルネスという状態になる必要があります。

マインドフルネスになるのに有効なのが、瞑想を日常のなかに取り入れることです。

瞑想は①姿勢を整えて、②鼻からゆっくり深呼吸をして息を吸って吐き、③呼吸することに集中するのを、④5分程度続けるというのをオススメします。

また、テストに向けて計画的に準備をすることで、緊張や不安を和らげることもできるので、テストがあるならしっかり計画を立てていきましょう。

 

問題を解いた後確認の時間を作る

わからない問題があったときに、授業を受けたり、テキストや解説を読んで、わからないところが理解できたと思ってすぐ次に行ってしまうと、問題を解くのに絶対に必要になる知識を覚えるというステップがなくなってしまいます。

わかりやすい授業や解説は1回見聞きしただけでわかった気になり、できるようになった気がします。ですが、一度見ただけでは人は覚えられないので、覚えるステップを作りましょう。

それでも勉強したことを忘れてしまう場合に考えられること

勉強のやり方に注意しても、なかなか勉強ができるようにならない時は、発達段階で何かしらの得意不得意の偏りがある場合があります。

こういった偏りを発達障害といいますが、発達障害はあくまで脳の発達の偏りであって、病気ではありません。

また、日本の法的には、知的障害と発達障害は区別されていて、療育手帳の交付対象なのか、精神障害者保健福祉手帳の交付対象なのかの違いがありますが、医学的には発達障害の一種とされています。

そのため、どちらもあくまで発達に偏りがあるだけだということは知っておいてください。

これらの偏りは単独のどれか一つだけに当てはまるわけではなく、複数のものを併発する場合もあります。

また、これらの発達障害とは別に、ワーキングメモリが低い場合も、学年が上がり勉強内容が複雑になればなるほど、勉強したことをなかなか覚えてられなくなり、注意が必要です。

これらの障害などがある場合は、本人の特性にあった教育をしないとなかなか身につけられないので、まずは何らかの障害があるのかを確認し、適切なサポートを受けて、子供の力を伸ばしてあげましょう。

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)

ASDは「Autism Spectrum Disorder」の略で、かつては自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害などと呼ばれていた発達障害の症状をまとめたものです。

ASDは遺伝的な要因が関係していて、生まれつき脳の働きに障害が見られます。障害は個人差がありますが、特徴は以下のものになります。

  • コミュニケーションや共感することがかなり苦手
  • こだわりが強く、関心が1つの物事にしか向かない
  • 光や音、味などの刺激に敏感すぎるor鈍感すぎる

また、ASDの人の中には知的障害を持っている人も多いです。

ASDの治療方法は、まだありません。しかし、専門家の指導のもと、各人の発達段階に合わせた教育をすれば、社会生活に必要な知識や技能を覚えることはできますし、個別の症状については、薬で緩和することもできます。

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDはAttention-deficit hyperactivity disorderの略で、日本語では「注意欠如・多動症」と呼ばれています。名前通り、代表的な特徴は「不注意」と「多動性・衝動性」です。

「不注意」の内容としては、物事に集中できない・物を忘れたり失くしたりしやすい・順番を決めて物事に取り組むのが苦手などがあげられます。

「多動性・衝動性」の内容としては、じっと落ち着いていられない・静かにできない・待っていられず他の人の妨害をしてしまうなどがあげられます。

小中学生の3〜7%の子がADHDであるといわれていますし。大人になってからADHDだとわかったということも多く、ここ最近最も注目を集めている発達障害だといえます。

原因としては、脳の前頭葉や線条体の機能に何らかの障害があることなどですが、遺伝も関係しています。

ADHDは、その症状を自分でどうにかするのが困難なことが多く、失敗を周囲の人に強く叱られることが多く、自己肯定感が持てなくなることも多いです。

 

学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)

SLDはSpecific Learning Disordersに略で、元々はLD(Learning Disorders)と呼ばれていたものです。SLDは日本語では「局限性学習症」と言われますが、意味としては元々のLDの「学習障害」の方がわかりやすいかもしれません。

SLDの定義は以下のようなものになります。

  • 知的発達の遅れはない
  • 読み・書き・計算・推論の能力の中で、1つ以上習得と使用が困難なものがある
  • 視覚・聴害・知的・情緒などに障害はなく、環境要因が直接の原因になっていない

このうち、、知的な遅れがなく、視覚にも聴覚にも問題がなく、サボったりせず教育をしっかり受けて努力もしているのに、読み・書きの習得が困難である状態を「発達性ディスレクシア」と呼びます。

この発達性ディスレクシアの特徴は以下のものがあげられます。

  • 単語や文節の途中で区切って読んだり、単語などを気にせず字を一つずつ拾って読む
  • 字と字が離れていれば読めるが、狭いと読み間違うことが増え、同じ行を何度も読んだり行を飛ばして読む
  • 音読できない文字を無視して読む
  • 音読み・訓読みのどちらかしかできない
  • 小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」や長音の「ー」のような特殊音節を書き間違えたり抜かしたりする
  • くっつき言葉の「は」を「わ」、「へ」を「え」、「を」を「お」と書き間違う・読み間違う
  • 形の似た文字を混同して間違うことが多い

計算や推論が苦手だと算数の理解がかなり困難ですが、読みや書きまで苦手になるとは限りません。

SLDは、本人の特性に合わせて学習を進めさせ、支援することが最も重要です。

ワーキングメモリが低い

ワーキングメモリとは、情報を一時的に記憶しておく能力と、記憶した情報を処理して利用する能力のことです。

ワーキングメモリは勉強だけでなく、仕事をするにも普段の会話でも、あらゆることに関係があり、ただ日常生活を送るだけでも重要な能力です。

ワーキングメモリが低い子どもの特徴は以下のものがあります。

  • 言われたことができない
  • テストでケアレスミスが多い
  • 宿題の提出を忘れる
  • 持って帰ってくるはずのプリントを忘れる

子どもが学校の勉強についていけなくなり、そこで認知能力の検査をすることでワーキングメモリの低さが分かることもありますが、上述した特徴に複数当てはまることがサインとなって、確かめてみたら判明したという場合もあります。

ここで覚えておいてほしいことは、ワーキングメモリが低い=IQが低いではないということです。

IQで測られる情報処理能力が高いのに、ワーキングメモリは低いという子も。ワーキングメモリが弱いことを批判してしまうとその子の自己肯定感の低下につながり、持っているポテンシャルを最大限に発揮させられないことが起こり得るのです。

ですから、日々の生活の中でその子に合った支援をしてあげることが大切です。

また、ワーキングメモリには様々なタイプがあり、言語性ワーキングメモリは言語能力、視空間的ワーキングメモリは計算や図形の把握に影響します。

知的障害

知的障害は、精神遅滞ともいわれ、特徴としては論理的思考・抽象的思考・問題解決・計画・判断などの全般的な精神機能に支障が出る発達障害の類型の一つです。18歳ごろまでの発達期に発症し、知的・適応の両機能の欠陥があります。

年齢によって変動しますが、発症率は人口の約1%です。

知的機能は知能検査で測定されるIQ(知能指数)によって判断され、平均が100、一般に70未満を知的障害と判断します。もっとも、IQの値だけで知的障害かどうかを評価するのではなく、適応機能も含めて総合的に評価されます。

適応機能は日常生活で期待される要求に対していかに効率よく適切に対処し、自立しているのかを示すものです。金銭の管理・対人能力・健康管理等を含み、歳をとって社会生活を送るために必須の要素となるものです。

重度の場合は幼い頃に気づきやすいですが、軽度の場合は気づけず診断が遅くなることも多いです。

また、合併症が先に判明し、そこから知的障害が見つかることもあります。

発達障害かもしれないと思ったら、どこに相談すればいいの?

子供が発達障害かもしれないと思った場合、相談先は主に2種類あります。それは国や都道府県が運営する相談窓口や療育機関と、病院です。

病院は子供の場合、小児科で診療してもらうのが一般的ですが、発達障害を専門に見てくれる小児科は数が少なく、予約も数ヶ月待ちなどはザラにあります。

その何ヶ月もの間を、ただ待ち続けるというのは不安になりますし難しいと思います。ですから、かかりつけ医に相談をしたり、国や都道府県が運営する相談窓口や療育機関に連絡をすることをオススメします。

以下では、発達障害のことでの相談先や支援先を紹介します。詳しくは各施設の名前と居住する都道府県、市区町村名とともに調べてみましょう。

まとめ

勉強してもすぐ忘れてしまう子供の特徴とその対応法、そしてしっかり勉強しているのに成果が出ない場合に考えておくべきケースとして発達障害について解説し、発達障害が疑われる場合の相談先について紹介していきましたが、いかがだったでしょうか。

今回、発達障害について解説していきましたが、ここに挙げた特徴に当てはまっているからと、この子は発達障害なんだと早合点することはやめましょう。

あくまでこういった傾向があるときは発達障害の可能性を考慮して、然るべき機関に相談するための材料として紹介したものであり、この特徴に当てはまっているから発達障害だということはできません。

発達障害といっても、一人ひとり発達の偏りには違いがあり、画一的にこう対処すればいいという方法はありません。ですから、親であるあなた自身も、専門家に相談しながら多くのことを学んでいくことが大切です。

 

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