今回は中学受験において、塾に行かないとどういったメリット・デメリットがあるのかについて解説していきます。中学受験は学校で習う内容と入試問題の難易度の差が極めて大きく、学校を中心とした勉強では乗り越えることができません。
そのため、学校の勉強に加えて中学受験用の勉強をしなければならないのですが、その時に塾に行くべきか、行かないかで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
中学受験のためには塾に行くべきなのか
中学受験をするなら塾には必ず行くべきです。
高校受験や大学受験以上に学校で学ぶ内容と受験で問われる内容の差が大きく、小学校のテストで点数が取れているからある程度は大丈夫だろう、なんて甘い考えでは全く点数を取ることはできません。
そういった難しい内容を独学で進めるのは困難ですし、市販教材も大学受験ほど充実しておらず、受験生がまだ発達途中の小学生というのも独学で進めることを困難にしています。
ですから、カリキュラムが整っていて、プロが適切な指導をしてくれる塾に行く必要があるといわれているのです。
中学受験で塾に行かないメリット
子供のペースで勉強できる
塾に通っていると、塾のカリキュラムがあり、授業を無駄にしないためにも、塾のやり方に沿った勉強をすることが求められます。
しかし、そうするとできるところを何度もやったり、できないところは先に進んでしまったりと、思い通りのペースで進まず、結局わからないまま先に進んだせいで点数が伸びないこともあります。
そのため、子供に必要なところを重点的にできるのは、中学受験で塾に行かないメリットといえます。
移動時間などの無駄がない
中学受験の対策をしっかりやってくれる塾を探すと、近所にはなかったりして、遠方まで通う必要が出てくることがあります。
そうなると、通塾にかかる時間はあまり勉強できないので、時間の無駄が生まれます。
また、中学受験用の塾は授業時間が長く、授業が終わると夜遅くなることが多いので、子供のお迎えに行くことも考えなければならず、保護者にも負担はかかってきます。
しかし、塾に行かなければ、こういった点は気にする必要がなくなります。
経済的負担が小さい
中学受験用の塾は小学4年生・小学5年生・小学6年生と学年を上がるごとに費用が上がり、中学受験大手の塾では小6で月々の授業料と講習会費を合わせて年間100〜140万円ほどの料金になることも珍しくありません。
この経済的負担は決して小さくなく、中学受験をためらう要因の一つになっています。
ですが、塾に通わなければテキスト代と定期的に受ける模試の費用くらいで済み、年間でもせいぜい数万円あれば足ります。
中学受験で塾に行かないデメリット
学習計画を親子だけで立てないといけない
塾に行かない場合、学習計画は誰かに相談することができず、親子で立てる必要があります。
しかし、中学受験は少し特殊な受験のため、経験していないとわかりづらいところがあります。それは、どの時期までに何を終わらせておくのか、どのくらいの完成度が必要なのかという部分です。
また、中学受験の前段階として、早いうちに小学6年生までの学習を終える必要もあるのですが、これらをいつまでに終わらせるか、学習をどのくらいのペースで進められるかは、子供によっても違います。
中学受験の日程は変えられないので、子供のペースに合わせて勉強させようとすると、必要な勉強が全然終わらなかったなんてことも十分あり得ます。
わからない問題を相談できない
中学受験はどの科目も難しいですが、特に算数は中学以降では使わない特殊な計算方法をいくつも覚える必要があります。
これが保護者の方に中学受験経験がないと、子供に聞かれてもわからないですし、経験があっても何十年も前で覚えていないことも多いです。
そのため、わからない問題を保護者がどうにかすることも難しく、解決できなくなってしまいます。
塾に行けば、そういった必要な知識は教えてもらえますし、わからない問題も質問をすれば教えてくれるのです。
問題集選びが難しい
市販の中学受験用の問題集はあまり充実していません。本屋に行ってみると、小学生用のコーナーは小学校の勉強に合わせたドリルがほとんどですし、大学受験コーナーのような広さもありません。
そのため、わかりづらいと思った時に代わりのものがない、丁度いいレベルの問題集がない、演習量を増やすために同じレベルの問題集が欲しいのにない、ということが起こります。
また、小学生が自分でわからない問題の解説を読んで理解し、解き直しや類題演習をしっかりして身につけることというのは、実は結構難しいのです。
塾では中学受験用の教材があり、先生が解説以上の説明をしてくれ、理解するために宿題やテストも指示してくれるので、こういったことで悩む必要はありません。
プロの中学受験に特化した指導を受けられない
塾は中学受験のプロですので、重要度の高い事項、志望校に頻出の問題、似た問題を出す学校、など様々な知識があり、それに基づいた指導を行います。
こういったことは、塾に通わないとなかなか知ることができないことであり、親子で頑張るだけではこえることが難しい壁でもあります。
また、受験情報も個人ではオープンスクールに行かないとわからないことが多いですが、塾はそういった情報も仕入れているので、受験情報の面でも差が出ます。
学習習慣を保つのが困難
小学生というのは遊びたいさかりの年齢で、塾のような強制力もなしに毎日何時間も勉強を続けるというのは困難なことです。
子供は頑張って毎日2時間も勉強を続けていると考えるかもしれませんが、それでは中学受験で求められる勉強量には全然及びません。
中学受験は、6年生にもなると平日は3〜5時間、休日は8〜10時間勉強する必要があるといわれています。
毎日これだけ子供の力で勉強し続けるのはかなり困難ですし、保護者の方が様子を見るのも困難です。
モチベーションを保つのが困難
中学受験は長期戦ですから、中弛みをせずモチベーションを保ち続けることが重要となります。
一人で黙々と勉強し続けるというのは困難で、モチベーションを保つのに一番効果的なのは、同じ目標を共有して同じように努力をする仲間を作ることです。
そういった仲間は身近な集団が一番作りやすく、小学生なら基本的には一番身近な集団は小学校のクラスです。
しかし、中学受験は誰もがするものではないので、同じクラスに中学受験する人がいて、同じ目標を持っていて、一緒に頑張っていこうという仲間意識を持てるような仲のいい相手がいる確率は相当低いです。
ですが中学受験に向けた塾ならば、周りはみんな中学受験生ですし、みんなが頑張っているので自分も頑張ろうという気になれるのです。
まとめ
今回は中学受験で塾に行かないメリットとデメリットを見ていきましたが、いかがだったでしょうか。
中学受験は、高校受験や大学受験と比べても長期戦で、受験生がまだ小学生でなかなか自制が効かない年頃ということもあり、子供に任せきりにするわけにはいかず、保護者の協力が必須な受験です。
高校受験や大学受験以上に塾の重要度が高いため、もし中学受験を視野に入れるのであれば、まずはどんな塾が良いのかを検討してみましょう。