学校に行きたくない、と一度も思ったことがない人はほとんどいないでしょう。
しかし、学校に行きたくなくて休みがちになったり、遅刻ばかりになるというところまで行った人はそこまで多くはありません。
だからこそ、学校を休みがちになったら、自分には何か問題があるのではないだろうか、病気なんじゃないだろうかと思い悩む人もいます。
今回はそんな学校に行きたくない原因について解説してから、その原因について解決策を紹介していきます!
学校に行きたくなくなる原因
学校には行かなければならない、ということは多くの人が共通認識として持っています。
それなのに、学校にいきたくないと考える人は10%はいるとされています。
学校に行かなければならないという認識はあるのに、学校に行きたくないと考える人はなぜこんなにも多いのでしょうか。その原因について見ていきます。
①学校に行くのが当然だからでは納得できなくなった
学校に行くのは当然であると認識しつつも、どうして学校にくのかという疑問が拭えず、そのせいで学校に行くことができなくなる人がいます。
学校に行くという当然のことに疑問を持つと、全てを疑ってかかるようになり、なんとなく学校に行くのは当然のことだからで納得していたものが、納得できなくなってしまうのです。
その結果、特に大きな理由があるわけでもないのに、学校に行けないということが起きます。
②今の自分にとって価値が見出せない
学校は将来必要なスキルを身につける場所だからとよく言われますが、今が辛い、つまらない子にはこの言葉はあまり響きません。
その理由は、将来とは今を積み重ねていった先にあるものですが、今学校に行く価値が見出せないんだから、その価値のないものを積み上げた将来にも意味はないと感じてしまうからです。
③居場所がない
友人でも部活でもどんなコミュニティでもいいので居場所があり、そこに安心や楽しさがあれば、学校に行きたいと思えます。
しかし、居場所がなければ、学校はただ辛いだけの空間で、我慢しきれなくなったら学校に行かなくなってしまいます。
④勉強や進路のことで不安がある
勉強についていけないことも、学校に行きたくなくなる原因の一つです。
毎日の学校生活の大半を占める授業がわからない状況では、授業はつまらないものでしかなく、学校に行きたくなくなります。
そこからつながる進路への不安も、学校に行きたくなくなる原因になります。
この成績で大丈夫なんだろうか、もっと努力しないといけないんじゃないかと不安を感じ、不安から逃避するために学校に行きたくなくなるのです。
⑤病気や障害がある
病気は色々ありますが、特に10〜16歳ごろの思春期の子供に多く、学校に行けなくなる病気が起立性調節障害です。
起立性調節障害は自律神経に異常が発生し、循環器系の調節がうまくいかなくなる病気で、起床時に低血圧や心拍数の上昇などの症状が出ます。そうなると朝活動することができませんし、それ以外にも立ちくらみや疲労という症状が出ます。
他にも、発達障害についても最近は聞く機会が多いのではないでしょうか。色々な類型がありますが、特性的に社会生活に向かないことがあり、学校に通うのが嫌になることがあります。
また、一時的ではなく、ずっと学校に行くのが憂鬱なら、うつ病などの疑いもありますし、学校に行こうとすると腹痛や頭痛などの症状が出るならストレス反応を疑うべきです。
原因別の解決法
この問題はこうすべき、という一問一答の絶対の答えがあるわけではないですが、原因を解消すれば学校に行く意欲も湧いてくるでしょう。
ですから、ここではどうすれば上記の原因を解決できるのかを紹介していきます。
信頼できる人に相談する…①・②・④
まずは親や友達、先生など、信頼できる人と思える人がいるなら相談してみてください。悩みを抱え込まず、吐き出すだけでも気持ちが楽になります。
どうして学校に行く必要があるのか、学校に行くことや勉強することにどんな意味があるのか、気になることはなんでも言ってしまいましょう。
しかし、信頼できる人なんていないという人もいるでしょう。そういう時は、不登校の子を支援してくれる無料相談所などに相談するのがオススメです。
他にも、厚労省のチャイルドラインやフリースクールなどもあるので、そちらも活用して見てください。
そういったところには連絡するのもちょっと……と思った人は、SNSで自分の気持ちを吐き出すだけでも気が楽になるので、SNSを利用してみるのもいいでしょう。
部活などや委員会などに入ってみる…①・②・③
学校に居場所がなかったり、学校に通う意義がわからないのなら、学校に居場所を作れるように部活や委員会などに所属してみましょう。
部活や委員会は、普段のクラスでは会わない人と出会える場ですし、こういった活動に学校に通う意義を見出すという人も多いです。
もし、既に入っているのに、居場所が見つからないと感じる場合は次の解決法を採りましょう。
学校以外で居場所を作る…③
子供にとって一番長い時間を過ごす、基本となる居場所は学校です。
しかし、学校で居場所が見つからないなら、学校から離れたコミュニティで居場所を作りましょう。
この時、家の近所だと学校の会いたくない知り合いに会う可能性が高いので、少し離れたところに通う方が良いでしょう。
塾やスポーツクラブ、趣味のサークルなどが居場所を作りやすくオススメです
特に、塾は学校の代わりに勉強を教えてもらう場所になりますし、スポーツクラブは学校に行かなくなったら体育がないせいでなりがちな運動不足の解消ができる場所になりますし、趣味のサークルはお互い同じ趣味を持っているので話が合いやすいです。
病院や専門機関に相談する…⑤
起立性調節障害以外にも色々な病気がありますし、発達障害でも集団生活が送りづらくなることは多いです。他にも、気分が落ち込んで他に何もできなければうつ病など疑わしいものはいくらでもあります。
何か症状や心当たりがあれば、無理をしないで病院や専門機関に相談しましょう。
こればかりは、素人が勝手な判断で無理をさせるわけには行かない問題です。
保健室登校でもいいので学校に通う…③・⑤
学校、特にクラスに居場所がなかったり、朝はどうしても辛くて学校に行けなくて、昼過ぎからなら行けそうだけど教室には顔を出しづらい。
そんな時は、教室に通うのではなく、いわゆる保健室登校がオススメです。
保健室登校とは、常に保健室にいるか,特定の授業に出席できるけど出席できない授業もあり、主として保健室にいる状態をいいます。
保健室登校は教室に行かなくても出席扱いになるので、教室に通うのはキツイけど、クラスメイトに囲まれない環境なら大丈夫という人は利用してみましょう。
保健室には、保健室登校をする生徒以外にも、他の生徒や教員が来ることがあり、そういう人とコミュニケーションを交わすことが教室への復帰の一歩となると考えられ、保健室登校が行われていますが、これを負担に感じる人もいます。
そういうときは、保健室登校ではなく、完全な別室登校を希望しましょう。
まとめ
学校に行きたくない原因とその解決策についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。
学校に行きたくない原因は様々ありますが、一時的に学校に行きたくないと思うことは誰しもがあります。
そんな一時的な気持ちは、誰かに相談したり、他に楽しいことがあれば気が紛れて学校に通うことができるようになるでしょう。
しかし、慢性的に行きたくない、行けないと感じている場合や、体に症状が出ているときは無理して学校に行こうと考えることをやめましょう。そうすること自体がストレスになっている可能性があります。
自分がどうして学校に行きたくないのか、その根底にあるものを見極めて、適切な対処ができるようにしましょう!