人間関係でストレスを感じていたり、クラスに馴染めない。勉強が全然わからない、家族が大変なことになっていて勉強どころではない。
学校に行きたくないと悩むきっかけは様々ありますが、そもそもこうした悩みに至る理由は、学校には行かなければならないという考えがあるからです。
それではなぜ学校に行かなければならないのでしょうか。その理由と、どうしても学校に行きたくない時の解決法についてマナビバが解説していきます。
なぜ学校に行かなければならないの?
なぜ学校に行かなければならないのか、という疑問の答えは大きく分けて2つあります。
1つ目は社会がそう決めているからという理由で、2つ目は自分の人生のためになるからという理由です。
前者は義務教育などの制度的なもので、後者は勉強できないと将来困るなどの個人的な理由です。
それでは、その理由について、もう少し詳しくみていきましょう。
学校に行くのが当然になっているから
日本では、憲法で親が子どもに教育を受けさせる義務が定められていて、学校に子供を通わせるのが当然のこととなっています。
そのため、日本の社会は学校に行くのが当然の仕組みになっていて、子供も6歳になれば自然と学校に通うのが当然だと考えるようになるのです。
そして学校に行くうちにみんなが学校に行っているのだから自分も行かなければならない、という強迫観念を持つようになるのです。
また、子供自身がその強迫観念を持っているので、学校に行けないと、自分に対して失望感を抱くようになり、その大きさは周りの人間が考える以上のものがあります。
学校に行かないと将来困るから
日本の社会は学校に行くのが当たり前になっているので、特に病気などの事情がなければ、学校に行っていないというのはマイナスの評価を受けます。
特に、受験では調査書と当日の試験結果で合否を判断しますが、このうち調査書は各教科の成績である内申と出席日数や素行についての記載欄で構成されていて、私立校だと一定以上の欠席日数だと出願自体ができなかったり、公立校でも審議の対象として厳しく見られます。
他にも、就職活動などでも不登校だったというと、仕事が続けられないのではないかと思われ不利になります。
受験や就職に不利なせいで、学校に行かないと将来大人になったらものすごく困るのです。
社会で生活するのに必要な力をつけるため
人間はどうしても社会と関わりながら生きていく必要があります。
就職をすれば会社の付き合いがありますし、起業をしたり個人事業主として自分の力だけでやっていこうとしても、取引先との関わりというのは生まれてきます。
そういった社会集団の中で生きていくには、どうしてもコミュニケーションが必要になります。
学校という場は、クラスや学年という枠組みがあり、社会で求められる集団生活をしていかなければなりません。
ですから、子供の頃に学校という場で社会生活の訓練をして、コミュニケーション力を鍛えることの意味は大きいのです。
居場所を見つけるため
不登校の生徒の対応で一番重要なことは居場所を作ってあげることだといいます。
では、その居場所とは何かというと、気持ちが安らぐ人間関係が結ばれているコミュニティだといえるでしょう。
子供の場合、学校が一番基本となるコミュニティです。
それは家庭以外だと学校にいる時間が最も長いからであり、塾や習い事をしていても同じ学校に行っていれば共通の話題ができるため関係を構築しやすく、学校外でのコミュニティも学校の影響を大きく受けるからです。
この居場所というのは部活や生徒会のような団体だけではなく、友人関係なども含まれます。
ただ部活に所属していても、周囲の人と馴染めていないなら、そこは気持ちが安らぐ場所ではないので、居場所はないというべきです。
ですから、一番基本となる学校というコミュニティで、一人でもいいので信頼できる相手を見つけられて、居場所を作れるだけで気持ちが安らぐことでしょう。
そもそもどうして学校に行きたくなくなるの?
学校には行かなければならない、ということは多くの人が理解しています。
それなのに、学校にいきたくないと考える人は10人に1人はいるといわれています。
学校に行かなければならないと理解はしているのに、学校に行きたくないと考える人はなぜこんなにも多いのでしょうか。
次はその理由について考えていきましょう。
学校に行くのが当然だからでは納得できなくなった
学校に行くのは当然であると思いつつも、どうしてこんなことをしているんだろう、という疑問が湧いてしまい、その疑問を抱えたまま学校にいくことができなくなる人がいます。
当然のことに疑問を持つようになると、全てを疑ってかかるようになってしまうようになるからです。
その結果、なんとなく学校に行くのは当然のことだからで納得していたものが、納得できなくなってしまうのです。
今の自分にとって価値が見出せないから
よく不登校の子に「将来困るから学校に行け」、という人がいます。
これは正しくはありますが、残念ながら不登校の子には響きません。
その理由は、未来とは今のを積み重ねていった先にあるものですが、今学校に行く価値が見出せなかったら、価値のないものを積み上げた未来に意味はないと感じてしまうからです。
居場所がないから
友人でも部活でも居場所があり、そこに安らぎや楽しさがあれば、学校に行きたいと思えます。
しかし、居場所がなければ、学校に行くのがただ辛いだけで、我慢しきれなくなったら学校に行かなくなってしまうことでしょう。
どうしても学校に行きたくない時はどうすればいいの?
学校に行かないといけないのはわかっているけど、どうしても学校に行きたくない。
そんな時は、一体どんな対応をすればいいのでしょうか?
行かなければならないからと、無理してでも通うしかないのでしょうか。
どうしても学校に行きたくない時の解決法について見ていきましょう。
信頼できる人に相談する
まずは親や友人、先生やカウンセラーなど、信頼できる人がいれば相談してみてください。抱え込まず、気持ちを吐き出すだけでもかなり楽になれます。
しかし、周りに信頼できる人がいない人もいるでしょう。そういう時は、不登校の子をサポートしてくれる無料相談所などに相談してみてください。
また、厚労省のチャイルドラインやフリースクールなんかもあるので、連絡してみるといいでしょう。
そういったところには連絡しづらいと思った人は、SNSなどで自分の思いを吐き出すだけでも気が楽になるかもしれないので、SNSを利用してみるのもいいでしょう。
少しの間休む
学校に行きたくない時は、少しの間学校を休むという手段もあります。これは、学校の行事が嫌だなどの短期間で問題が解決する場合に有効です。
しかし、それ以外で学校を休むと、休み明けに同級生の目が気になって、休む前以上に学校に通いたくなくなることもあり、そのままずっと不登校になることもあり得ます。
フリースクールや通信制の学校に転校するなど今の環境を変える
学校に行きたくない理由が、所属する団体など限定されたものならば、まずはそこを止めて環境を変えましょう。しかし学校やクラスそのものが理由だと、今の学校に行くことが難しいでしょうし、転校してしまうのも選択肢の一つです。
通学することが嫌になってしまった場合は、通信制の学校に転校、フリースクールに行ってみるというのも良いでしょう。
病院に行ってみる
学校生活にどうしても馴染めない場合、心ではなく体の方に理由がある場合があります。
起立性調節障害は自律神経に異常があり、循環器系の調節がに上手にできなくなる病気です。朝起きると低血圧、心拍数の上昇などの症状が出て、特に朝に起床できない、立ちくらみや疲れるという問題が生じます。
他にも、最近は発達障害についてもよく聞くようになりました。これは色々な種類がありますが、集団生活に向かない症状が出たりします。これの判別には医師の診断が必要です。
どちらにしても、体の病気であり、本人の努力で解決できるものではありません。ですが、薬を飲むことで生活しやすくなることもあります。
もしかしたら、と思ったら病院に一度行ってみるといいでしょう。
学校以外で居場所を作る
子供にとって一番基本となる居場所は学校ですが、学校に馴染めないときは思い切って学校から離れたコミュニティに行ってみましょう。
この時、家の近くで探すと、会いたくない知り合いに会う可能性が高まるので、少し遠いところに通うのがオススメです。
また、オススメのコミュニティは以下の通りです
- 塾
- スポーツクラブ
- 趣味のサークル等
学校に行かないと、勉強を教えてもらう場所がなくなりますが、塾は勉強を教えてもらいながら友人を作れるのでオススメできます。体育がなく、強制的に体を動かす時間もなくなることから、運動不足の解消ができるスポーツクラブもオススメです。
他にも、趣味があれば、その集まりであるサークルを探してみるのも良いでしょう。同じ趣味を持つもの同士、話が合いやすいです。もっとも、こちらは年齢が合わない場合もあるので、丁度いいサークルを見つけるのは難しいかもしれません。
頑張って学校に通う
どんなにキツくても、辛くても学校に行ってみるというのも一つの手です。
1年・2年頑張ればクラス替えがありますし、進学を機に環境が変わるのでそこまで我慢するという考えもあります。
もっとも、これは我慢しているだけで行きたくない理由の解決にはなっていないので、嫌な思いをすることもあるでしょう。そこは注意が必要です。
まとめ
なぜ学校に行かなければならないのかについて、その理由・原因・解決法を解説してきました。
学校に行くというのは、当然のことのように感じている人が多いですが、悩みを抱えている人も大勢います。
学校は子供にとって、基本となる重要なコミュニティですが、自分が居場所を見つけられるところで、自分らしく生活していくことが大切です。
もし、学校に行くことに悩みを抱えているのなら、学校の外に目を向けて、自分の居場所を探していきましょう。