子供の将来の選択肢を増やすために、中学受験を検討しているという家庭は増えています。
中学受験は首都圏や近畿圏が盛んですが、他の地域でも広がりを見せてきているのです。
今回はそんな中学受験について、中学受験するメリットとデメリットをマナビバが解説していきます。
中学受験とはどんなものなの?
中学受験とは、私立中学や国立中学、公立中高一貫校などに入学するための試験を受けることです。
中学受験において、私立中学などは小学校で学ぶ内容を大幅に超えた難問を出し、公立中高一貫校などは都道府県ごとに傾向がかなり異なりますが分析力や思考力、判断力を要する記述型の適性検査を実施することが多いです。
いずれにしても、学校の勉強をなんとなくこなしていれば解けるようなものではなく、+αの勉強が求められるのです。
中学受験をするメリット
個性や長所を伸ばすことができる
私立中学校や国立中学校、公立中高一貫校にはそれぞれの教育理念があります。それは、「自らの将来を切り拓けるグローバルリーダーを養成する」「個性や自由な発想力を育む」「社会課題に対する解決力を身につける」といったようなものです。
一般的な地元の公立中学校と違い、これらの学校はこういった教育理念を叶えるために様々な機会を提供してくれます。
そのため、家庭の教育方針や子供の性格に合う教育理念の学校を選択することで、子供の個性や長所を伸ばすことができるのです。
大学受験を見据えた指導を受けられる
公立中学校では、中学3年の冬にある高校受験までに中学校の学習内容を終わらせるように進めます。
また、公立中学校は勉強が苦手な子の受け皿でもあり、そういった子も含めた環境である程度みんなが理解できるようになるまで、じっくり指導する必要があります。
しかし、私立中学校等では中高一貫であったり、系列の高等部があったりで、高校受験の心配がいらないことが多いです。
また、難しい中学受験をくぐり抜けられる勉強が得意な子が集まっているので、公立中学校よりも早く勉強を進められます。
そのため、中学3年間分の内容を2年間で、中学3年生から高校の内容を学び始め、高3は完全に大学受験対策というスケジュールが組め、公立高校に比べると大学受験に有利な環境が整っていて、学校側もこの利点を活かした指導をしているのです。
高校受験や大学受験の負担が少なく、やりたいことに打ち込める
公立中学校では、中3の夏頃に部活を引退し、その後高校に入学するまで部活ができないというのが一般的です。
しかし、高校受験がない中高一貫校などでは、中3で部活を引退する必要がないので卒業まで部活を続けられたり、高等部が併設されている場合はそちらの部活に参加できる場合もあります。
また、部活以外でも、受験勉強による中断をしなくていいので、やりたいことを中高の6年間続けることができます。
さらに、大学の附属校や系列校ならば、内部進学で大学受験の勉強もあまりする必要がなく、高校卒業まで目一杯時間を使うことができるのです。
困難な立ち向かう力がつく
中学受験は小学4年生から始まる長期戦です。しかも、小学校で習うレベルを大幅に超えた難問に立ち向かう必要があります。
当然、子供は解けない問題がたくさん出る、模試の成績が上がらないなどの、多くの困難に直面します。
しかし、合格を勝ち取るには一つ一つ困難を乗り越えていかなければなりません。何度も乗り越えることで、困難をどう立ち向かうかの方法を自分で考えられるようになり、社会で必要な忍耐力が養われます。
中学受験をするデメリット
経済的負担の大きさ
中学受験をする場合、基本的に小学4年生から塾に通うことになります。
学年によって塾代は変わりますが、3年間で250万円ほどかかるといわれており、軽い気持ちで出せる金額ではありません。
さらに、私立中学だと公立中学よりも学費が高く、年間60〜130万円ほどかかるといわれています。
塾代に加えて、入学後も継続的にお金がかかるため、事前によく調べておきましょう。
中学受験用の勉強が必要で時間がかかる
何度も触れている通り、中学受験の勉強と小学校の勉強は別物です。
そのため、中学受験では塾に通って授業を受け、たくさんの宿題をこなして身につけていくことが必要です。これを何科目もとなると負担は大きく、受験勉強以外のことに割ける時間はほぼなくなります。
保護者の負担の大きさ
中学受験生はまだ小学生のため、本人に学習計画や受験情報の収集を任せきりにするわけにはいきません。
必ず、保護者がちゃんと計画通りに勉強が進んでいるのか、わからないところをそのままにしていないか、今の様子だとどこを受けるべきかを確認する必要があります。
さらに、まだ小学生のうちに毎日何時間も勉強しなくてはならない中学受験、子供も毎日そんな生活を続けていては勉強が嫌になってしまうものです。
そんな時に、しっかりと子供の話を聞き、勉強に向かわせるのも、中学受験における保護者の重要な役割です。
子供が勉強嫌いになる可能性がある
最初は自分で中学受験をしようと決めていたとしても、毎日遊ぶ暇もなく勉強していては、もうやりたくないと思ってしまうことがあります。
また、中学受験の勉強はとても難しいので、勉強に自信のある子でも、わからない問題がたくさん出てきます。
そうすると、達成感が感じられず、だんだん勉強が嫌いになっていくことがあります。
そういった状態でなんとか中学受験を乗り越えても、燃え尽き症候群になってしまい、中学高校で全然勉強をしなくなり、大学受験で大失敗ということもありえます。
まとめ
中学受験をするメリットとデメリットについて見ていきましたが、いかがだったでしょうか。
中学受験をするというのは、金銭・時間・親子ともにかかる負担のいずれにしても大変なことで、気軽のできるものではありません。
しかし、それだけの努力をしたこと自体が大きな収穫になりますし、環境を選べるというのは地元の公立中学校にはない利点です。
これから受験期を迎えるのなら、子供の生活や勉強への意識、将来のビジョン等を考慮し、受験をするかどうか親子でよく話し合って決めましょう。