認知特性とは、外界からの情報を頭の中で理解したり、記憶したり、表現したりする方法です。人それぞれ得意不得意が異なっており、例えば同じ空間で、同じ情報に、同じように触れたとしても、全員が同じように理解し、記憶するということではありません。
認知特性に大きな凸凹があると、どんな性質や分類があるのでしょうか。発達障害との関連性は?そんな疑問にマナビバがお答えします!
認知特性の分類
認知特性とは、見たこと、聞いたこと、読んだことなどの情報を頭の中で理解したり、記憶したり、表現する能力のことです。大きく、「視覚優位」「言語優位」「聴覚優位」の3つに分けられます。
例えば、ある曲を聞いた時に、”歌詞”に注目して記憶している人は「言語優位」、”メロディ”に注目して記憶している人は「聴覚優位」となりますし、”歌詞もメロディも同じくらい好き”となる人は言語も聴覚もバランスよく使っていると言えます。
この3つの分類はさらに6つに分けることができます。詳しく知りたい方はこちらを合わせて読んでくださいね。
認知特性と発達障害
認知特性と発達障害はの関連性はあるのでしょうか。
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害です。一見、周りの人とは変わらないのにいざコミュニケーションを取ってみると”ちょっと変わってる”、”自分勝手だなぁ”、”困った人”と言ったように、発達障害の人は対人関係を作ることを苦手としています。
発達障害にも様々な分類があり、①自閉症スペクトラム(ASD)、②ADHD(注意欠陥多動性障害)、③学習障害(LD)などに分けられます。同じ診断名でも一人ひとり特性は異なるので注意が必要です。
自閉症スペクトラムは視覚優位性が高い
一般的に自閉症スペクトラムの人たちは、視覚優位性が高いと言われています。例えば、いつの間に覚えたの!??と驚くスピードで街の看板や企業のロゴ、国旗などのマークを一瞬で暗記できるにも関わらず、ことばを話したり理解したりするのは周りに比べると非常に遅い場合があります。
※聴覚優位性が高い自閉症スペクトラムもあり、ことばを覚えて話すことはできているが、ことばの意味を理解しているわけではないので、場面や感情とミスマッチになってしまうこともあります。
〜対応法〜
ことばの意味を覚えてほしい時は、視覚優位性を利用するために文字やイラストを添えてイメージしやすく工夫すると理解することができます。机上で改まって学ぶよりも、日常の場面でさりげなく添える方がことばとシチュエーションを一致しやすくなルのでオススメです。
視覚刺激や聴覚刺激に弱いADHD
集中力がない、ちょろちょろする子という印象がつきやすいADHDは、視覚刺激や聴覚刺激への弱さが見られます。例えば、授業中先生が教壇の前で喋っている最中に隣の子のヒソヒソ話が気になって先生の話に全く集中できない、黒板横の掲示板の写真や絵が気になってぼーっとしてしまうといった様子が見られます。
〜対応法〜
とにかく様々な刺激に弱いADHDなので、刺激をできるだけ少なくすることが大切です。例えば前の方の席にして、先生に注目しやすくする、黒板の周りはできるだけシンプルに授業の邪魔にならないように配慮する。ADHDは筋緊張(姿勢を正しく保つ力)が弱く、椅子に座っていてもフラフラしてしまうために集中しにくい場合があるので、サポート機能のあるクッションを使うのもオススメです。
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文字をできるだけわかりやすく見せてあげたい学習障害
読む、書く、計算することが苦手な学習障害。文字を読むことが苦手、読めるけど書けない、1文字ずつならなんとか読めるけど、長い文章になると読めない、読み書きはできるけど、計算がとても苦手のように、できることとできないことのアンバランスさが大きいことが特徴です。
〜対応法〜
教科書の音読で同じ行を何度も読んでしまう、文字を読み飛ばしてしまう場合は、読んでいる文字を指差ししたり、1行ずつ見えるように隠してしまったりする方法があります。漢字を書くのが苦手なのであれば、偏と旁に色をつけてイメージしやすくする方法もあります。
それぞれの特徴に合わせて適切にサポートしよう
発達障害の人たちは、”なんとなく周りと違う気がする、でもどうしたらよいのか分からない”と一人で悩み、苦しんでいることがあります。それぞれに特徴があり、サポート方法も様々です。
一人ひとりの認知特性を理解して、適切にサポートすることで、できなかったことができるようになり、自信へと繋がります。
どうやってサポートしてあげたら良いかな?と迷った時は、ぜひ、認知特性を思い出してくださいね。