小学生になると、登校時間が早いため、朝早く家を出なければいけない子が多いですね。そのため、朝ギリギリまで寝ていて朝食を食べる時間がない、眠たくて朝食を食べるのが面倒くさい、と朝食を抜いてしまう時もあるでしょう。
しかし、朝食は、学校生活を送るうえでとても重要な働きをします。成長にも大きく関わってきます。今回は、どのような朝食をとればいいのか、朝食をとるためにどのような工夫ができるのかについて解説していきます!
朝食が子どもに与える影響とは?
小学生の頃の朝食は、成長に大きな影響を与えます。子どもの朝食が与える影響について、説明します。
脳や体の成長
子どもの朝食は、脳や身体が発達する上でとても重要です。
小学生は朝食から様々な栄養素を補給し、小学校の教育活動に取り組みます。学校の授業の半分以上は午前中に行われるため、朝食の重要性はより高いです。
必要な栄養素が不足していたら、授業の集中力が低下し、学習内容が身に付きませんし、体育など体を鍛える科目でも、体力や筋力がつきにくいです。
脳トレで有名な脳科学者である東北大学加齢医学研究所の川島隆太さんと農林水産省が共同で行った調査ではおかずの種類が多いほど発達指数が高く、少ないほど低いというデータが出ています。
特に人間の脳の成長期は早く、6歳で大人の脳の90%までできあがります。そして、12歳にはほぼ完成してしまうのです。早い段階から『脳を育てる』栄養補給を習慣化することが大切です。
そのため、忙しい中でも、栄養バランスの取れた朝食をとることが理想的です。
学力の向上
小学6年生と中学3年生を対象に実施した全国学力・学習状況調査によると、小学6年生と中学3年生のどちらも、朝食を食べている頻度が高い方が学力調査の正答率が高いという結果が出ています。
毎日朝ごはんを食べている児童・生徒と毎日朝ごはんを食べない児童・生徒の間では、10%以上もの正答率の差が表れています。また、朝ごはんを毎日食べるかという質問に「している」と答えた児童・生徒と、「どちらかといえば、している」と回答した児童・生徒の間が、もっとも正答率に差が出ているということが読み取れます。
出典:国立教育政策研究所「平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査報告書」
この調査結果から考えると、朝食を食べる頻度と学力の高さには関係があると言えます。特に、毎日欠かさず朝ごはんを食べることが学力に良い影響を与えています。
体力の増強
子供の朝食は、学力の向上だけでなく、体力の増強にも大きな影響を与えます。毎日朝食をとる子供ほど、50m走や持久走、瞬発力などの体力テストの得点が高い傾向があるという調査結果が出ています。
スポーツ庁が行った「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、子どもの朝食と運動能力との関係性が報告されています。小学5年生と中学2年生を対象にスポーツテストを実施して、朝食との相関関係を調べた結果が以下です。
この調査結果から考えると、朝食を食べる頻度と運動能力の高さには関係があると言えます。特に、毎日欠かさず朝ごはんを食べることが運動能力に良い影響を与えています。
朝食に必要な栄養素とおすすめの食材
では、毎日の朝食でより効率よく必要な栄養素を補給するためには、どのような栄養素をとることがよいのでしょうか?おすすめの食材とあわせて、紹介していきます。
炭水化物
炭水化物にはブドウ糖が豊富に含まれています。ブドウ糖は脳のエネルギー源となるため、脳を働かせるためにはブドウ糖を摂取することが大切です。そのため、以下のような食材を朝食のメニューとして出すのがよいでしょう。
- お米
- パン
- うどん
中でも、ご飯は腹持ちがよいので、おススメです。小学校の給食は12時半頃にあります。それまでにお腹が空くと、活動に集中することができません。腹持ちのよい朝食で、給食時間まで集中力を持続させるのがよいでしょう。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や血液など体をつくるもととなります。また、体内時計をリセットし、栄養素を体に運ぶ働きをするため、朝食で摂取したい栄養素の一つです。タンパク質が含まれている食材には、以下のものがあります。
- 牛乳
- ヨーグルト
- チーズ
- 卵
- 肉
- 納豆
- 豆腐
ビタミン、ミネラル
体に活力をつけるためには、ビタミンやミネラルが必要です。また、ビタミンやミネラルは脳がブドウ糖を消費するときの助けとなります。
- 野菜
- 果物
- 海藻
朝食を食べさせるためにできる工夫とは?
一番初めにも話しましたが、朝食を食べない子は多いです。「朝食を食べてほしいけど、言ってもなかなか食べないから困っている。」というご家庭も多いと思います。では、子どもが朝食を食べるようになるには、どうしたらよいのでしょうか。
品数を減らす。
朝食を食べない子の理由として多いのが、「時間がない。」「食べるのが面倒くさい。」というものでしょう。ですから、いきなり主菜・副菜・果物といった献立を食べるのはハードルが高いでしょう。
そのため、まずは果物だけ、パンだけ等、簡単なものや好きな食べ物で習慣をつけてから、だんだん品数を増やしてみるのもいいですね。
また、サンドウィッチやスープ、みそ汁などの一品でも、具材を工夫すれば、上記の「炭水化物・タンパク質・ビタミン、ミネラル」を全てまかなうことができます。一品ならハードルも高くありませんよね。朝食の出し方を工夫して、食べる習慣をつけるようにしましょう。
夕食の時間を早くする。
夕食を遅く食べてしまうと、朝までにお腹が減っていなかったり、胃がもたれて食欲がわかなかったりということがあります。夕食の時間が遅くなっている傾向がある場合は、早めに夕食をとるのが効果的です。
そうすることで、朝お腹が空き、朝食を食べるための食欲がわきます。目安としては、就寝時間の2時間前までには、夕食を食べ終わるようにしましょう。
就寝時間を早くする。
朝眠いとどうしても、朝食を食べる元気がなくなります。早く寝ると、朝にスッキリと目覚めることができるため、朝食を食べる気が起きます。
小学生は8〜10時間のまとまった睡眠が必要とされています。朝起きる時間から逆算して、就寝時間を決めましょう。
まとめ
朝食は子どもにとって大切なエネルギー源となります。子どもが学校で、安全にたくさんのことを学んでこれるようにするため、また、体調万全で楽しく過ごすためにも、朝食でしっかりと栄養補給させてあげましょう。
また、朝食のメニューを考える際には、必要な栄養素を意識するようにしましょう。