進路はその後の人生に大きく関わってくる重要なものです。部活にばかり力を注いで、受験勉強を疎かにしたせいで受験が上手くいかなかったら、ずっと後悔を引きずることにもなります。だからといって、学校生活は部活をやらずに勉強にのみ力を入れた方がいいと言いきることもできません。なぜなら一度きりの学校生活、部活をやりたいのにもかかわらず諦めるのはもったいないからです。
そのため、今回は部活と勉強を両立させる方法と、勉強をしていく上で部活をやるメリット・デメリットを解説していくので、部活をやるかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
部活と勉強を両立させることはできるのか?
部活と勉強を両立させる方法はあります。しかし、本当の意味で両立させるのはかなり大変です。
例えば、毎日30分や1時間勉強をする。これを両立させているということができるでしょうか? 実は受験をする場合、この程度の勉強時間では足りないため、両立させているとは言い難いのです。
なぜ、両立しているというのが難しいのか。それは、受験に必要とされる勉強時間が膨大だからです。
中学生であれば、1・2年生でも平日に2時間、休日に4時間は勉強する必要があると言われています。受験生ともなれば、最低でも6時間は勉強する必要があります。
高校生なら、平日は学年+1時間、休日はその倍は勉強することが求められるので、1年生で平日2時間休日4時間、2年生で平日3時間休日6時間、3年生であれば平日4時間休日8時間となります。
もちろん、目指すレベルが高い場合は、この勉強時間でも全く足りず、さらに勉強時間を増やしていく必要があります。ゆえに、部活と勉強を両立させるには、毎日勉強時間をどうにかして確保していく必要があります。
部活と勉強を両立させる方法
部活と勉強を両立させるには、毎日のスケジュールをちゃんと把握する必要があります。ここで、簡単な例を見てみましょう。
- 6:30 起床
- 6:45 朝ごはん
- 7:15 通学(電車)
- 8:10 学校到着
- 8:30 始業
- 16:00 部活開始
- 18:30 部活終了
- 19:30 帰宅
- 19:50 晩ご飯
- 21:00 お風呂
- 23:00 就寝
こうして見ると、勉強できる時間がお風呂に入ってから寝るまでの時間しかなく、毎日何時間も勉強するのは不可能にも思えます。しかし、時間を有効に使えば、3〜4時間勉強時間を確保することができるでしょう。
次は勉強時間を確保するための時間の使い方について見ていきます。
朝の時間を有効に使う
例えば、朝もう30分早く起きれば、朝に30分勉強する時間を作ることができます。朝に家で勉強するもよし、30分早く学校に行って学校で勉強するもよしです。また、朝学校に着いてから始業までの間の20分も勉強する時間に当てることができます。
スキマ時間を活用する
スキマ時間とは5分10分単位の短い時間や、他のことをしている間の時間のことを言います。上の例では、学校に到着してから始業までの間や、帰宅してから晩ご飯までの間が前者、通学中の電車に乗っている時間が後者になります。
スキマ時間はちゃんと机に向かい合って勉強することができないので、勉強する内容に注意が必要ですが、英単語の暗記などがオススメです。
部活後疲れていてもちゃんと勉強する
部活が終わって家に帰ると、もう疲れきって何もしたくないと感じることも多いかと思います。しかし、そう感じても毎日しっかり勉強する習慣をつけることが大切です。
それは朝やスキマ時間にどれだけ頑張っても、ここで頑張らないとまとまった勉強時間を確保するのが難しいからです。
部活が休みの時にしっかり勉強時間を確保する
また、部活の休養日や土日の部活がない時間などは、いつも以上にまとまった時間がとりやすいので、ここでしっかり勉強をして不足分をカバーする必要があります。数学のようなしっかり机に向き合って問題を解かないといけないものは、ここでしっかり勉強しておきましょう。
部活をやるメリット
ここまで部活と勉強を両立させる方法を見てきましたが、毎日部活と勉強の両立のために、こんなに精一杯頑張る必要はあるのでしょうか。勉強だけに集中した方がいいのではないか、と思った方もいるのではないでしょうか。
それを考えていくために、次は勉強をする上で部活をやるメリットを解説していきます。部活をやることそのものメリット・デメリットについては下の記事をを参考にしてください。
同じ境遇の仲間ができる
部活をやると、同じ時間を共有し、同じような環境に身を置く仲間ができます。そういった仲間がみんな部活も頑張るけど、勉強も頑張るといった雰囲気になれば、勉強をするのが当たり前になり、自分の勉強に対するモチベーションも上がっていきます。
オンオフのメリハリをつけるのが上手くなる
部活と勉強を両立させるには上手に時間を使う必要があります。勉強するときはすぐに頭を勉強モードに切り替え、休むべきときはしっかり休む。この癖をつけておくと、部活引退後に時間ができて、受験勉強に集中するときも受験モードに切り替えられ、勉強しなくちゃいけないのにダラダラしてしまうといったことがなくなります。
根性がつく(特に運動部)
部活をやっていると、先生や先輩から理不尽な命令や要求をされることがありますし、どんなに辛い練習でも結果を出すために必死にやりきらなければならないこともあります。こういったことを乗り越えた経験があると、受験のために必死に勉強しようとするとき、妥協せずに自分を追い込むことができるようになります。
受験は自分との戦いであり、サボろうと思えばサボることはできますが、結果は全て自分に跳ね返ってきます。自律心を持ち、目標に向かって突き進める根性が必要なのです。
気分転換になる
勉強だけの日々では、普段の生活が楽しく感じられず、勉強のモチベーションが上がらなくなることがあります。しかし、部活をやると、勉強での疲れを部活をすることでリフレッシュすることができ、勉強に対してモチベーションを維持することができるのです。
部活をやるデメリット
どうしても勉強時間を確保しづらくなる
いくら上手く部活と勉強を両立できたとしても、どうしても勉強だけに集中できる人と比べると、勉強時間が少なくなってしまうことは否定できません。
大学受験でいえば東京大学など、最難関といわれるようなところを志望校にしている場合、必要とされる勉強量も膨大になり、部活をやっていると勉強時間が足りなくなってしまいがちです。活動日が週3回程度ならばともかく、週5回以上ある場合は両立するのはかなり難しいでしょう。
しかし、最難関校以外であれば、十分に部活と勉強を両立しつつ目指すことができます。
部活だけで疲れてしまい、勉強できなくなる
どれだけ部活と勉強を両立しようと思っても、部活の内容次第では疲れ果てて、勉強まで手が回らなくなってしまうこともあります。また、体力は人によって差があり、他の人がこなせているスケジュールでも、自分には難しいということもあります。
もちろん、最初から両立する体力がある人の方が珍しく、最初はみんな部活だけで疲れ果てながらも、なんとか机に向かって勉強する習慣をつけていきます。自分は体力がないからと諦めずに、とりあえずは両立するために頑張ってみることも重要です。
目標がどっちつかずになりやすい
部活をやっていれば、レギュラー入りや市内ベスト○以上、全国出場などの目標を立て、その目標を達成するために必要な努力をしていきます。
勉強をしていると、次の定期テストで○点以上取る、模試で偏差値◯以上を取る、〇〇高校・大学に合格するなどの目標を立て、その目標を達成するのに必要な量の勉強をしていくことになります。
そうすると、部活と勉強を両立をしようとして、勉強もしなきゃならないから部活の練習にはこれしか時間は使えない、部活の自主練に時間を使ったら勉強時間はこれしか残らない、という考えが浮かんでくることもあるでしょう。
当然ですが、部活も勉強も、中途半端な努力では結果は出ません。結果として、部活と勉強を両立しようとしていたのに、部活は万年ベンチ、勉強も志望校には全然手が届かず、何も成果を出せず悔いだけが残ることもあります。
両立をするなら、両方とも全力でやりきる覚悟が必要です。
まとめ
部活と勉強の両立について、その方法とメリット・デメリットを見ていきましたが、いかがだったでしょうか。
時間を有効に使えば、部活と勉強の両立は可能です。しかし、両立するのは簡単なことではありません。毎日の生活で、自分が時間をどのように使っているかを把握し、無駄をなくしていく必要があります。
部活と勉強の両立は、多くの人にとってはメリットがデメリットを上回っています。しかし、自分の目標の高さや体力などからどうしても両立が難しそうなら、早い段階で両立に見切りをつけ、勉強に専念した方が良い結果を得られるでしょう。
部活と勉強を両立するにしても、勉強だけに専念するにしても、まずは毎日を全力で頑張っていきましょう!