賢い子供の親には何らかの特徴や共通点があるのでしょうか?
優秀な子供は、その能力を高めるために、親が特別なことをしているのでしょうか⁉
今回はそんな疑問にマナビバがお答えします。
「賢い子供」に親がしていることは?
- 子供に質問する
- 子供との時間を大切にする
- 子供のことを悪く言わない
- 小さなことでも褒める
- 叱るときは褒めることとセットで叱る
- 自主性を尊重する
- 強制しない
これらが賢い子どもの親によく見られる特徴です。では、順に見ていきましょう。
①「子供に質問する」について
賢い子供の親は、ただ会話するだけではありません。
子供と日常的に会話するのはもちろんですが、話し方にもある特徴があります。
それは、毎日の普通の会話の中で、親の返答の仕方を工夫していることが挙げられます。それによって子供の思考力を育てています。
例えば、吹奏楽部に所属する子供が「今日学校の全校集会で演奏したよ!」と子供が話したら、「ああ、そうかい」で終わらせません。
賢い子供に育てた親は、ここで「なんで演奏することになったの?」「みんなの反応はどうだったの?」などの質問を返します。
「あまり上手くできなかった」という答えが返ったら、「どうしてあんまり上手くいかなかったの⁉」「練習方法はそれでよかったの?」「誰が上手だった!? その子はみんなとどう違うの?」など子供に考えさせる質問をします。そうすると子供は答えようとして理由を考えます。
このように、学校の授業の勉強とは別のところでも脳を使って考えさせることによって、自分で考える力を身につけることができます。
すると、日頃から色々なことについて「なぜ?」「どうすればいいか」と考えることができるようになり、賢い子に育ちます。
②「子供との時間を大切にする」について
賢い子の親に見られる特徴のひとつに、「子供の学校で起こった出来事をよく知っている」が挙げられます。
言い換えると、子供が家で親に「学校で起こったことを話している」「親が子供の学校のことをよく聞く時間を持つ」ということです。
これに加えて、授業参観などの学校行事にも積極的に参加している方が多いです。
子供からすれば、いつも自分を応援してくれている、親が自分に関心を持ってくれている、という気持ちが子供も賢くなっていくことにつなっがていくようです。
近年は個食という言葉もあり、親子がバラバラに食事する家庭もありますが、親が働いているのであれば避けられない面もあります。
それならば、食事時間以外のところで会話の時間を確保するよう考えていきましょう。
これは、①の「子供に質問する」と連動しますが、会話のキャッチボールが続くと自然に親と子の対話の時間は長くなります。
③「子供のことを悪く言わない」について
小学生くらいまでの子供のなかで、親の存在はとても大きいです。親に悪く言われると、「自分はダメなんだ」と本気で思ってしまい、自分に自信のない子になってしまいます。
ご近所さんとの会話でも、ちょっとした冗談のつもりで「うちの子はホントにわがままで困るんですよ」「不器用で、何をしてもダメなんです」などと言ってしまうことはよくある話ですが、そういうことを思わず口に出して言ってしまわないよう気をつけましょう。
その反対に、「この子は吹奏楽でいつも一所懸命にやってるんです。など、子供の前でその頑張りを褒めるような発言はプラス効果になります。子供自身が、頑張っていることを家の人はわかってくれている、という信頼感を持つようになります。
「自分はダメではない」という自信は様々な行動力に表れてきます。
④「小さなことでも褒める」について
親ができる毎日の積み重ねで大きな効果をもたらすものは、小さなことでも褒めること、です。
年齢を問わず、子供だけでなく大人であっても、定年で引退した年配の人でも褒められるのは嬉しいものです。嬉しいとまた「次も頑張ろう」という意欲が生まれます。
勉強が好きでなかったとしても、褒められたい一心で勉強を頑張る子もいます。そして、勉強を続けると解けなかった問題も解けるようになり、実際にだんだん賢くなります。
解けなかった問題が解けるようになるのが楽しく感じ、少しずつ勉強への苦手意識もなくなります。
「褒めて伸ばす」というのは現代の小中学校の基本的な方針ですが、具体的には「子供の良さを見つけてあげること」」「子供の長所や良いおこないを認めてあげること」です。
これが重要です。褒めること、評価することのやり方次第で、子供たちの将来にも影響があるかもしれません。
では、学校ではなく家庭ではどうすればいいのでしょうか。同じように、小さなことでもいいので、良いところを褒めてあげましょう。いつも見てくれている、信頼する親に褒められることは、子供のやる気を最も伸ばすことにつながるのです。
⑤「叱るときは褒めることとセットで叱る」について
子供を褒めることは大事です。ただし、常に褒めるだけで全く叱らないのは問題です。自分は何をしても許される、と勘違いをしてしまいます。
鉄則として、叱る場合でも、その前後に褒めることを忘れずに、叱る場合は叱るという割り切りも必要です。少なくとも「叱る割合が0%」は避けましょう。
叱られない子供は、物事の善悪の判断ができなくなります。自分は常に正しいと思い込む自己中心的な人間になってしまいます。
子供にわからないことがあるなら、怒るよりもわからせるためにどう説明すればいいかを考えることが大事で、わからないという結果や状態に腹を立てても子供ができるようになるワケではないことを受け入れましょう。
今の教育現場は、まさに「褒めて伸ばす」の方針ではありますが、「叱っちゃいけない」のではありません。何をしても褒めてばかりでは、善悪やものの程度の分別がつかなくなります。
大事なことは、ただ親が怒りの感情のみをぶつけるのではなく、子供が自分でこれからどうすべきかを自分で考えられるようにすることです。
⑥「自主性を尊重する」について
賢い子供の親に見られる共通点に、子供が自ら「してみたい!」と言ったことはさせてあげるのに対し、親が「これをしなさい!」と、嫌がる子に無理やりさせるようなことはしないそうです。
自分でやりたいことを見つけるよう促すこと、それが自主性の尊重です。自分の意思で挑戦させ、結果は悪くても叱らずに、頑張った過程は褒めます。もちろん結果が良ければ褒め、自分の力で達成させます。その経験がとても大切ということです。
今の学校教育でも重視されていることでもあり、チャレンジ精神、意欲、自己肯定感などを高めることができるので自主性を重んじる時代になっています。それが賢い子に育つことにつながっています。
好きなことを見つけて熱心に取り組み、その才能が開花することもあります。
⑦「強制しない」について
賢い子供の全ての親に必ずしも共通していることではありませんが、「強制しないこと」もある程度は必要です。なぜなら、それが⑥の「自主性を尊重する」ことにつながるからです。
親は理想どおりに自分の子を育てたいと思います。すると、時には子供の気持ちに寄り添うことなく、強制する場合が出てきます。
この量が増えると「親はオレのいうことなんて聞いてくれない」「私は親の所有物じゃない!」と反抗的になったりネガティブな気持ちになってしまいます。
また、自分で考えることが出来なくなり、いつも親からの指示を待つ子供に育ってしまいます。その姿勢が大きくなっても続き、自主的な行動を取らない大人になってしまいます。
理想は大切ですが、強制や押しつけが多くなると子供の自主性がなくなり、やる気も出なくなります。その結果、自分の考えや行動に自信が持てず、学校や社会に出た時に自ら考えて行動することができなくなり、自己主張の少なすぎる個性のない人になる危惧もあります。
例えば、「勉強しなさい」と言わずに自主的に勉強するよう対話することです。誰でも強制されるのは嫌なものです。「勉強しなさい!」と親が言うと、返ってくる言葉に「今しようと思ってたのに! もうやる気なくした!!」というのがよくあります。言われるとしたくなくなる、という気持ちは親自身も経験者かと思います。
親の学歴の傾向は?
文部科学省の調査では、全国で4万人へのアンケートと学力テストの結果から、「親の学歴が高いほど子供の成績が良かった」というデータを発表しています。したがって、「親の学力」と「子供の学力」は関係があるものだと見るのが妥当です。
そういう点でいえば、勉強についてあまり深く考えずに、ただ「勉強しなさい!」と叱りつける親がいることも事実なのかもしれません。
また、家業を手伝い、そのまま高校卒業と同時に親の家業を一緒にするという人もいるのは事実です。
その一方で、親の学歴が高くない世帯でも「日常生活で本や新聞に親しむことや、規則正しい生活を促している家庭では好成績の傾向がある」といったことも明らかになっています。
規律正しい生活と好奇心、勉強への一定の意欲があれば、工夫して勉強することで、家庭環境を克服できる可能性が示されています。
親の経済力に関係あるの?
文部科学省のデータでは、上記の「親の学歴との関係」と同様に「親の経済力との関係」についても発表されています。それは、親の経済力が高い家庭の子供は高学歴になる確率が高く、逆に親の経済力が低ければ高学歴になりにくい、というものでした。
例えば塾に通うことで考えると、わかりやすいです。高額な家庭教師をつけることが可能な経済力の高い家庭と、時間割を指定されて大人数が教室にいる集団塾とでは、確かに家庭教師のほうが成績を上げやすいかもしれません。
もっと言えば、そもそも塾に通えない家庭も多数あります。親が帰宅するまでの時間を幼い弟や妹の面倒をみて勉強どころではない家庭もあります。
そういう点で、経済力の影響は否定できません。しかし、それで全てが決まるものでもありません。
ある程度は親や家に要因はあるかも知れませんが、子供の学力は血縁や財力だけで全部が決まるのではなく、自主的に小さな時間を見つけて勉強するかどうかでも差は出ます。ですから勉強する習慣も非常に大切です。
親の教育方針の特徴は?
ここで、いま一度、親の教育方針について振り返ってみましょう。「賢い子供の親」の特徴として上記に①〜⑦を記しました。
これらをよく見ると、先述の「親の学歴」や「親の経済力」が直接に関与しているものがありません。対話を重視し、よく褒めて、よく質問し、悪く言わず、自主性を育て、必要に応じて叱り、強制はしない、というのが主な内容です。
つまり、親の教育方針として例えば子供も家事を手伝う、部活と文武両道を貫く、など各家庭によって様々ですが、親の学歴や経済力に影響されない範囲内でもできることは幾つもある、ということです。
上記の①〜⑦は、親の学力も経済力も問わず実践可能です。
特別に子供とは会話しない方針や滅多に褒めない主義というようなことでもない限りは、少々の教育方針に違いがあったとしても、上記のような教育方針を導入してみることで、子どもの賢さも違ってくる可能性があるのです。
まとめ
今回は、賢い子どもの親の特徴について書きました。それぞれの家庭があり、教育方針も異なります。
また色々な性格の子どもがいます。そのような様々な人たちがいる中で、賢い子どもを育てる親にはある程度の共通点があり、工夫してそれらを実践しています。
今からでもこのような賢い子どもを育てる方法を活用すれば、対人関係や近所とのつきあいにも活かせます。ぜひお試しください。