好きこそ物の上手なれという言葉がありますが、これは物事が上達するにはその物事を楽しんでやることが肝要だというものです。
逆に言うと、嫌いなものを嫌々やっても効果は薄いということですが、これは本当なのでしょうか。
特に、勉強というのは将来を思う親の視点としては最大限頑張ってほしいものですが、子供としては楽しい遊びの時間を奪うつまらなくて面倒なものだと思われています。
たとえ嫌々だとしても、勉強しておけばできるようになって後で困らないだろうから、「勉強しなさい」と言って親は勉強させたりするものですが、嫌々やらせるのに意味がないのだったら、どうにかして子供から積極的に勉強するようになってほしいですよね。
そこで、今回は嫌々勉強しても効果はあるのかについてと、子供が積極的に勉強するようになる方法についてマナビバが解説していきます。
嫌々勉強した時の効果は低い
勉強に対して、意欲的に楽しいと感じながら進んで取り組んでいく子と、やる気がなくて嫌々勉強する子では、同じ勉強をやったとしても大きな差ができてしまいます。
ここで重要なのは、勉強に対して意欲的だからいっぱい勉強した子と、勉強に対してやる気がなくて嫌々やってたから勉強量が足りない子ではなく、同じ勉強でも差がつくことです。
なぜ、そのような差が生じるのか、次からその理由について解説していきます。
嫌々勉強した時の効果が低くなる理由
好きで自分からやることには、脳から快楽物質である「ドーパミン」が分泌されます。
このドーパミンが分泌されると、人はそのやっていることに対し高揚感や満足感を感じるようになり、集中力やモチベーション、記憶力や学習効率が向上するのです。
また、ドーパミンが分泌されれば、やっていることが楽しいと思えるので、頑張らなきゃと自分を追い込まなくても、自然と長く続けることができます。
そのため、好きで意欲的に勉強に取り組む人は、勉強に関して高い効果が望めます。
それに対して、嫌々やることは、脳からストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されます。
コルチゾールが分泌されると、ストレスにより思考力や記憶力が低下します。
論理的な思考を行う脳の前頭前野という部位はストレスにかなり弱いです。
そのため、人はストレスを感じると前頭前野がちゃんと機能しなくなってしまい、思考力が落ちるのです。
また、コルチゾールが分泌されている状態が続くと、記憶を司る部位である脳の海馬の容積が小さくなってしまい、記憶にも悪影響を及ぼします。
嫌々勉強に取り組む人は、ストレスで思考力が低下して勉強の効率が悪い上、海馬にもダメージを与えてしまうので、勉強の成果は低くなってしまうのです。
積極的に勉強するようになる方法
ここまで嫌々勉強させることの問題点について見てきましたが、こうなると子供に自分から積極的に勉強してもらいたくなりますよね。
では、どんな方法があるのか見ていきましょう。
勉強の楽しさを理解してもらう
積極的に勉強してもらうのに一番効果的な方法は、当然勉強する楽しさを知ってもらうことです。
勉強の楽しさは、新しい知識を身につけたことにより好奇心が刺激されて得られるものと、成績が上がることやできなかったことができるようになるという成果によるものがあります。
できれば両方の楽しさを知ってほしいところですが、今まで勉強が嫌いだった子がいきなり前者の楽しさをがっこの勉強の中に見出すのは難しいでしょう。
ですから、学校の勉強以外のところで学ぶことの楽しさを知ってもらったり、成果を上げることに対する動機付けをすることが重要です。
つまり、子供が勉強してできなかったことができるようになったり、長時間勉強したことそのもの、テストの点数や成績が上がったことに対してとにかく褒めてあげましょう。
子供は褒められたら嬉しく思いますし、やる気を出してくれますよ。
「勉強しなさい」と言わずにいったん様子を見る
子供が勉強していないとこれで勉強についていけるのか、将来困らないかと思ってついつい「勉強しなさい」と言いたくなってしまうものですが、それをグッと我慢して少し様子を見てみるのは一つの選択肢です。
嫌々勉強をさせても効果が低いのですから、子供自身が勉強の必要性を理解して勉強しないといけないと思ってもらう必要があります。
多くの場合、親から見て勉強が足りていないと感じる時、子供自身も勉強不足を感じていることが多いです。
ここで「勉強しなさい」と言うのは、「今勉強しようと思ってたのに」と思われることにつながり、やる気の低下を招きます。
とはいえ、完全に放置していては勉強しなくてもいいんだと思ってしまうので、将来の目標についてや毎日の勉強の目標などは一緒に決めておくべきです。
将来のことについてたくさん話をする
将来のことについて一度親子でじっくり話してみるのも、子供が積極的に勉強するようになるのに有効な手段です。
子供と大人では体感時間も違いますし、判断力の成熟度も異なる上、子供はまだ社会を経験していないので世の中にどんな仕事があって、どんなふうに稼いで、どんなふうに生活をするのかが理解できていません。
そのため、子供任せでは甘い見通しの元、まだ大丈夫だと思って後から勉強すれば取り返せると思って、勉強のことを先延ばしにしがちです。
だからこそ、大人である親が子供に将来の話をしてあげることで、子供に将来の展望を持たせ、目標を決めさせることが重要なのです。
こうすることで勉強が親から言われた嫌々の勉強ではなく、子供が自分で決めた将来のための勉強に変わり、自発的に勉強に取り組むようになります。
ただし、ここで気をつけないといけないのは、親の意見の押しつけではなく子どもの意見を尊重することです。
なかなか将来のこととなると子供と意見が合わないことも多いでしょうが、あくまでも子どもが勉強するのは自分のためだと思ってもらう必要があります。
「勉強しなさい」という言葉が逆効果なのと同様に、将来についても強制ではなく自発的に考えてもらうことが大切です。
勉強する時間を親子で決めておく
子供と話し合って何時から何時まで勉強をするのか、勉強する時間をあらかじめ決めておくのも、子供に勉強を積極的にやってもらうのに有効です。
本人も納得して始めたことなので、最初はそこまで勉強を嫌に感じませんし、毎日続けて勉強するうちに学習習慣がつき、とりあえず今日の分の勉強をしておこうというふうになります。
ご褒美で釣る
子供が欲しがるご褒美を設定するのも積極的に勉強させるには有効な手段です。
このご褒美は豪華なものであれば確かに効果は高いですが、毎回何千何万もするようなご褒美を用意するのは大変ですし、子供もご褒美がないと勉強しなくなってしまいます。
定期テストのような大事なタイミングでご褒美を豪華にするのは良いですが、普段はいっぱい褒めることや夕食に好きなものを出してあげるくらいのことに留めましょう。
ご褒美のためだけに勉強するのは良いことではありませんが、勉強するきっかけやモチベーションにはなる方法なのでうまく活用しましょう。
ただ、ご褒美の条件を厳しくしすぎるとやる気をなくしますし、結果だけで判断すると子供を追い詰めてしまうので、本当に頑張っている様子が見えたら結果はクリアできなくてもご褒美をあげたり、別のプレゼントをするなどしてあげましょう。
まとめ
嫌々勉強しても効果はあるのかについてと、子供が積極的に勉強するようになる方法について見てきましたがいかがだったでしょうか。
勉強だけでなく何事もそうですが嫌々やっていることは身につかず、好きでやっていることは身につきやすいもので、好きこそ物の上手なれとはまさにその通りなのです。
ですから、子供の将来を考えれば勉強を好きになってもらって、自分から積極的に勉強するようになってもらうのが一番なのです。
とはいえ、今まで勉強が好きではなかった子がいきなり勉強を好きになることはないので、親がいろいろ手を尽くして勉強へのモチベーションを上げる必要があります。
そのためには親が進路のことをよく知る必要がありますので、よくよく調べておくようにしましょう。
この記事を参考に、子供が勉強に前向きになれることを願っています!