大学受験で志望校を決めるとき、苦手な科目は使わず、得意な科目だけで受験できれば高得点が取れてもっと上のレベルの大学が狙えるのに、と考えたことがある人も多いかと思います。
一般的な国公立大学の受験は文系理系によっても違いはありますが、共通テストが5〜6教科で7〜8科目、二次試験で3〜4教科も受験する必要があり、私立大学でも3教科は必要なことがほとんどです。
今回は一般的な私立大学の科目数より少ない2科目受験ができる大学についてと、2科目受験をするメリット・デメリットについてマナビバが解説していきます。
2教科で受験できる大学はある
結論からいうと、2教科で受験できる大学はあります。
必要とされる科目は、文系なら英語+国語or小論文or社会、理系なら英語or数学or理科から2つというのが基本です。
2教科で受けられる大学は、あまり偏差値が高くない大学の方が多いのは事実ですが、難関大学の中にも2教科で受けられるところはあるので、もしその大学にどうしてもいきたいと思うのなら、今から受験科目だけに絞った勉強を始めてみるのも良いでしょう。
2科目受験できる大学の例
ここでは2科目受験できる大学の例を紹介していきます。
数えれば数限りなくあるので、目標にしたくなるような有名大学や意外な大学を紹介していきます。
なお、英語が外部試験で、他に2教科必要なパターンは実質的に3教科と考え、ここでは紹介いたしません。また、小論文も1科目とみなすので、英語+社会+小論文のようなパターンもここでは紹介致しません。
なお、基本的には私立大学を紹介していますが、国際教養大学のみ公立大学です。その他の国公立大学については、2科目受験というのは難しく、3教科受験までしか一般的ではありません。その中でのオススメの大学については、以下の記事を参考にしてください。
文系
慶應義塾大学
- 総合政策学部 総合政策学科 一般 英語+小論文
- 環境情報学部 環境情報学科 一般 英語+小論文
青山学院大学
- 文学部 英米文学科 個別B方式 英語+小論文、個別C方式 英語+国語
- 文学部 日本文学科 個別B方式 共テ英語+個別国語
- 経済学部 経済学科 個別A方式 英語+地歴公民、経済学科 個別B方式 英語+数学
法政大学
- 全学部 T日程 英語+国語or数学
- グローバル教養学部 英語外部利用 英語外検+数学or国語
中央大学
- 総合政策学部 学部別一般 英語+国語
- 総合政策学部 学部別一般 英語+国語
- 国際経営学部 学部別一般 英語+国語
関西大学
- 社会学部 併用1科目ーテ 共テ数学or理科+個別英語
- 人間健康学部 共テ併用英語・国語 共テ1科目+個別英国、共テ併用国語 共テ2科目+個別国語、共テ併用英語 共テ2科目+個別英語
- 総合情報学部 2教科型 英数国から2科目
- 社会安全学部 2教科英数型 英語+数学
関西学院大学
- 共テ併用型 共テ2科目+個別英語or数学
- 人間福祉学部 学部個別日程 英語+国語、英数型 英語+数学
- 法律学部 英数型 数学+英語
立命館大学
- 後期分割(法、経済的、スポーツ健康科学以外) 英語+国語
国際教養大学
- 国際教養学部 C日程 共テ英語+二次:英語小論文
理系
東京理科大学
- グローバル方式 理学部第一部数学、創域理工学部数理科学、 英語外検+数学
- 理学部第一部 数学B方式 数学+英語
- 創域理工学部 数理科学S方式 数学+英語
明治大学
- 総合数理学部 学部別 数学+英語
青山学院大学
- 社会情報学部 社会情報学科 個別C方式 共テ数学英語+個別数学、全学部B方式 数学+英語
法政大学
- T日程 英語+数学
関西大学
- システム理工学部 数学科 共テ併用語学力重視 共テ数英+個別英語、後期 共テ数学英語
立命館大学
- 後期 数学+理科1科目
- 情報理工学部 情報理工学科 共テ併用情報理工 共テ数学+個別数英
- 情報理工学部 情報-情報システムグローバル グローバル方式 共テ英数+個別面接(英語)
2科目受験のメリット・デメリット
難関大学にも、2科目受験で合格する方法はたくさんあります。
それなら、科目数が少なくて勉強量が減らせる2科目受験をした方がいいんじゃないかと思った人も多いことでしょう。
しかし、この2科目受験はにもメリット・デメリットがあり、向く人と向かない人がいるのです。
ここでは、そんな2科目受験のメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
1科目の完成度を高めやすい
勉強時間を2科目に集中できるので、その分勉強時間が増え、勉強している科目の完成度は高めやすいといえます。
苦手科目を勉強しなくてよい
2科目受験をするときは、苦手科目のない、得意科目2科目で勝負するのが当然有利です。
そのため、文系の国公立志望の受験生にありがちな、苦手な数学にひたすら時間をかけて勉強をして、他の科目に手が回らなくなるといったことがなくなります。
勉強計画が立てやすい
科目数が増えれば増えるほど、いつどの科目を勉強するかの計画は立てづらくなりますが、2科目ならそういった学習計画に悩むことはほぼありません。
デメリット
ミスが許されない
科目数が少ないということは、1つのミスをした時に他の科目でカバーすることができないということです。
国立大学のように、共通テストで7〜8科目、二次試験で3〜4科目受験をしていた場合、どこかの科目でミスをしても、他の科目で上手くいっていれば十分取り返しがつきます。
しかし、2科目しかなければ、ミスを取り返すだけの余地はないのです。
他の受験生の完成度も高い
科目数が少ないことは、あなた自身の1科目の完成度を上げることに寄与しますが、そのメリットは他の受験生にとっても同様です。
他の受験生もあなたと同じように完成度を高めて受験に臨んでいるので、高得点勝負になるのです。
この点でも、ミスが許されないということができます。
定員が少ない
2科目受験の枠を設けている大学は多いですが、それでも基本的には3教科型の受験が基本であり、定員もそちらの方が圧倒的に多く、2科目受験は狭き門となっている大学が多いです。
ただでさえ科目数が少ないことで高得点勝負になるのに、定員の少なさから倍率も上がりやすく、さらに難易度は上がりやすくなります。
2科目受験が向いている人
2科目受験が向いている人のは以下の特徴に当てはまる人といえます。
- 受験科目がずば抜けて得意な人
- 他の入試形態だとセットになる科目が苦手な人
- 一つの科目を黙々と勉強し続けられる人
- 気になることはとことん突き詰められる人
まずは、受験する2科目が得意で、他の科目が苦手であることは、一般的な私立大学入試の3教科型の入試を避け、2科目受験をする大きな要因になります。
しかし、それだけではまだ、2科目受験をするべきということはできません。
1つの科目を勉強し続けるのは集中力が続かないというタイプは、同じ科目をひたすら勉強し続けることになる2科目受験には向いていませんし、難問などで気になることがあっても、完全に納得するまで考えるのではなく、なんとなく解説を読んでわかった気になるタイプも向いていません。
これは、2科目受験は高い完成度が求められる高得点勝負であり、難問でもしっかり解ききる力を求められることが多いからです。
気になることをなんとなくで流してしまうタイプは、勉強すればある程度までは伸びても、そこから先の難関大合格に求められる水準まで学力を上げるのが困難なのです。
そのため、2科目受験に向いているのは以上4つの特徴に当てはまる人だといえます。
まとめ
2科目受験できる大学の例と、2科目受験のメリット・デメリットなどを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
2科目受験はやはり狭き門であり、最初からこれを目標とするのはオススメできません。
高校1年生の最初のうちなどは、色々な選択肢を選べるように、ある程度満遍なくどの科目も勉強しておくことをオススメします。
しかし、もう受験まで日がなく科目を絞らないと間に合わない、得意不得意がはっきりしていて科目数が増えるとキツイという人は2科目受験を検討してみるといいでしょう。
特に、今まであまり勉強をしていなくて受験までの残り日数が限られている人は、科目数が多いと勉強を一通り終わらせることも難しいので、2科目受験のようにできるだけ少ない科目に絞って勉強するようにしましょう。