現代では、通信機器の発達・普及により、スマートフォン・携帯電話を持つ年齢が下がってきています。さらに、昨日も増えたため、犯罪やトラブルに巻き込まれやすかったり、気づかないうちに犯罪やトラブルに発展していたということも少なくありません。
今回は、スマートフォンを持たせる際のルールについて、世間ではどのようなルールを決めているご家庭があるのかを解説していきます。また、ルールを決める時に参考にしたい、スマホのトラブルについても紹介していきます。
現在のスマホの所有率と持ち始めた年齢
NTTドコモのモバイル社会研究所が行った「2021年親と子の調査」では、以下のような結果が出ています。
中学生は、全体の約8割の子どもがスマートフォンを持っていることが分かります。では、具体的にどのくらいの時期から持たせているご家庭が多いのでしょうか?
このように、中学校や高校に入学したタイミングで持たせているご家庭が多い傾向にあります。また、幼稚園・保育園や小学校低学年から持たせているご家庭の多くは「習い事で帰りが遅くなる。」「勉強に使える。」といった理由で持たせているご家庭が多いようです。
このように、ご家庭の方針で、持たせる時期は様々です。いずれにしても、スマホを持たせる危険性やデメリットを考えたうえでルールを決めて子どもに持たせることが重要です。何も考えずに与えてしまうと、生活を便利にするはずのスマートフォンが、危険な存在となってしまいます。
次の項目では、スマホのデメリットと危険性を紹介していきます。
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スマホを持たせるデメリットと危険性
便利な面がたくさんあるスマートフォンですが、使い方を間違ってしまうと、トラブルや犯罪に巻き込まれたり、生活の質を低下させてしまう恐れがあります。
「こんな危険があるんだ。」と知ることが、対策やルールを有効なものにする、最も重要な手段です。ぜひお子さんと一緒に確認しましょう。
トラブルに巻き込まれやすい。
LINEのトラブル
LINEはスマートフォンを利用している人のほとんどの人が使っているサービスです。メッセージを送ったり無料電話をしたりすることができます。
しかし、文章や電話でのコミュニケーションは相手の顔が見えないので誤解を生みやすいです。特に文章でのコミュニケーションは声のトーンやニュアンスも伝わらないため、自分の意図を正確に相手に伝えるのは難しいです。
LINEが原因でケンカやいじめに発展するケースが数多くあります。友達とやり取りをする際は、受け取った側がどんな気持ちになるかを考えて発信することが大切です。
また、軽い気持ちで連絡先を他の人に教えてしまうというトラブルもあります。LINEアカウントであっても、個人情報であることには変わりません。電話番号や住所を他の人に勝手に教えるのと同じようなものです。その人がお互いに仲の良い友達同士であっても、連絡先を聞かれた場合は必ず教えてよいか本人に確認するようにしましょう。
【事例】
- グループトークで悪口などの誹謗中傷を受けた。
- グループトークから退会させられ、仲間外れにされた。
- 既読はしたが、すぐに返信しなかったため、後日仲間外れにされた。
- トークやタイムラインに顔写真や知られたくないことを掲載されて、さらし者にされた。
- 「知り合いかも」表示で友達になり、見ず知らずの人と連絡を取ってしまった。
- 深夜までLINEから離れることができず、体調を崩した。
SNSのトラブル
次に多いのがSNSのトラブルです。InstagramやTwitter、TikTokなど様々なSNSに簡単に登録することができます。
写真や動画に映っているものから住所や学校、本人を特定されてしまうという事例もあります。写真や動画を投稿する際には、十分に気を付けましょう。
また、自分だけでなく、他人を巻き込む危険性もあります。 人には肖像権という権利があります。肖像権は、自分の肖像(特定の人間の外観を表現した絵画や写真、彫刻である。個人の識別に必要な身体の部位である顔を含む上半身あるいは全身が題材となることが多い。)を勝手に撮影されたり、絵に描かれたり、加工・公開などの使用をされない、という権利です。
法律で定義されていないため、侵害しただけでは罪に問われることはありませんが、損害賠償請求がされる可能性はあります。写真や動画を投稿する場合には、一緒に映っている人に必ず許可をとり、他人の個人情報が含まれる場合は、切り取ったり、ぼかしたりするなどの配慮が必要です。
SNSでのトラブルは、ただ単にケンカになる、仲が悪くなるで済まず、その人の人生を狂わしてしまう可能性があります。また、被害者にも、加害者にもなる可能性があります。個人情報や肖像権というものを十分に理解したうえで、SNSを利用するよう心がけましょう。
【事例】
女子小学生は、SNSで知り合った男と親しくなっていくうちに、「服を着替えられる?」など言葉巧みに誘導され、スマートフォンの無料通信アプリで自分の裸の写真や動画を送信してしまった。
女子中学生は、SNSで知り合った男に、無料通信アプリで悩みを相談していたところ、言葉巧みに誘い出され、加害者の自宅に連れ込まれた。
少年は、1年以上にわたり、SNSに男子高校生を中傷する書き込みをし、これに悩んだ男子高校生が自殺をし、少年は逮捕された。
男子高校生は、SNSサイト等を模したフィッシングサイトをインターネット上に公開し、当該サイトを閲覧した者のIDやパスワードを不正に入手し、逮捕された。
ゲームなどアプリの課金のトラブル
アプリでは、ボタン1つで簡単にものやサービスを買うことができます。お金を直接支払うことがないので、お金がかかっていることや、どのくらい支払っているか、量感覚が鈍くなってしまいます。
子どもがまだ小さかったとしても、親は親、子どもは子どもでそれぞれアカウントを作って、なおかつ子どもが使うスマホにはフィルタリングをしておくなどの工夫が必要です。
警視庁が発表しているデータでは、SNSで犯罪に巻き込まれた子どもの9割近くが被害時にフィルタリングを利用していなかったというデータもあります。親もまたフィルタリングの重要性をしっかり認識しておくことが重要です。
また、物理的に使えなくするという対策だけでなく、お金についての感覚もしっかりと身に付けさせるよう、内面的な対策もするようにしましょう。
【事例】
小学生の子どもが、友達に「キャリア決済を使うとお金がかからない。」と教えられ、スマホでオンラインゲームに高額課金していた。
小学生の子どもがオンラインゲームで150万円以上も課金していたが、決済完了のメールが子どもに削除されていたため気が付かなかった。
小学生の子どもが、父親のアカウントを使って家庭用ゲーム機で遊び、アカウントに登録されていたクレジットカードを利用して課金していた。
一度だけ課金するためにスマホにクレジットカードを登録したところ、小学生の子どもが30万円以上も課金してしまった。年齢確認画面で「20歳以上」を選択していたようだ。
親のメールアカウントを子どもと共有していて、決済情報がアカウントにひも付いていて、子どもがいつのまにか買い物をしていた。
親が使っていた古いスマホをゲーム用として子どもに貸していたら、アカウント情報や支払い情報がそのまま残っていたため、課金されていた。
学習に集中できなくなる。
スマートフォンは持ち運びがしやすく、気軽に触れるため、ついつい見てしまいがちです。特に学習中など、気が進まないことをしているときは集中が切れやすくなります。目に見える位置にスマートフォンがあると、気が散ってしまい、いじりたくなってしまいます。
集中せずに学習をすると、内容が頭に入ってこないですし、せっかくの勉強時間を無駄に過ごしてしまうことにつながります。スマホを持たせるときには、時間についてのルールを考えるようにしましょう。
言葉でのコミュニケーションが希薄になる。
スマートフォンを持つようになると、LINEでのやり取りが多くなります。LINEでは、スタンプを送ったり、細切れにしていくつも文章を送ることができるので、言葉を省略したり、単語だけで会話したりする傾向があります。
その癖が日常会話でもとれず、「お母さん、(学校に提出する参観日の)プリント(書いてくれた?)」というように、相手に伝わるような会話を考えることができなくなります。
主語と述語を意識したり、詳しく話したりできるようにしましょう。そのために、意味が推測できても、文章として成立していなかったら言い直させたり、できるだけ直接会話をするようにしたりしましょう。
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各ご家庭のスマホルールを紹介!
それでは、スマホを持たせている家庭では、どのようなルールを設定しているのでしょうか?各家庭で実際に決めているルールを見てみましょう。
使う場所
- スマホを使うのは、リビングだけ
- 自分の部屋に持ち込まない。
時間
- 使用時間は、午後9時半まで。
- 目的がないときは、スマホに触らない。(何をするか言ってからスマホを触る。)
- 宿題を終わらせてから利用すること。
- 寝る時間や、学校に行っている間は親に預ける。
アプリ
- LINE以外のSNSとゲームアプリはダウンロードしない。
- ゲームアプリは同時に1つまで。
- グループLINEは禁止。(必要な時は、親に相談する。)
- アプリやゲームの通知はOFFにすること。
- アプリは親に確認してからダウンロードすること。
- 電話番号は教えない。(教える時は、親に確認をすること。)
- パスワードロックはかけない。(パスワードは親に教える。)
ルールを自分から守らせ、納得させる工夫
- 子どもからルールを提案し、親を納得させるような決め方をする。
- ルールを紙に書いて見えるようにする。
- スマホは、親が貸しているものというスタンスにする。
- 親が勝手にルールを決めて押し付けないようにする。
- そのルールを決めたわけを話す。
- 子どもと相談し、最終決定は子どもに行わせる。
- 買う前にルールを決める。
あらかじめスマートフォンの使い方についてのルールを親子で決めておくことが大切です。
後からルールを決めると子どもは納得しにくいですし、買った後にルールや決まりについて話をしても、すでに使える状態であるため、「買ってもらったから、聞いたふりしてその場をやり過ごそう。」「無視して使い続けよう。」と聞く耳を持たない場合があります。
また、ただ無理に取り上げたり、使用禁止にしたりすることも、「取り上げられた。」という事実だけにしか子どもは注目しないので、効果は薄いです。どうしてその行為がいけなかったのか、理由に目を向けさせるためにも、事前に危険性について話し合っておくことが必要です。
スマホの危険性を、具体的な事例を含めて説明することで、「こういう事件があって心配だから。」と子どものためにルールを決めることを伝えましょう。また、「~時まではどう?」と提案し、子どもの意見を聞きながらルールを決めることで、本人が納得することができるでしょう。
まとめ
ルールの中身ももちろん大切ですが、より大切にしたいのは、「ルールをどのように守らせるか。」です。せっかく決めたルールも、子どもが守ろうとしなかったら意味がありません。
子どもが主体となってルールが決められるよう、スマホのことについて親子で勉強し、自分で決めさせるのが良いですね。
子どものうちは、先のことを考えず、ついつい楽しい方に流されてしまったり、みんながやっているからと、考えずに行動してしまったりするものです。スマートフォンでは、行動が見えないので、親が途中で悪い行動をしていることに気づくのは難しいです。
曖昧なルールでは線引きが分からず、途中でなあなあになってしまいます。年齢が小さいうちは、少々厳しいと思われるルールでも、しっかりした基準を設けて守らせるべきでしょう。
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