中学生は部活などで忙しくなかなか勉強の時間を確保するのが難しいですし、その少ない時間で勉強するのは基本的に受験科目になる国・数・英・社・理の主要5教科になります。
もちろん、受験本番で点数を取るためにも、普段の単元テストや小テスト、定期テストで良い点数を取るためにも主要5教科の勉強は必須です。
しかし、実技が主体の副教科と言われる美術・音楽・保健体育・技術家庭の4教科も、受験科目でこそありませんが定期テストはありますし、内申点には大きく関わってくるので、非常に重要なものになっています。
それにもかかわらず、多くの生徒が副教科を甘く見てあまり勉強せず、良い成績が取れず内申点を落とす要因となっています。
今回は、そんな副教科の重要性とその理由、そして副教科の勉強方法についてマナビバが解説します。
副教科の重要性とその理由
結論からいうと、副教科は主要5教科に負けないくらい重要です。
副教科は受験科目ではないので、主要5教科と比べたら甘く見られがちで、あまり本腰を入れて勉強しないという人も多いです。
しかし、副教科はいくつもの理由から、主要5教科と同等以上に重要なため、日頃から副教科の授業を真面目に受け、テストもしっかりと対策をして臨む必要があります。
では、どのような理由で副教科が重要なのかを見ていきましょう。
入試の内申点で主要教科と同等以上に見られるから
内申点の換算方法は各都道府県によって異なりますが、基本的には国数英理社の主要5教科と同等、地域によっては副教科の方を倍率を高くして比重を高くするくらい、高校入試の内申点において副教科というのは重視されています。
内申点が悪いと受けられない高校が出てくるから
入試において、内申点と当日点の比率がどうなるかも地域や学校ごとに違いがありますが、内申点が悪いと希望の高校が受けられないということが起こります。
5教科の勉強だけは必死にやって5をとっているけど、歌・絵・運動などの実技が苦手で、どうせ良い成績が取れないからと定期テストも諦めてしまいロクに勉強をしないで、副教科は2や3がつくという人も珍しくありません。
しかし、副教科でこのくらいの成績をとってしまうと、地域のトップ校を狙うのは難しくなってしまうでしょう。
内申点を稼いでおけば、当日失敗してもカバーができるから
高校入試は内申点と入試の当日点を総合的に評価するのが一般的で、内申点がよければ、当日何かケアレスミスなどで点数を落としてしまっても、内申点で合格を勝ち取ることもあり得ます。
高校選びはその後の人生に大きく影響するから
もちろん、その先の進路は自分自身がどれだけ勉強を頑張るかで変えられるものですが、高校の環境というものの影響が大きいのも事実です。
周りが勉強よりも部活・バイト・恋愛という雰囲気の学校では、真面目に家庭学習やテスト対策をするだけで浮きかねませんし、その雰囲気の中で自分なりに真面目に勉強しているつもりでも、進学校の生徒と比べたら全然勉強量が足りないなんてことはザラにあります。
また、私立大学を目指すのか、国公立大学を目指すのか、その中でもどのくらいのレベルの大学を目指す生徒が多いのかで自然と目標も変わり、勉強の到達度も変わるので、高校選びというのは非常に重要なのです。
主要教科よりも点数を稼ぎやすいから
副教科のテストは数学や英語のような積み重ねを必要とせず、テスト範囲の勉強だけを真剣に取り組めば高得点が狙えます。
また、出題内容は学校や教科担任の先生によって、教科書をベースとするのか、授業内容をベースとするのかの違いはありますが、習った内容がそのまま出題されることが多いので、普段から真面目に授業を聞いてノートを取っていれば、試験前にその見直しをするだけで十分テストが解けるでしょう。
テストなどが少なく、成績をカバーしづらいから
主要5教科はこまめに小テストや単元テストがあったり、レポート提出などもあるので、多少定期テストで失敗しても他を頑張っていれば成績をカバーできます。
しかし、副教科は実技等はこまめにチェックされても、知識などを問うのは定期試験のみということも多く、テストが失敗するとその時点で成績に大きな打撃を受けてしまうのです。
思考力問題などで副教科を理解しているほうがやりやすい問題があるから
近年、知識一辺倒の教育が見直され、思考力を試すよう問題が出題されることが増えてきました。
この思考力問題において、身近なものを学問的に考えさせるということが多く、その身近なものの理解に関わるのが副教科なのです。
大学入学共通テストの数学で、徒競走を題材にした問題が出題されたことがありますが、「ピッチ」や「ストライド」という言葉をすんなり理解できた人と、そうでない人では問題の理解にかかる時間に大きな差が出ます。
1分1秒を争う試験で、そういった科目の知識以外の点で差がつくこともあるのです。
副教科の勉強方法
副教科のテストは、学校の先生が授業に沿った問題を出すことがほとんどです。
ノートを主要5教科のようにガッツリとることは少ないので、教科書に書いてある基本事項や、授業で扱った内容、先生が話していた内容はよく確認しておきましょう。
どれも暗記型の科目なので、しっかり準備をして覚えようとするかがポイントになります。
美術
美術の授業では何らかの作品を作ることが多く、板書をとるような授業が行われることはあまり多くないです。
それゆえに、美術で筆記の試験がある場合は画家・作家の名前、作品の制作背景、作品名や表現技法など出題されるポイントが決まっています。
授業で触れた内容やその関連事項はしっかりと確認しておきましょう。
音楽
音楽の授業は、楽曲や楽器について学びますが、出題されやすいのは、作曲家の名前や出生地、曲名や楽器名、歌詞の意味などです。
教科書に載っている内容と、授業で学んだ内容をしっかり確認しておきましょう。
リコーダーを習った時期は、リコーダーの穴の押さえ方や、シャープやフラットなどの変化記号について出題されることが多いです。
こういった変化記号の他、授業で扱った曲に出てきた音楽記号は一通り確認しておきましょう。
保健・体育
保健分野は、授業で習った範囲の教科書や配られたプリントを中心に勉強しましょう。
病気の名前・身体の仕組みに関することは頻出です。また、中学生という時期だからこそ、先生方も性教育の重要性を認識しているので、この分野を学んでいるときは必ず出題されると思っておくべきです。
また、体育では競技のルールや反則、技の名前などが出題されやすいです。
ルールや反則などは実際に競技をやりながら習うことも多いですが、教科書に詳しくまとめられているので事前のチェックは必須です。
特に、ルールや反則に関して「〜回」「〜m」のように具体的な数字が出てくるところは必ず覚えましょう。
技術・家庭科
教科書・ノートの内容はもちろん、プリントが配られている場合は、プリントから出題されることが多い科目です。
ですから、プリントはなくさないように普段からきちんと整理しておきましょう。
技術は授業で扱った道具の名前と使い方、図面の書き方が要注意ポイントで、家庭科は食材の栄養素や切り方、裁縫なら裁断方法や縫い方などの実際の作り方に関係する部分が出題されやすいです。
実習などがあった場合は、実習の手順や内容も復習しておきましょう。
まとめ
副教科の重要性とその理由、そして副教科の勉強方法について見てきましたがいかがだったでしょうか。
副教科で成績を稼ぐ、最低限成績を落とさないというのは良い内申点を確保するには必須のことです。
もし副教科で成績を稼げていれば、一般入試では合格が難しい高校にも推薦で入ることができたりもします。
高校選びはその後の進路選択において非常に重要なものですし、実際に高校のレベルによって指定校推薦が来る大学の質や数が全く違うということもあります。
この記事を参考に、副教科の勉強をしっかりして良い成績を取ることで、内申点で後悔することをなくしましょう!