勉強嫌いの子供というのはいつの世もいるもので、子どもが勉強をしたがらないのはある種当然のことではあります。
特に、学習内容の難易度がグンと上がる中学2年生が、勉強嫌いになって勉強をしなくなる子が急増する時期です。
ベネッセ教育総合研究所の調査によると、勉強が「嫌い」な生徒は小学生が約30%、中学生では50%以上という結果が出ています。
この勉強嫌いな子が自発的に勉強を始めるということはありません。
そしてこういう子に、親から「勉強しなさい」と何度強く言っても、親に言われたから嫌々やることはあっても、自発的に勉強を始めようとは思いません。
今回はそんな中学生が勉強しないとどんな人生を送ることになるのか、その末路と、そうならないように親が子供にすべきことをマナビバが解説していきます。
勉強しない中学生の行き着く末路
子供にとって今勉強しないのは、多少親や学校の先生に色々言われるかもしれませんが、それ以上に楽しいことがいっぱいありますし、嫌いで苦手な勉強を忘れられるからです。
とはいえ、勉強しないツケは必ずどこかでやってきます。必ず、将来のどこかで困る時が来るのです。
ここでは、勉強しない中学生がどんな将来に行き着くのかを解説していきます。
進路を選べない
勉強していない以上、成績は良くならないので、希望する進学先を選べません。
もちろん、各高校に良さはありますし、気の合う友人が見つかり、充実した高校生活が過ごせるかもしれません。
しかし、学力のあまり高くない高校から難関といわれるような大学に進学するのは困難です。
学校の授業は生徒のレベルに合わせて簡単な内容しか指導しませんし、周囲に勉強を真面目にやる子が少ないので勉強しようというモチベーションも湧きづらいです。もし途中で勉強のやる気が出ても、中学生の時に勉強していなかったら、基礎力が不足していて、学力は伸び悩みます。
そのため、高校生になったら勉強していい大学に行くというのは不可能ではありませんが、相当困難な道のりなのです。
また、就職についても、高卒での就職は学校での成績によって学内での選考が行われることも多く、勉強しないままだと就職先を選ぶことはできないのです。
やりたい仕事ができない
勉強をしないで良い学歴を得ることができないと、仕事を選ぶことができません。
日本では、今でもみんなが学校を卒業したらすぐに働き始める新卒一括採用を行なっております。
採用の段階で中途採用のような経験やスキルは求められず、ポテンシャルで採用をすることになるのですが、たかが30分や1時間の面接で就職希望者のことを理解することなどできません。
そのため、まずは学歴を見て判断することが多く、低学歴だと門前払いを喰らうこともあります。
また、大学進学率の向上は、本来大卒である必要がない仕事でさえ、募集要件に大卒以上を要求することをもたらしました。
その結果、やりたい仕事を選べる立場になるにはしっかり勉強をして、良い学歴を手にいれ、同じような高学歴同士の競争に勝っていく必要があるのです。
中学生のうちに勉強しないのでは、やりたい仕事するなど夢のまた夢なのです。
低賃金のまま一生こき使われる
どんなに肉体的には辛くても、特別なスキルや経験のいらない仕事の賃金は低く、経験やスキルが必須な高い利益を生み出す頭脳労働はできる人間が限られるため、賃金は高くなる傾向にあります。
そして、低賃金の仕事は誰でもできる仕事なせいで特別なスキルなどは身に付かず、必死に働いても賃金は上がらず、気がついたらなんのスキルもないまま年齢を重ね、似たようなスキルのいらないキツく安い職場に転職するか、そのキツく安い仕事を続けざるを得なくなるなるのです。
辛い境遇から抜け出すための勉強の仕方がわからない
安くて辛い仕事を辞めようと、一念発起して勉強しようとしても、子供の頃に勉強をしていないと、効果的な勉強方法がわからず、キャリアアップのための勉強もうまくいきません。
勉強する方法がわからないので、必要な資格やスキルの勉強もできませんし、頑張っても結果が出ず諦めてしまい、なんの結果も得られないのに勉強に時間だけ使ったということになりかねません。
子供が勉強しない理由
親としては、勉強しないと将来どうなるのかわかっているからこそ、あれこれ言いたくなってしまうものですが、子供はなかなか勉強してくれません。
そこで、まずはなぜ子供が勉強しないのか、その理由を考えていきましょう。
スマホやゲームなど他の楽しいことを優先してしまう
スマホやゲームばかりで子供が全然勉強しない、というのは本当によくあることです。
大人でも自分を律するのは難しく、子供ならなおさら自律しきれないで楽しいことばかりやってしまうものです。
また、スマホやゲームは楽しいからやるのもありますが、他の何か嫌なことや面倒なことから逃げるために夢中になることもあります。
まずはスマホやゲームに関してはしっかりと家庭のルールを決めて、勉強に支障がない範囲にするようにしましょう。
反抗期で勉強しなさいと言われたら反発してしまう
中学生となると、思春期や反抗期の真っ盛りで、ついつい親に反抗的になってしまうものです。
そのため、子供のためを思ってのことだとしても、勉強しなさいと言われる程にやる気をなくしてしまうのです。
反抗期は大なり小なり誰もが通るもので、うまく付き合っていく必要があります。親としては子供にこうしてほしいという要望を伝えた上で、子供自身がどう考えているのか、自分の言葉で表現できるようにしてあげましょう。
子供自身、勉強はしないといけないことだとわかっていますし、話し合って自分で決めたことなら、誰かに言われたことと違い取り組みやすいものです。
勉強がわからなくて嫌いで避ける
わからないこと、できないことにいつまでも積極的に取り組み続けられる人はそうはいません。
趣味ならやめればいいですが、勉強はやらないといけないもので全くしないというわけにはいきません。
しかし、わからないまま勉強を続けても、わからないままなので次第に勉強が嫌いになっていきます。
そして、嫌いなことはやりたくないものなので、子供も勉強を避けるようになってしまい、ますます勉強がわからなくなり、さらに嫌いになるループに入ってしまうのです。
この解決法は勉強ができるようになるしかありませんが、いきなり全部ができるようになることはありません。
最初はスモールステップでいいので、少しずつ成功体験を積ませてあげましょう。
子供に勉強のやる気を出させる方法
勉強しないと良い将来を迎えられず、上記のような末路に至ります。
だから子供には勉強してほしいとは思うでしょうが、ただ勉強しろと言っても何も変わりませんよね。
ここでは、勉強しない子供が自発的に勉強したくなるような、勉強のやる気を出させる方法について紹介します。
生活リズムを整える
まずは子供の生活リズムが規則正しいものになっていないのであれば、整えてあげましょう。
夜更かししていると、日中にある授業に集中できなくなります。
眠い頭で授業を受けても授業内容が頭に入らず、だんだん授業についていけなくなります。
また、夜更かしは遅刻の元ですし、遅刻を繰り返して自己管理できていないと感じると、自信も喪失していくのです。
家庭の学習環境を整える
自宅が子供が勉強に集中できる学習環境かを確認することも重要です。
当然ですが、勉強するところにゲームや漫画、スマホのような誘惑があったら、そっちが気になって勉強に集中できませんよね。
そういったものは居間に置いて子供部屋などの勉強するところには置かないようにするか、子供部屋に娯楽に関するものを置く代わりに、今で勉強できるようにするなどの環境を整えていきましょう。
勉強の動機付けをする
勉強が嫌いで勉強しない子は、勉強への動機付けをしてあげて、勉強をやる気にさせる必要があります。
これは勉強することの意味を子供と一緒に考えて、勉強の重要性を理解させるという手段が最も良いです。
具体的には、勉強しないと上記のような末路になるということと、勉強することでそういった末路を避けられ、将来の夢を叶えられることを理解させることです。
とはいえ、この方法はなかなか中学生の子供には響いてくれないものです。
ですから、もっと直接的な、勉強すればご褒美を与えるなどの動機付けをする方が最初はいいでしょう。
ご褒美といっても、何かものすごい高価なプレゼントをする必要はなく、好きなおかずを一品作るとかその程度のもので構いません。
学校の授業がわかるようサポートする
勉強嫌いになる大きな要因の一つが、学校の授業についていけないことです。
学校の授業についていけないと、学校の大部分の時間がつまらないものに感じますし、つまらないものは嫌いになります。そして、嫌いだから勉強をしないというふうになるのです。
しかし、こういう子も学校の授業がわかるようになると、達成感を感じますし、できるようになれば楽しく感じ、勉強に対して前向きになることでしょう。
ですから、学校の勉強ができるよう、最大限のサポートしてあげるのが、やる気を出させる方法といえます。
このサポートは直接親が教えるのでもいいですが、中学生の年頃だと親に教えてもらうのは嫌がる年代でもありますし、何より教える側の親の方も小学校の勉強とは違って難しく、教えられないこともあります。
そういう時は塾など専門家の力を借りることをオススメします。
親の努力している姿を見せる
子は親の鏡などという言葉を聞いたことがあるかと思います。
親が口では勉強しろ、勉強は大切だと言っても、いつも居間でスマホをいじっていたり、テレビやYouTubeを見て笑っていたら説得力がありませんよね。
当然、そういった姿は子供も見ているので、親頑張っている姿を見ないと子供がやる気を出すというのは難しいです。
資格の勉強でもいいですし、何か勉強になるような本を読むのでも構いません。子供の前で、親も勉強しているんだという、見本になるような姿を見せてあげましょう。
まとめ
勉強しない中学生の末路と、そんな中学生にどうすれば勉強のやる気を出させることができるのかの解説をしてきましたが、いかがだったでしょうか。
確かに、美容師のように手に職をつける道をいけば、学校の勉強をしなくても生活をしていくことはできるでしょう。
しかし、それは学校で勉強するのと同じように練習をして技術を磨く必要がありますし、本当に限られた職につくことしかできません。
まだ中学生。なりたい職業がはっきり決まっていない人も多いことでしょう。
将来の選択肢は数多く持っておくべきです。
そのためにも、今のうちからしっかり勉強をさせて、後悔しない選択ができるようにしてあげましょう。