「勉強が好き」と答える子どもは多くはいません。だからこそ、「子どもがどうしたら自分から勉強してくれるのか。」と悩んでいるご家庭も多いでしょう。
今回は、「勉強したくない。」と感じている子どもに、どのように勉強させたらいいか、その方法を紹介します。
そのためには、「自分から勉強したくなるようにする。」「勉強しなければいけないようにする。」という大きく分けて2つの方法があります。それぞれについて詳しく解説していきます。
自分から勉強するような作戦とは?
まずはじめに、子どもが自分から勉強をしたくなるような方法です。「勉強しなさい。」と言わなくても、勉強してもらえるようになるのは、お家の人にとってもとても嬉しいですよね。
自分から勉強するようになるためには、次のような工夫をすることが効果的です。
- 目標をもたせる。
- 達成感を感じられるようにする。
そのために、どのようなことをしたらよいか、詳しく解説していきます。
目標がある場合
目標といっても、小学生のうちはぼんやりとした目標をもっていることが多いため、学習への意欲には直接結びつかないことの方が多いです。
自分から学習させるためには、具体的な目標を設定する必要があります。具体的な目標を立てられているか見直しましょう。
目標には、大きく分けて「長期目標」と「短期目標」の2つがあります。
長期目標 | 長い時間をかけて目指す目標のこと。小学生においては、自分が最終的にどのような職業に就きたいか、その仕事でどのようなことを達成したいかが長期目標にあたる。 |
短期目標 | その長期目標を達成するために、段階的に目指す具体的な目標のこと。小学生においては、どこの大学や高校に進学する、テストで何点をとる、何位になる、小テストで満点をとる、などの期間が短い目標や目先の目標が短期目標にあたる。 |
目標がない場合
先ほどもお話ししましたが、小学生はぼんやりとした目標を設定していることが多く、自分一人の力で具体的な目標を設定できる人は多くありません。
そのため目標を立てる時は、お家の人が一緒に考えることが必要です。
長期目標よりも短期目標の方が身近で自分事としてとらえやすいので、まずは短期目標を一緒に設定してみましょう。
この時に注意することは、あくまでも最終決定は子ども自身で行うことです。
目標は自分で設定することに意味があります。自分で決めたからこそ目標を自覚し、それに向かって頑張ることができるのです。人に決められた目標は「別に自分で決めたわけじゃないから。」と逃げる理由になってしまいます。「何になりたいの?」、「何点取りたい?」、「何をしている時が楽しい?」と質問をすることで、子どもに考えさせるようにしましょう。
もちろん、長期目標が決まっている方が、そこから逆算して短期目標をたくさん立てることができるので、なるべく早いうちに長期目標を決めることが望ましいです。
しかし、「今からでも勉強が自分からできるようになってほしい。」と思っている方が多いでしょう。 長期目標はすぐに決まるものではありませんので、その場合は、まず目先の目標を立てるようにしましょう。その繰り返しの中で、長期目標について考えることも視野にいれながら、過ごしていけると良いですね。
目標をもたせるためにご褒美はアリ?
目標を設定するときに多いのが、「定期テストで○位以上だったら欲しいものを買ってあげる。」「テストで○点をとったら、お小遣いアップする。」という「ご褒美」をつけることです。この方法では、子どもは自分のためでなく、「ご褒美」のために勉強を頑張ります。
このような方法では、自主的に勉強する効果は一時的にしかならず、長続きしません。また、「ご褒美」がないと頑張れないようになり、自分のために頑張ることができなくなります。ですので、自主的に勉強するようになる方法としては有効ではありません。しかし、何もしないよりは効果があります。
また、勉強を始めた段階で褒めると、子どもが宿題をやるという行動自体が良いことなのだと理解します。これを繰り返すと、ご褒美をあげなくても自主的に宿題に取り組むようになるでしょう。
ご褒美が目的とならないよう、使い方には注意が必要です。
達成感を感じやすくする方法とは?
人は自分の頑張りを他人から褒められたり、形として残った時に達成感を感じることができます。達成感を感じることで、繰り返し頑張り続けることができます。
例えば、1000ピースのパズルを作っていて、最後の1ピースを埋めて完成させ、全体像が見えたらとても嬉しいですよね。目標のためにコツコツ貯金をして、ある日、貯金箱の中身を数えたら「こんなに貯まっていたんだ!」と嬉しくなりますよね。そして、この喜びを味わうために、「また頑張ろう!」と思います。2回目は、終わった後に待っている幸福を知っていますから、1回目よりも簡単に努力し取り組み続けることができます。
子どもも同じです。しかし、勉強の積み重ねというのは形に見えないものですから、上記の例のように達成感を味わうのは難しいです。
そのため、大人が達成感を味わえるような工夫をする必要があります。褒めることと形に見えることの2つについて詳しく見ていきましょう。
達成感を感じやすい褒め方
人間には承認欲求といって、「他人から認められたい」という欲求が備わっています。この欲求を満たされると、喜びを感じ、この喜びをまた感じるために努力することができます。特に子どもは、どんな子でも、褒められると「また褒められたい。」「もっと褒めてもらいたい。」と嬉しく思います。
また、褒められたことで「自分はこんなに頑張ったんだ。」「頑張ってよかった。」と達成感を味わうことができます。
大人はどうしても「そんなの当たり前だ。」と自分の能力と比較して評価しがちです。
しかし、相手は子どもですから、どんなに小さなことでも、できたことに目を向けて認めてあげるようにしましょう。また、結果だけで判断してしまうことにも注意が必要です。
結果も大切ですが、それよりもそこに至るまでの過程に目を向けてあげましょう。結果はすぐにはでないこともあります。過程を認めてあげることで、子どもは努力を続けることができます。
また、この時に「すごいね。」「偉いね。」だけだと、達成感はあまり感じられません。プリントやノートなどを見て、具体的に認めることができると、やる気も上がりますし、それを続けることができます。
【頑張りを認める言葉の例】
行動 | 褒め方 |
何も言わなくても勉強をした | 自分から勉強してすごいね。 |
苦手対策をしている。 | 自分で考えて勉強していて、えらいね。 |
目標を立てたとき。 | 自分で目標を決めて、 それに向かって頑張ろうとしているのはいいことだよ。 |
いつもより長い時間勉強した。 | 今日は集中して、たくさん取り組めたね。がんばったね。 |
丸付け、解き直しまでしている。 | 最後まで完璧に取り組めたね。これでこの内容は大丈夫だね。 |
何日も続けて、 自分から勉強ができている。 | 3日も続けられて、偉いね。 1週間続けられるともっとすごいな。 |
努力の成果を見えるようにする
先ほどもお話ししましたが、自分から勉強していることや、それを続けていることは、形には残りません。そのため、達成感を味わいにくいです。
そのためには、勉強時間や自分から勉強した日等を記録するのことをおススメします。ただ記録するだけでなく、カレンダーに色を塗ったり、ポイントカードなどを作ると、楽しく続けることができますね。
【例】
自分から勉強できた日は赤、言われて勉強した日は黄色、勉強しなかった日は青、というようにカレンダーに色を塗っていく。
1時間勉強したら、1ポイント(または、シール1枚)として、ポイントカードをつくりためていく。
自分から勉強した日が何日続いたら、~を買ってあげる。ポイントが~ポイントたまったら、お小遣い~円と、達成したご褒美を設定するのも、よいかもしれませんが、先ほども説明したように、ご褒美が目的とならないよう、使い方には注意が必要です。
いずれは、ご褒美なしで頑張らなければならない時が来ます。予告しないでご褒美をあげる等、工夫をしましょう。
勉強せざるを得ない環境づくり
小学生のうちは、なかなか自分から勉強するのは難しいです。家や自分の部屋には、ゲームや漫画、テレビ、お菓子、スマートフォンなど様々な誘惑があって、気がそれてしまいがちです。
また、小学生のうちは、テストも簡単ですし、受験を考えていない子が大半です。そのため、勉強に対する危機感を感じにくく、勉強の必要性が分からないことも、勉強をしない原因の一つです。
そのため、強制的に勉強をしなければいけない環境にするというのも、対策の一つです。勉強が難しく、受験を控えている中学生や高校生に向けて、勉強をする習慣をつけたいですね。
秘訣は家でのルール化
家で学習をする際には、勉強に子どもが向かえる環境を作るようにしましょう。
この時に気を付けたいことが、必ず子どもと一緒に考え、最終決定は子どもにさせることです。先ほどもお話ししましたが、人に決められたものよりも、自分で決めたものの方が責任を感じ、自覚することができるため、長続きします。子どもの意見を聞きながらルールを決めるようにしましょう。
ルールを考える際には、勉強をする「時間」と「場所」の2つに注目しましょう。
時間
勉強する時間が決まっていると、習慣化され、自然と勉強に向かうようになります。また、小さい年齢のときから始めれば始めるほど、習慣というのは簡単に身につき、長続きします。
何時から何時までは勉強をする時間、何時から何時までは夜ご飯の時間、ゲームやスマホは何時から何時までというような大まかなスケジュールを子どもと一緒に考えましょう。小中高と校種が変わった時や、習い事や部活を始めたタイミングで行ったり、変更したりすると良いです。
また、子どもの勉強時間は、大人もテレビやスマホ、ゲームをしない等、自分たちも守ることで説得力が増しますし、納得を生むことができます。自分たちは勉強しなければいけないのに、他の人は楽しんでいるという場では、集中も続きませんし、反発を生みやすいです。「一緒に頑張ろう」という姿勢が見えるよう、協力して取り組めると良いですね。
場所
低学年のうちや、宿題を自主的にできない時は、子どもの部屋で勉強をするというのはなかなか難しいです。
自分の部屋には、好きなおもちゃ、ゲーム、本など宿題よりも楽しいと感じる誘惑がたくさん潜んでいます。
そこで、無理にそのような娯楽を封じるのではなく、親または兄弟など家族がいるリビングやダイニングで勉強をさせるのも一つの手です。
塾のサポートは今どき必須
塾では、学校と同じように授業があります。そのため、塾に来たら勉強をする他ありません。家で勉強することが難しい場合は、塾に通うことで勉強の習慣をつけるのも良いでしょう。
「小学生で塾に通わせるのは早いのでは?」と思う方もいるかもしれません。文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」では、小学生の25.9%が塾に通っているという結果になっています。
中学受験を考えているご家庭だけでなく、「放課後も学習する習慣をつけたいから。」「学校の授業についていけないから。」「家で一人では学習しないから。」といった理由で塾に通わせるご家庭も多いです。
「個別指導塾マナビバ」では、一人一人の性格や生活スタイルに合わせてカリキュラムを作成したり、勉強法の提案をしたりするため、成績を上げる指導が可能です。このコラムで紹介した方法も、マナビバではスムーズに取り組むことができます。「マナビバで勉強したい!」と思ったら、ご気軽にお問合せページよりお問い合わせください。
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まとめ
中学校や高校に進学すると、勉強の量も増えます。定期テストもあります。1回1回の定期テストは、成績を左右する大切なテストです。また、成績は高校受験や大学受験に影響するため、小学生のうちから勉強をする習慣をつけて、定期テストに向けてしっかりと勉強し、点数をとれるようにしたいものです。
「勉強しなさい。」と言い続けるのは、言う方も言われる方も嫌な気持ちになります。そう言われて勉強する子は少ないでしょう。前向きな気持ちで勉強してもらうためには、お家の人の工夫が必要です。
今回紹介した方法をいろいろ試しながら、お子さんに合った方法を見つけましょう。