「稼げる仕事」「高収入の職業」ってどんなのがあるの⁉ という質問に、マナビバがお答えします。
「稼げる仕事」「高収入の職業」はけっこう沢山あります。その中から、今回は理系・文系のうち「理系」向きの「稼げる仕事」をご紹介します。
理系の稼げる仕事 オススメ7選
その仕事の平均年収が高く、今後の需要が高まりそうな職業であることを念頭に、「理系の稼げる仕事」をピックアップしました。
- アクチュアリー
- 研究職・開発職
- 一級建築士
- データサイエンティスト
- 弁理士
- ITアーキテクト
- 医師
以上の職業がオススメ7選です。順に見ていきましょう。
<アクチュアリー>
アクチュアリーとは、統計学や確率論などの数理的な知識を用いてリスクや不確実性を分析・評価する仕事です。最近は理系の学生の就職希望の上位に入ってきています。
アクチュアリーの平均年収は約1,250万円、初任給は約24万円です。特に大企業に勤めるアクチュアリーは1,500万円の年収も可能です。
英国の社会が発達し、保険制度が必要となり、その近代化において死亡率を統計や確率などから保険料を算定し始めました。それを担当した人たちがアクチュアリーの始まりで、日本語訳では「保険数理士」と呼ばれてます。
近年までは主に生命保険事業や損害保険事業、年金保険事業などが業務の中心でしたが、現代は企業の資産運用におけるリスクマネジメントやコンサルティング業務など、アクチュアリーの仕事は保険の範囲を超えてきています。
さらに技術革新によってビックデータの集計が容易となった現代において、大量の情報を活用するアクチュアリーの数理的能力が期待され、今後は需要がますます高まると予想できます。
<研究職・開発職>
「研究職」と「開発職」は、本来は別々の仕事ですが、「研究開発職」として統合する形で職員を募集したり、同じ部署で働く企業もあります。そこで、今回は「研究職」と「開発職」を並べてご紹介していきます。
研究職、開発職の平均年収は約520万円、初任給は約21万円です。
研究職は、主に基礎研究に取り組み、研究室で実験をしたり論文を読んで製品開発が可能か考える、などを担当します。研究には失敗がつきもので、成果が出るまでに長い年月を要します。それだけに、根気強さが必要な仕事です。
開発職は、商品開発と技術開発が主な仕事です。
商品開発とは、新たな商品やサービスを具体的な形にする仕事です。研究職と連携するのはもちろん、他の部署と協力して情報収集し、どんな商品を作っていくかを決めます。重役へのプレゼンテーションから、販売戦略の検証など、仕事の内容は多岐にわたります。実際に販売して利益が出るのか、社会に求められているものなのかも考える力が必要です。
また、技術開発とは、専門知識を活かして社会が求める製品や製法を開発する仕事です。実用化を目指して製造する部署と具体的に話を進めるなど、コミュニケーション能力も求められる仕事です。イメージでは技術開発というと一人で黙々と進めるような漢字に思いがちですが、実際は市場を把握して色々な部署との調整も行うチームワークを重視する面があります。
<一級建築士>
一級建築士は、建物を造る際に建築のデザイン面から耐震構造など幅広く携わる建築全般を主導するプロです。
一級建築士は平均年収が約520万円、初任給は約21万円です。
ニ級建築士が都道府県から免許を交付されるのに対し、一級建築士は国土交通省から免許を交付されます。また二級建築士は主に一般住宅の一戸建てを造るなど仕事の幅が限られていますが、一級建築士は例えば大型のサッカー競技場や駅と直結する高層マンションなど何でもありの建築士です。
自分の思い描く夢のデザインの建築物を実現するのも夢ではなく努力次第で現実に可能です。
上記のような、一級建築士として活躍するために、大手企業で経験を積む方法があります。 大手ゼネコンで順当にキャリアアップをすれば、年収1,000万円も可能です。
建築業界の仕事は、多くの専門工事業者による分業が現在の主流なので、1つの建築物に多くの専門工事業者の力を必要とします。ゼネコンは、建築の仕事で必要とする多くの専門工事業者をまとめる役割を担います。特に大手ゼネコンは、工事全体をまとめるマネジメント能力の問われる仕事でもあります。
一級建築士だからこそ就ける仕事の1つで、大規模な工事を請け負う大手ゼネコンは、他の建築関連の会社よりも年収が高い傾向です。
<データサイエンティスト>
データサイエンティストは、米国の大卒学生の人気職業の1位に選ばれるなど、注目度抜群の仕事です。データサイエンティストは、データを収集して分析を行い、その分析の結論を出していく仕事です。
データサイエンティストの平均年収は860万円、初任給は約24万円です。このデータサイエンティストは、大企業に勤めるか、中小企業に勤めるかで年収が3倍くらい違います。
データを収集する仕事は、それを多くの人が見てわかるように作らないと、個人用のものになってしまいます。どのようなデータを集めて分析するかを考え、結論を出したデータを整理し、第三者が見ても理解しやすいように管理します。
そして、理解しやすいように管理することで全員がデータにアクセスし、新たな知見に結びつく機会を設けることもデータサイエンティストの大切な業務の一つです。
まだ認知度が低い職業のため、市場への供給人数は少ない状態です。これから認知度が上がり、企業からの需要は高まります。米国でも一昔前はそれほど認知度がありませんでしたが、今や最も就きたい仕事に選ばれています。
<弁理士>
弁理士は、知的財産法の特許分野にに特化した仕事です。
特許には広大な分野と様々な技術的な要素があり、非常に複雑で技術に精通した専門家でない理解することは難しいと言われています。この特許の専門家が弁理士で、弁護士も知的財産法を扱いますが、この分野に関してのエキスパートが弁理士です。
弁理士は平均年収が約800万円、初任給は約25万円です。
弁理士は特許申請書類の作成を行います。これを行うには弁理士試験に合格していなければなりません。
試験の難易度は高いです。
弁理士の主な勤務形態は、特許事務所に勤務するか、企業の知的財産の部署で働くかがメインになりますが、特許事務所を自ら経営する人もいます。それによって収入もまちまちです。
特許は権利であり、この権利を守ることや特許の侵害に対して法廷で争うことが必要になります。損害が出ている場合には相手企業に損害賠償を請求しますが、この時は弁護士のように法廷に立って裁判官に侵害の内容を説明するのも弁理士の仕事です。この点でも弁護士に似た仕事という面があります。
<ITアーキテクト>
ITアーキテクトは、企業の目的に最適なWebシステムの設計図を作り、商品やサービスの開発を先導していく仕事です。その企業に合うIT環境を導入する役割を持つアーキテクトは、もともとアーキテクトという言葉に「建築家」や「設計者」などの意味を持っています。
ITアーキテクトは、平均年収が約740万円、初任給は約22万円です。
企業が扱うITのシステムには様々なものがありますが、必ずしも最新のシステムが良いとも言えず、その企業の抱える課題を解決したり、求める業務の遂行に適しているかどうかの見極めが重要です。それをITアーキテクトが考えながらその企業にとって最適なシステムになるようシステム基盤を設計し、開発し、実装していきます。これがITアーキテクトの主な役割です。
ITの分野も現代は細かく分かれ、より専門的かつ奥深くなっています。その中で、ITの専門職としてのアーキテクトは企業の課題解決に関わるため、経営者の目指す方向やどんな業務に重点を置いているかなどを理解していなければ務まりません。
その点で、企業経営に直結する位置にいるという意識が問われます。電子機器の面からだけではなく、働く人材や実務の具体的な内容の把握まで幅広く知り、それに対応できる見識やスキルが求められます。
このように見ていくとITアーキテクトの仕事は、昔からよく知られているプログラマーやシステムエンジニアの業務を企業全体の視点で捉え、その企業で働く人たちがより良い業務をできるようにする役割を担っていることがわかります。システムを見直して整理し改善するのがITアーキテクトの仕事で、企業全体の進退に関与するだけに重要な仕事と言えます。
<医師>
もはや説明不要ですが、高齢社会において医師の業務は増えると予想されます。
医師の平均年収は約1,400万円、初任給は約29万円です。
医師の場合は、病院勤務の勤務医と開業医で、かなり収入に開きがあります。
自分で経営する開業医は、年収1,000~1,500万円を得ている人が多いようですが、開業医の2割は年収3,000万円以上を得ているというデータもあります。総じて開業医は高収入です。特に美容形成外科は5,000万円を超える医師が多数います。
病院勤務のみの勤務医でも、年収1000万円以上を稼ぐ人もかなりいます。特に設備の大きな大学病院や私立の総合病院などに勤めている場合は、多少金額に差があるものの大概は高収入といえす。
一般的に収入が高い弁護士や公認会計士、大学教授などの資格や高度な知識が必要な職業と比べても医師は高い収入があります。これは、医師が常に社会で必要とされる需要の高い職業であり、これに加えて勤務時間が非常に長く、営業時間以外にもやるべきことが沢山あるからです。激務のため、高収入でも割に合わないと感じる医師が少なからずいます。
なお、歯科医師の平均年収は約850万円、初任給は約26万円となっています。また、獣医師は平均年収が約520万円、初任給は約27万円です。
理系の仕事のほうが生き残れる⁉
今から10年ほどで世の中の仕事の環境が大きく変わると言われています。2030年を過ぎる頃には日本の労働人口の約半数がAI(人工知能)やロボットにとって代わられるというニュースをよく見かけますが、これは本当の話と思われます。
大量の情報を扱う電子機器や正確な作業ができるロボットなどの高度で便利な機器を導入すると、大変に高額な費用がかかります。それでも長い目で見れば人件費より安く済みます。
現実として、役場での形式的な書類、不動産登記などの確認や審査、電話での販売、店舗での販売、簡単なデータ入力の作業、倉庫の商品の出し入れ、清掃、洗浄、工場の流れ作業、などの簡易な事務手続きや単純な労働は世の中から徐々に消えていく可能性が高いです。
これらの業務にはAIや高性能なロボットが必要になりますが、そのメンテナンスや操作の点検、確認などは人間が行います。ただ監視するだけなら誰でも可能ですが、メンテナンスや作業データの解析の大半は理系の人の仕事になります。
そういう観点からすると、理系の分野は仕事が減る可能性は文系より少ないと考えられます。
理系のようで文系みたいな仕事もある!!
高齢社会は今後ますます進行します。例えば医療に関する仕事は当然に増えます。
その際、看護師を理系か文系かで分けれるとなると、知識の面では医療なので理系になりますが、実際の看護学校などの入試問題には国語や論作文を課す学校が非常に多いです。
その理由は、看護が人間を相手にし、病院や福祉施設で患者さんとのコミュニケーションが大事であることや、看護の勉強において医療に関する大量の書物を読んでレポートを書くことが必要だからです。言葉のやり取りや文章の読み書きは文系の知識と技量がないとうまく行きません。
その点では理学療法士や放射線技師や歯科衛生士なども基本的には理系ですが、文系のような言葉のやり取りやレポート作成など看護師と同様の文系的な要素も必要になります。
このように、世の中の仕事には理系か文系かにハッキリ分断できるようなものばかりではありません。
ただ、上記の医療に関するところでは、医師の他に薬剤師も「理系の稼げる仕事」に挙がります。薬剤師は、平均年収が調剤薬局では約380万円ですが、大きい病院なら約560万円になります。大体の平均として490万円と言われています。初任給は約22万円です。
ちなみに看護師は平均年収が約490万円、初任給は約25万円です。
その他では、イメージ的には理系に分類されそうな航空パイロットは理系、文系のどちらにも分けられていません。ちなみに航空パイロットは平均年収が約1,050万円、初任給は約22万円です。
まとめ
今回は「理系の稼げる仕事」7選をご紹介しました。
自分の得意科目や不得意科目で理系か文系かのどちらかを選ぶ人も多数いますが、その前に、「自分がなりたい職業」「やってみたい仕事」を考えることが大切です。目標とする仕事があるなら、よほど苦手でどうにもならない科目がある場合を除き、チャレンジしてみる価値はあります。
自分の向き、不向きも含めて自己分析と自己理解をした上で、「稼げる仕事」について調べてみることをオススメします。
最後に、ご紹介した仕事と参考に挙げた仕事の平均年収を高額な順に初任給とともに表で確認してみましょう。
ただし、平均の年収よりも、勤め先が大企業か中小企業か、あるいは個人経営かどうかでかなり違うため、参考程度に見ておきましょう。
職業名 | 平均年収 | 初任給 |
---|---|---|
医師 | 約1400万円 | 約29万円 |
アクチュアリー | 約1250万円 | 約24万円 |
航空パイロット | 約1050万円 | 約22万円 |
データサイエンティスト | 約860万円 | 約24万円 |
歯科医師 | 約850万円 | 約26万円 |
弁理士 | 約800万円 | 約25万円 |
ITアーキテクト | 約740万円 | 約22万円 |
獣医師 | 約520万円 | 約27万円 |
一級建築士 | 約520万円 | 約21万円 |
研究職・開発職 | 約520万円 | 約21万円 |
看護師 | 約490万円 | 約25万円 |
薬剤師 | 約490万円 | 約22万円 |
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民間給与実態統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
賃金構造基本統計調査