モンテッソーリ教育は保育園・幼稚園などで導入されているポピュラーな幼児教育のひとつです。
過去の実績・評判から、モンテッソーリ教育を導入している保育園・幼稚園を選ぶ方も多いようです。しかし、単純に「評判だから」「人気だから」といった理由で選択すると後悔する可能性があります。
モンテッソーリ教育を採り入れた保育園・幼稚園への入園を希望する場合は、その特徴や目的をしっかり理解した上で検討しましょう。
この記事では、モンテッソーリ教育の概要や後悔してしまうケース、モンテッソーリ教育が向いている家庭、後悔しないための対策について解説します。
モンテッソーリ教育の特徴や目的
モンテッソーリ教育とは、ローマ大学医学部にて、女性ではイタリア初となる医学博士号を取得したマリア・モンテッソーリが提唱した教育のことです。
ローマ大学付属の精神病院に勤めていたマリア・モンテッソーリは、知的障害のある子どもが床に落ちたパンくずで遊ぶ様子を見て、子どもが感覚的な刺激を求めていることに気付きました。
知的障害があっても、感覚的な刺激があれば知的水準を向上させられる可能性があることを立証し、保育施設にて独自の感覚教育法を完成させたのがモンテッソーリ教育の始まりとされています。
モンテッソーリ教育は世界各国で導入されており、著名な例ではアンネの日記の著者であるアンネ・フランクを筆頭に、Amazonの創設者であるジェフ・ベゾス、Microsoftの創設者であるビル・ゲイツ、ワシントン・ポスト誌の経営者キャサリン・グラハム、日本では藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を受けたことで知られています。
モンテッソーリ教育の目的
モンテッソーリ教育の主な目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。[注1]
マリア・モンテッソーリはこの目的を達成するため、子どもを科学的に観察し、そこから得た事実をもとに独自の教育法を確立していきました。
モンテッソーリ教育は、単純に優秀なスキルを身につけさせるだけでなく、他者を思いり、慈しむ豊かな心の養成も実現することから、理想的な情操教育として注目されています。
モンテッソーリ教育が確立されて100年以上の時が経過していますが、その教育法の確かさは現代の大脳生理学、心理学、教育学などあらゆる面から証明されており、今なお世界中で支持されています。
[注1]モンテッソーリ教育とは日本モンテッソーリ教育綜合研究所(sainou.or.jp)
モンテッソーリ教育の基本的な考え方
モンテッソーリ教育では、子どもがもともと持ち合わせてい自立・発達しようとする力(自己教育力)を発揮するために、適切な物的環境・人的環境を整えることを重視しています。
教員など周囲の大人がすべきことは、子どもに教え込むことではなく、子どもを観察し、適切な環境を整えることであるとし、一人ひとりの子どもの発達段階や個性に合った環境の整備に注力します。
こうした理念から、モンテッソーリ教育を導入した保育園や幼稚園では、過剰な介入は行わず、子どもの成長を見守り、必要に応じてサポートする姿勢を貫くことを基本方針としています。
一般的な幼児教育との違い
モンテッソーリ教育と一般的な幼児教育との違いは、縦割り保育および「お仕事の時間」の有無です。
一般的な幼児教育では、年齢別にクラスを設け、同年代で交流する横割り保育が主流ですが、モンテッソーリ教育では異年齢交流を重視するため、学年の壁がない縦割り保育を行うのが主流となっています。
また、一般的な保育園・幼稚園では制作や運動の時間を設けて活動しますが、モンテッソーリ教育では「お仕事の時間」を設け、子どもたちが独自の教具を使って各々好きな「お仕事」を行います。
このように、一般的な幼児教育とモンテッソーリ教育では園での過ごし方が大きく異なることを念頭に置いておきましょう。
モンテソーリ教育で後悔したくない人はぜひ読んでください!
モンテッソーリ教育で後悔する3つのケース
モンテッソーリ教育は独自の教育法を採り入れているため、一般的な幼児教育との間に大きな差があります。一般的な幼稚園・保育園での教育をイメージして入園すると後悔する可能性があるので要注意です。
ここでは、モンテッソーリ教育で後悔する主なケースを3つご紹介します。
1. 場所によって質・方針がバラバラ
モンテッソーリ教育では、基本的な取り組みや考え方は共通していますが、具体的にどのような活動を行うのか、どういった方針で子どもたちに接するのかについては、各々の園に委ねられています。
そのため、同じモンテッソーリ教育を採り入れている保育園・幼稚園でも、実際に受けられる保育・教育の質は均一でないのが実状です。
保育園や幼稚園の詳しい保育・教育方針を知らないまま、単純に「モンテッソーリ教育を導入している園だから」と入園を決めてしまうと、理想と現実のギャップに悩まされる可能性があります。
2. 活発な子どもはストレスを感じやすい
モンテッソーリ教育では、お仕事や言語、算数、文化などに親しむ教育が主流となっています。そのぶん、一般的な保育園や幼稚園に比べると外遊びや自由遊びの時間が少なく、体を動かす機会が少ないといわれています。
感覚的・文化的な取り組みに興味を持つ子は良いのですが、体を動かすことが大好きな子どもはストレスを感じてしまう可能性があります。
3. 自宅での子どもの接し方に悩む
モンテッソーリ教育では、独自の教育方針のもと、教育に適した教具を用いた活動を行っています。
一般家庭には、モンテッソーリ教育に適した設備や教具、人材が揃っていませんので、保育園や幼稚園がお休みの時に、自宅でどのように接すればいいのか悩む方は多いようです。
特に夏や冬、春の長期休みは自宅で過ごす時間が多くなります。モンテッソーリ教育に対する理解や知識がないと、子どもとの過ごし方に不安や戸惑いを感じやすくなります。
モンテッソーリ教育が向いている家庭とは
モンテッソーリ教育は国や地域を問わず、世界中で支持されている教育法ですが、すべての家庭に適しているとは言い切れません。子どもの教育方針によっては、モンテッソーリ教育の方針とぶつかってしまう可能性もあります。
入園を決めるときは家庭の方針とモンテッソーリ教育との相性についてじっくり検討してみましょう。
ここでは、モンテッソーリ教育が向いている家庭の特徴を3つご紹介します。
1. 子どもの個性・積極性を伸ばしたい
モンテッソーリ教育では子どもの自主性を重んじており、子どもの意に沿わない活動を無理強いさせることはありません。むしろ、子どもがやりたい、挑戦したいと思ったことを否定せず、一歩引いたところから見守る姿勢を取っているため、子ども一人ひとりの個性や積極性を伸ばすことができます。
子どもの自主性・積極性を伸ばしたいと思っている場合は、モンテッソーリ教育が適しているでしょう。
2. 子どもの自立心を養いたい
モンテッソーリ教育では、子どもの自立心を養うために、大人は必要以上の手出しをしません。物を探している子どもや、助けが必要な子どもを見ても、すぐに手を貸したりせず、忍耐の限界を見極めた上で適切なサポートを行います。
間違いをあからさまに訂正したり、休息している子どもに無理な仕事をさせたりすることもありません。そのため、子どもは自分が思ったこと、考えたことをすぐ行動に移せます。
そのぶん「こうしたい」「やってみたい」という自立心が自然と芽生え、自ら考え、行動する子どもを育てることができます。
3. 集中力のある子どもに育てたい
物事を効率よくこなすためには、目の前のことに集中する力が必要になります。
モンテッソーリ教育では、子どもの興味・関心を引く教具を採用し、ひとつのことに没頭できる工夫を採り入れています。また、日々の活動ではあえて時間割を設けず、子どもが何かに集中しているときは、それを妨げずに見守ることを重視しています。
日常生活で集中力を育み、維持する環境を通して、子どもはひとつのことに没頭する強靱な集中力を養うことができます。
モンテッソーリ教育で後悔しないための3つの対策
モンテッソーリ教育で後悔することのないよう、事前に対策しておきたい3つのポイントをご紹介します。
1. 保育園・幼稚園の方針をしっかり下調べする
保育園・幼稚園の教育方針は園ごとに異なるため、単純に「モンテッソーリ教育を行っている園」とひとくくりにせず、それぞれの特徴や教育方針、教育理念について詳しく下調べすることが大切です。
保育園や幼稚園の方針は園のHPやパンフレットのほか、プレ幼稚園や説明会、園見学などで確認できます。わからないことや気になったことがあれば園に直接問い合わせるなどして、不安や疑問の払拭に努めましょう。
2. 夫婦間で子育ての方針を明確にする
モンテッソーリ教育に限った話ではありませんが、保育園や幼稚園を決めるときは家庭の方針と園の方針が合致するかどうかを熟慮する必要があります。ただ、夫婦間で子育てや子どもの教育方針に食い違いがあると、保育園・幼稚園選びで衝突してしまう可能性があります。
幼児教育は今後の子どもの成長や発育に大きな影響をもたらします。そのため、入園前に夫婦間で子育ての方針を明確にし、認識の違いが生じていないかどうかしっかり確認しておきましょう。
3. モンテッソーリ教育の理解を深める
週休や長期休暇に子どもと過ごす際、戸惑ったり悩んだりしないよう、家庭でもモンテッソーリ教育についての理解を深めておくことが大切です。
最低でも、モンテッソーリ教育の目的やねらい、基本的な考え方を押さえておくと、家庭でどのように過ごせばいいか、こういうシーンではどんな対応を取ればいいのか、適切な判断を下せるようになります。
モンテッソーリ教育で後悔しないために、正しい知識の獲得と対策を忘れずに!
モンテッソーリ教育は世界的に支持される伝統的な幼児教育のひとつですが、一般的な保育園・幼稚園で採用されている教育とは大きな違いがあります。
同じモンテッソーリ教育を採用している保育園・幼稚園でも、教育方針や理念に差があるケースも多いので、下調べをせずに入園を決めると後悔することになりかねません。
まずはモンテッソーリ教育について基本的な知識を手に入れてから、家庭の教育方針や子どもの性格に合っているかどうかを検討し、慎重に入園先を決めましょう。
まとめ
モンテッソーリ教育に興味があって高い教育と質を求める方はぜひ個別指導塾マナビバへご相談ください。
個別指導塾マナビバは進学先の高校を見てもわかる通り、偏差値の高い高校へ進学する生徒もいます。
偏差値の高い高校への進学はもちろん、定期試験でも相応の対策が必要となります。
勉強は、一度つまずくと立て直しが難しいと言われていますので、「授業についていけない」「定期試験が不安」、「さらに高みを目指し難関公立高校・難関私立高校への受験」を検討しているなどのお悩みがあるのなら、なるべく早めに対策を講じましょう。
個別指導塾マナビバでは、平日なら毎日通い放題×プロ講師の授業×小中高一貫で指導させていただいており、大学受験まで見据えた指導体制を構築しております。
受験はぜひ、私たちにお任せください。