理系を選んだ皆さんはこれから理系の職業を考えている人が多いと思います。
自分の学びたい分野を決めている人もいると思います。
しかし、実際職業を決める上で楽しい職業や、やりがいのある職業がどんなものがあるのか把握している人は少ないと思います。
今回は理系の仕事で楽しいと思える職業ややりがいのある職業をマナビバが解説したいと思います。
理系の仕事の魅力
理系の仕事にはどのような仕事の楽しさや魅力があるのでしょうか。
自分の専門分野が活かせる
理系学生は大学などで1つの分野に特化して勉強、研究してきている人が多いです。
そのため、学んできた専門分野の知識や技術を仕事で活かしやすくなります。
加えて、これまでに専門分野での実績があれば企業の面接でアピールすることができます。
なぜなら企業側も、専門的な知識や技術をもって即戦力になり得るような人材を求めているからです。
例えば、理系学生の就職先での多い業界は、IT業界、電力・ガス・エネルギー業界、建築業界などがあります。
これらの業界は、専門分野が活かしやすく、理系出身者に多く見られます。
また、1つの専門分野を学んできたということは、問題に対する論理的思考力や課題解決力、分析力などを養ってきている人が多いです。
そのため、これらのスキルが求められる金融やコンサルティング業界も、理系の就職先としてみられるのが特徴です。
社会に出てからも、学生時代に学んできたことが活用できるのは、仕事上大きなアドバンテージになりますし、モチベーションアップにも繋がります。
社会の役に立てる仕事
社会や人の役に立ちたい、貢献したい、というのは仕事の上で大きなやりがいになります。
例えば、医療・福祉・介護関係の仕事は、人の生命に関わるので直接的に人を助ける仕事です。
人の成長や命に関わるため、やりがいが大きい仕事と言えます。
コンサルタントや研究職、営業職などは、経営戦略や製品の研究開発に携わったり、企業の業績を向上させ、いずれ世の中や人のためになる職業と言えます。
こういった職業が多いのも理系の職業にやりがいが多い一つといえます。
将来性のある仕事が多い
時代に合わないビジネスモデルを続ける企業などは、働く人の収入面ややりがいに不満が出やすいといえます。
理系の職業は今需要がある仕事が増えてきて、データサイエンティストなど将来性のある仕事や業界が増えています。このような職業で働くと、最先端の技術に触れられる可能性も高く、知的好奇心を満たせます。また、将来性が見込めるということはその企業で長期間安定して稼ぎ続けられる可能性が高いため、やりがいだけでなく収入面でも安心だと言えます。
理系の学部別やりがいのある仕事一覧
次に理系の大学の学部毎にどんな職業があるか見てみましょう。
理学部の仕事の一覧
- ITエンジニア
- 保険・金融の専門職、アクチュアリー
- 光学設計
- データサイエンティスト
- 製薬・食品系・化学系メーカーの研究開発職
理学部では、IT系やデータ分析・数値に関わる仕事が多くあります。
理学部のなかでも学科によって就職先の種類は変わりますが、情報系学科ならIT系が人気です。
情報系の中でも「データサイエンティスト」は、ビッグデータを活用し、自社内の大量のデータを分析し、経営や事業の意思決定を行うサポートをします。企業の業務システムやWEBサイトに蓄積された膨大なデータを分析することで、そこから事業等を成長させるための仮説を立て、ビジネスに活かすのです。
アクチュアリーは「保険数理士」とも呼ばれ、統計学などの数理的知識や経験を用いて、生命保険や損害保険などの金融商品を設計をします。
いずれも数学的な知識や論理的思考力を生かせる仕事です。
工学部の仕事の一覧
- 機械設計
- 品質管理
- 航空整備士
- 電子回路技術者
- サービスエンジニア
工学部の専門分野は、機械工学、電子工学、情報通信学といった分野があります。そのため、これらの専門分野を学んだ理系学生は、電気設備や機械に関わる仕事が多い傾向です。
工学部系は製造業からIT業界に位置する半導体製造業、通信、また電気やガスのインフラ整備など種類が非常に多いです。例えば、エレクトロニクスや自動車メーカーなど、日本を代表する製造業へ就職する人が多いです。
機械工学系は、製造された製品が出荷できるかを管理する「品質管理」を行ったり、製造工程の中で発生した不良品をチェックし、弾くのではなく、製造工程のマネジメントを行ったりします。マネジメントする中で製造の標準化を行い、製造だけでなく、原材料の調達からお客様へのアフターサービスまで、製品を生産してお客様への流通するサポートを行います。
農学部の仕事の一覧
- 品質管理
- ファーム
- 飼育員
- JA
農学部系の理系就活生にとっての就職先は農家だけでなく、食品業界があります。そして食品業界でも、様々な分野・企業が存在します。例えば飲料・製粉・食品などがあります。
食品業界には3つの要素があり、「品質管理職」「研究職」「製造技術職」があります。
「品質管理職」は工場で生産された商品をあらゆる食品管理の方法を用いて、品質の問題をチェックする仕事です。また特に食品は、顧客の健康にも関わる商材であり、品質に問題があった際に企業に与える損害は非常に大きいです。
「研究職」は自社ブランドを顧客に選んでもらう上で欠かせない仕事です。食品業界の新製品開発や、品質を守る非常に重要度の高い仕事です。食品業界の研究職は、新商品の開発に必要な技術や発見を行う研究と、商品の品質や味、風味などを作り上げる製品開発業務の2つがあります。
「製造技術職」は「商品を作るに当たって必要な技術」ではなく「工場の製造ライン」を担う仕事です。内容は、製造ラインにある機械のメンテナンスから、現場作業員のマネジメント、品質管理のチェックを行う仕事です。
建築学部の仕事の一覧
- 設計士
- インテリアデザイナー
- 建築施工管理技士
- 土木設計技術者
- 土木施工管理
- 測量士
建築学部の主なの就職は、建築・土木系の仕事が占めています。
学部での専門性を活かした仕事がしやすく、設計から建設施工管理まで、建築に関わる仕事が人気です。
例えば、建物の外観や間取りをデザインするのが設計士です。設計図を描くだけでなく行政手続きなどを行うのも設計士の仕事です。「一級建築士」や「二級建築士」の資格がないといけませんが、軒高9m以上の住居やビルなど大きな建物を建造する時は「一級建築士」の資格がないと設計できません。
また、建物の外観のデザインではなく、建物の土台や骨組みを設計するのを「構造設計」と言います。これは安全性を満たすための設計で、地震の多い日本ではとても重要な役割を担っています。2008年には「構造設計一級建築士」という資格もできました。
この他にも、「建設施工管理技士」という職業があります。建築工事の工程を総合的にまとめ上げ、調整するのが仕事です。「一級建築施工管理技士」か「二級建築施工管理技士」という国家資格が必要で、一級建築施工管理技士にもなると特定建設業と呼ばれる大規模な建設現場を担当することができます。
医学部・薬学部の仕事の一覧
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 看護師
医学部・薬学部は、あらゆる面から医学・薬学系に関わる仕事に就職しています。
医学部で6年、自分が目指す診療科の専門研修3~5年を経て、自分の専門医資格取得を目指します。
医学部を卒業後は、ほとんどの卒業生が医師国家試験合格後に「研修医」として大学病院や総合病院で医師として診療にあたります。
その後は病院勤めを続ける「勤務医」もいれば、親や親戚の病院を継いだり、ある程度医師としての経験を積んでから自分の病院を開業する「開業医」もいます。
この他にも、国内外の大学や研究機関で医学の研究者になる、公務員になって医療行政に携わる、製薬会社などの一般の企業に就職するという選択肢もあります。
さらに、従業員の健康を管理する「産業医」として民間企業に就職するなど医学部で学んだ知識を活かせるような場所で働くこともできます。
まとめ
大学の理系の学科で学んだ知識は、社会に出てから役に立つシーンが多いです。
大学講義で学ぶ専門知識はもちろん、卒業研究で培うデータ分析力や論理的思考力、語学力など、自分では特に意識していなくても、活かせられる職業はたくさんあります。
このような職業は自分が学んできた専門分野を活かせるので、全く知らないことを業務を担当するよりも仕事内容が楽しいですし、やりがいがある仕事も多いです。
あなたも自分の興味のある職業が見当たらなければ、今回見ていただいた職業を元に就きたい職業が見つかることを期待しています!