理系は文系より仕事で高収入な人が多いと思う人は、少なからずいると思います。
高収入な職種が今どのようなものがあるか。また、どうして高収入になる傾向が多いのか考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。
これを読めば今理系が高収入な傾向にある理由が分かります。
今回は理系の高収入な職業一覧と理系が高収入になる傾向の解説を紹介していきます。
理系の高収入な職業一覧
まずは主な理系の高収入な職業を5個見てみましょう。
医師
医師の平均年収は約1,400万円と言われています。
医師は、病院の「勤務医」と「開業医」で収入にも影響があるようです。
勤務医の場合、病院内の昇進などで院長や副院長などに昇格することで、収入も増えていきます。勤めている年数や経験によって昇給してくことが多くなります。
開業医の場合、専門分野によって異なりますが、平均年収は約2750万円と大きく勤務医と異なると言われています。開業することで経営者となるため、自分の給料を自由に設定することができます。集客を増やすことで、利益が多く残り年収があがります。
反対に、経営が上手くいかない、集客が伸び悩んでいる等があると借金返済などに追われるリスクも抱えています。
アクチュアリー
アクチュアリーの平均年収は平均年収は約1200万円と言われています。外資系なら最大でも約2000万円にもなります。
アクチュアリーは「保険数理士」とも呼ばれ、保険にかかる保険料を計算する専門家です。統計学や確率論の知識を駆使して、生命保険会社や損害保険会社、金融機関などで働きます。生命保険・損害保険会社、企業年金といった制度の運営を、数理的な側面から支援していきます。リスクや損害賠償額を考慮しながら保険金の掛け金を決めます。
アクチュアリーになるには日本アクチュアリー会が主催する試験に合格する必要があります。
第1次試験に1科目でも合格すると「研究会員」、全科目合格すると「準会員」としてアクチュアリー会に入会できます。準会員でプロフェッショナリズム研修（初期教育）の受講をすることで、「正会員」の資格を取得することができます。
「正会員」の平均年収は1,200万円ですが、「準会員」では平均約1,000万円となります。また「研究会員」の年収は平均約800万円と会員の違いで平均年収が変わっていきます。
データサイエンティスト
データサイエンティストの平均年収は約660万円と言われています。
データサイエンティストは大学や大学院で学ぶ「統計学」や「データ分析」を活かして、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータを分析し解析することがおもな業務です。ビッグデータを扱うことに関する専門知識やスキル、さらにプログラミング技術などの幅広い能力を持ったデータサイエンティストはIT業界からの需要が高く、給料も高くなっています。
注目されているのは日本だけでなく、アメリカでデータサイエンティストは最もニーズが高い職業だと言われています。アメリカで3年連続、ベスト・ジョブに選ばれています。ベスト・ジョブとは、平均給与だけでなく、雇用満足度など様々な点から評価し、職業をランク付けしたものです。
ITアーキテクト
ITアーキテクトの平均年収は約740万円と言われています。
ITアーキテクトは、企業の目的に合う最適なWebシステムの設計図を作り、商品やサービスの開発を先導していく仕事です。ITの分野が細分化されている中、ITアーキテクトは開発業務システムの上流設計を行うSEやITコンサルタントを担当する業種もあれば、ITシステムで使用するフレームワークの選定や基盤となるシステムを設計するハイレベルのプログラマーを言う場合もあります。
しかし、システム全体のアーキテクチャを考え、実装方法や設計方針を現場のエンジニアに指示していく立場であるのは変わりありません。
ITアーキテクトはプロジェクトの中心としての重要な役割を担う職種であり、能力的にも高い必要があります。ですので、責任がある上級ITアーキテクトと呼ばれる職種になると、年収が1000万円超えというのも夢ではありません。ただ、全体の年収の幅が424万円から1,199万円と広いことから、その人のスキルレベルなどによって年収に大きく差が出ます。しかし、ITアーキテクトという職種が一般の職種と比べ高収入であることは間違いないといえるでしょう。
アナリスト
アナリストの平均年収は約720万円と言われています。
アナリストの仕事は、企業の財務や業績の分析、企業の将来性の予測、業界の動向調査・分析を行い、投資に必要な情報を収集します。 アナリストは単に企業の財務等の決算情報を分析するだけでなく、証券アナリストと呼ばれる資格を持つものもあれば、企業やグループのトップへインタビューしながら企業の将来性を予測したうえで、情報を整理し、評価する能力も必要とされています。
証券アナリスト資格所有者の平均年収は約800万円であり、資格を持っていれば早い時点で高収入を期待することができるでしょう。金融の専門職なので、金融に関する専門分野の知識が必要ですし、高い技術が求められる仕事です。また責任感も必要な仕事でもあるため、ハードワークであることも多いです。
銀行や証券会社などで働くほか、経験を積んだのちにアナリストとして独立する人もいます。ただし、新卒でいきなりアナリストの仕事に就ける可能性はとても低く、金融系企業などで仕事や実務経験をたくさん積んで、かつ適性のある人が選ばれるケースが比較的多いことに注意しておきましょう。
なぜ理系の仕事は高収入が多いのか？
理系の職業をいくつか見てきましたが、なぜ高収入な職業が多いのでしょうか。
専門性が高い技術を使う職業が多い
理系の職業は、専門性の高い知識や技術を必要とする仕事に就いていることが多く「手に職」を持っているとされるため、給料が高めに支払われていることが一つとして考えられます。
中でも数学や理科の化学、生物などを使う、「医師」や「データサイエンティスト」などはハイレベルな知識が必要で理系出身者でなければ就職は難しいでしょう。
食品やIT、薬や医療、建物など私達の生活と密接に関わるものが多かったり、あらかじめ一定の専門分野を学んでいて、業務の必要なレベルの知識が豊富である学生を採用したいと考えている企業が多いことが考えられます。自分の関心のある理系の仕事の給料について、調べてみることをおすすめします。
大手の職業の多くはメーカーである
日本では、大手企業の多くが産業を担うメーカーです。
2022年の株価の時価総額を見ると、第1位のトヨタに続き、第2位がNTT、第3位がソニーグループ、第4位がキーエンス、第5位がKDDIと、上位五社の中で三つのメーカー系企業、二つの通信系企業がランクインしています。6位以下にも、ソフトバンクグループや第一三共、任天堂、ダイキンなど、日本を代表する大手企業や製薬会社、通信会社が並んでいます。
こうした企業が力を入れているのが開発力です。同業他社と差をつけて、自分たちが生き残っていくためには技術開発力が必要不可欠です。そのため、専門知識を持ち、技術職に就くことの多い理系出身者は待遇が良い場合が多いのです。
さらに、開発力を重視する企業は、採用を削減する際にも技術職の人材確保を優先し、営業職など他部門の枠を縮小する傾向にあります。このことから、理系は職種によりますが、就職に有利な場面が多いと言えるでしょう。
データや数値分析など今の時代に必要な職業が多い
「データや数値を解析できる技術を持っていること」は理系学生の職業選択の1つの基準と言えます。アクチュアリーは研究のなかで実験を重ねてビッグデータや数値を分析することが多いため、数値解析やデータ分析が得意な人は多いです。また、理系出身の大学でもデータを解析するための手法を学んでいる学生も多くなり、即戦力となる学生も多くなってきています。
AIやIoT化が進化する社会にとって、数値解析やデータ分析能力は今後ますます重要になります。授業を通して養われてきた「データ・数値解析をする力」を職業選びの基準としておくことで、社会人になってからも活躍フィールドはこれからさらに広がることでしょう。
まとめ
今回は理系の高収入な職業一覧と理系が高収入になる傾向の解説を見てきました。
理系の場合、文系と比較しても給与水準が高い仕事が多い傾向にあります。大手企業や専門性の高い知識やスキルを持ち合わせていて、それを使いこなせる職業が給料が高いといえるでしょう。
また、今の時代に必要な「データや数値を解析できる技術があること」など需要が高まっている職業も増えています。
今回のを参考に自分の関心のある理系の仕事の給料について、調べてみることをおすすめします。
