2次方程式は、中学数学の計算の中では難しい分野ですよね。
なぜ難しいかというと、「解き方が多すぎるから」
今回は初めて問題を見たときに、どの式を順番に使っていけばいいかをお話しします!
0:2次方程式の種類
2次方程式には5つパターンがあります。
①ax²-b=0
②(x+m)²=n
③x²+px+q=0
④解の公式
⑤因数分解
ですが、解法は以下の3つで十分です。
①因数分解
②移項して平方根を求める
③解の公式
これを今から順番に説明・・・するのではなく、
どの順番で使えばいいかを書いていきます。
2次方程式を解くためには、
()²=n
この形にします。
今回は、お話しするにあたって2次方程式を3ブロックに分けます。
まず前提条件があります。
●x²や²などの項が複数ある時や、右辺に数字があるときは
移項をしてx²+px+q=0の形を作ってあげる!
では、図を見ていただきましょう!
1:2次方程式の解き方
皆さんにはYes/Noで答えてもらうだけで解法がわかります!
①Xブロックと数字ブロックが両方ある
2次方程式にはXブロックがないax²-b=0の形と、
数字ブロックがないx²+px=0の形が存在します。
この形で解の公式を使うのは非常に時間がもったいないということで他の解き方でやるべきなのです。
図の番号順で説明するので、ない場合については後ほど。
②因数分解ができる
①のようにXブロックと数字ブロックが両方ある形は、x²+px+q=0です。
この形の時、例えば、x²+4x+4=0のように(x+2)²と右辺が因数分解できることがあります。
上の例だと、の時に、となるため、2次方程式の解が求められます。
ちなみにこの因数分解ができない場合には、解の公式を使うことになります。
<例題1>x²+5x+4=0を解く
左辺を因数分解して、
(x+1)(x+4)=0になります。
すると解は、(x+1)=0,(x+4)=0の解2つになりますから、
x=-1,-4が解になります。
<答え1>x=-1,-4
ちなみに、因数分解ができない場合は、解の公式を使います。
これは残念ながら丸暗記です。
この公式で注意したいのは、
x²-5x-8=0のように係数がマイナスのときです。
この場合、bの部分には(-5)、cの部分には(-8)を代入しなければなりません。
※理由
公式はax²+bx+c=0のようにすべてが+であることが条件なので、
係数がマイナスの時は+(-b)というように考える必要があるのです。
この部分で計算ミスが多いので注意しておきましょう!
<例題2>2x²-6x-3=0を解く
このとき、解の公式にあてはめるとa=2 b=-6 c=-3になりますね。
x=-(-6)±√(-6)²-4×2×(-3)/2×2
x=6±√36-4×2×(-3)/2×2
x=6±√36+24/4
x=6±√60/4
になりますね。
ちなみに√60を変形しましょう。
60を素因数分解すると、2²×3×5になります。
2は2乗の形なので、ルートが外れますね。
よって、2√15ですから、
x=6±2√15/4
しかも、全ての項が2で約分できますから、
3±√15/2
これが解になるのです。
※約分の解説 x=6/4±2√15/4
x=3/2±√15/2
よって、x=3±√15/2ですね!
<答え2>x=3±√15/2
③Xブロックがない+因数分解ができる
ax²-b=0の形の時は、左辺を因数分解できるかどうかを考えます。
例えば、x²-49=0は、②と同じように因数分解ができますね。
(x+7)(x-7)=0となりますから、x=±7が解となります。
<例題3>x²-36=0を解く
左辺を因数分解して、(x+6)(x-6)=0になります。
すると解は、(x+6)=0,(x-6)=0の解2つになりますから、
x=±6が解になります。
<答え3>x=±6
④数字ブロックがない
数字ブロックがx²+px=0ないの形の時は因数分解ができます。
x(x+p)=0の形にする「共通因数をくくる」やり方を使います。
この場合は、x=0,x=-pが解ですね。
<例題4>x²+3x=0を解く
左辺を因数分解するのですが、今回は共通因数をくくります。
x(x+3)=0のようにxでくくってあげます。
この場合、x=0,x+3=0の解2つになりますから、
x=0,-3が解になります。
<答え4>x=0,-3
④Xブロックがない+因数分解ができない
ax²-b=0の形で因数分解ができないとき、例えばx²-20=0は、
左辺が残念ながら因数分解ができません。
そういう時は、x²=20の形にして、平方根を求めることになります。
今回の場合は、x=±2√5が解となりますね。
<例題5>x²-28=0を解く
この場合、左辺は因数分解できませんね。そのため、平方根を求めていきます。
平方根の時は、x²を左辺においておき、右辺には-28を移項させた28をおきます。
そのためx²=28になります。
では平方根を求めていきましょう。28を素因数分解すると、2²×7になりますね。
ということで、2は√が外れるので、2√7です。
ただし、-2√7も2乗すれば28になりますから、
x=±2√7が解になります。
<答え5>x=±2√7
2:平方完成
x²+px=0の形のとき、平方完成という方法もあります。先ほど挙げた図のようにすれば解けますが、テストでは、「平方完成をつかって」という条件があるかもしれませんね。
x²+4x=0この問題を解きます。
平方完成というのは、両辺に同じ数を足して、左辺を無理やり2乗にしようというものです。
x²+4xに何を足せば2乗の形になりますか?
答えは4!
x²+4x+4=0にすれば、(x+2)²となりますね。
ただ先ほども言ったように、両辺に同じ数を足さないとイコールになりませんから、左辺に4を足すなら、右辺にも4を足します。
(x+2)²=4という形になります。
すると、先ほどの解き方の図で考えれば、
①Xブロックと数字ブロックが両方ある⇒NOになりますね。
今回はXブロックが存在しません!
③④因数分解ができる⇒NOですね。
どうやって因数分解するんだって話になりますから、
今回はこのまま平方根で求めましょう!
(x+2)²=4
(x+2)=±√4
(x+2)=±2
よって、(x+2)=,(x+2)=-2
ですから、解はx=0,-4ですね。
ただし、この問題x²+4x=0は、
①Xブロックと数字ブロックがある⇒NO
③④ブロックがない+因数分解ができる⇒YESになるので、因数分解で解けますね。
x(x+4)=0
になりますから、
x=0,-4が解になります。
平方完成と同じ答えになりましたよね?
なのでどのタイミングでどの解法を使うかがとても大切なのです!
ということで、ここまで2次方程式の解き方を扱ってきました。
ただ2次方程式を解くだけであれば、解法の図を用いて考えれば良いです。
ですが、「因数分解で解きなさい」「平方完成で解きなさい」などには十分注意してくださいね!