中学3年生の数学では、「標本調査」という単元を学習します。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
全数調査と標本調査の違いとは?
標本調査の言葉をまずは理解しましょう。
集団について調査を行う場合、「全数調査」「標本調査」という2つの方法があります。
それぞれの調査方法について紹介するので、どのような違いがあるのかを頭に入れておきましょう。
全数調査とは
全数調査とは、集団の全てについて行う調査方法です。
選挙結果、国勢調査、健康診断など集団全員に調査しているものは、全数調査です。
全数調査には、標本調査と比べてメリットがあります。
まず、全数調査ではグループ内のすべてのものや人を調査するので、データはすべて真実ということ、そして、情報量が多いという点にあります。
一方の全数調査のデメリットは、調査にかかる時間、お金というものがとてもかかるということです。
これだけのメリットがあるので、全て全数調査をするべきと考えるかもしれませんが、このデメリットがかなりネックになります。
標本調査とは
標本調査とは、集団の中から一部を取り出して調査し、集団全体の傾向を推測する調査方法です。
たとえば、 グループの中に5人いたとしてその中から無作為に2人をピックアップしてデータを調べて、グループ1の性質を推測するって方法が、標本調査なんだ。
標本調査は、選挙出口調査、テレビ視聴率、世論調査などで行われています。
標本調査のメリットは、早くて安いという点です。
全数調査と違って、全部のデータを調べなくていいから、手間がかからないので、グループの大きさがでかいときは特に重宝します。
一方で、標本調査のデメリットは、調査結果があくまでも推測でしかないという点です。
同じグループについて標本調査と全数調査をした場合、結果が必ずしも一致せず、異なってしまうでしょう。つまり、集団に対して、完全にぴったり一致してるデータは得られないので注意しましょう。
良く言えば、全部を調べる労力を省く悪く言えば、楽して調べることができるという調査方法です。
標本調査と全数調査それぞれ向いている基準とは?
標本調査と全数調査ですが、主に以下の基準で使い分けされます。
絶対的に正確でないといけないものは、全数調査
ある程度正確ならいいというものは、標本調査
しかし、現実的には母種団が多すぎる、コストが高くつく、全数調査は現実的に不可能、という問題があるから標本調査にするというような基準もあるでしょう。
統計の問題では、一般的にどちらの調査をするべきかを考えれば大丈夫です。
標本調査における無作為抽出とは?
母集団から完全に無作為に調査対象を取り出すのは、非常に手間と時間がかかる場合があり、そこで、母集団の特徴を反映させつつ、手間を軽減させるのが無作為抽出です。
無作為というのは、「わざとでない、意図的でない、人為的でない」という意味で、「無作為に抽出した」というのは母集団と標本は「相似である」と行っているのと同じです。
母集団と相似ということは、母集団対象/母集団全体=標本対象/標本全体と同じになります。
「無作為に抽出」と明言されていなくても「よく混ぜて」「乱数」 「ランダム」などの言葉が出てきたら同様の意味と捉えて、母集団と相似であるという認識で大丈夫です。
乱数表の使い方
標本をランダムに抽出する方法の内の1つの方法が乱数表です。
乱数表とは、数字をランダムに縦横に並べた表のことで、乱数表に縦、斜め、横、どの方向をみてもランダムに数字が記載されています。
乱数表の使い方はとっても簡単です。
まず、乱数をとりはじめる「行と列」を選びましょう。〇行の〇列目というように適当に選んで大丈夫です。
これで1つ目の乱数を選択できたら、その数字を始まりとして、好きな方向に必要なだけ数字をとっていきましょう。
これで必要な乱数が揃ったということになります。