植物の分類で、花を咲かせ、種子でなかまをふやすものをを種子植物といい、「被子植物」と「裸子植物」に分類されます。
「植物の世界-花のつくり」の単元では、この被子植物と裸子植物それぞれの花の作りについて理解して覚えなければいけません。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
被子植物のつくり
被子植物の花のつくりを見ていきましょう。
サクラ、タンポポ、アジサイ、アブラナ、エンドウなどの被子植物は内側から めしべ、おしべ、花弁、がくがあります。
めしべは柱頭、花柱、子房からなり、子房の中には胚珠があります。
胚珠は将来種子になります。
おしべはやくとそれを支える花糸からなり、やくの内部では花粉が作られます。それぞれの場所と役割をしっかり覚えておきましょう。
- 花弁・・・はなびら
- 柱頭・・・めしべの先端部分。ここに花粉がつくことを受粉という。
- 子房・・・めしべの根本のふくらんだ部分。このなかに胚珠がある。
- 胚珠・・・子房の中にある、受粉の後、種子になる。
- やく・・・おしべの先端部分。中に花粉の入った袋。
被子植物の花は花弁が1枚1枚離れている離弁花と花弁のくっついている合弁花があるので、それぞれ該当する植物はいくつか覚えておきましょう。
離弁花・・・アブラナ、サクラ、エンドウなど
合弁花・・・タンポポ、ツツジ、アサガオなど
被子植物の受粉と受精はおしべとめしべによって行われます。
おしべの先端のやくから出た花粉がめしべの柱頭につくことを受粉といい、受粉後、花粉から花粉管が胚珠に向かってのび、胚珠で受精がおこなわれます。。
受精の後、子房は成長して果実になり、胚珠は種子になります。
ヘチマの花のつくりで具体的に見てみよう
ヘチマの花には、雌花と雄花の2種類があり、雄花には、花粉を作って拡散する機能が備わっており、おしべが5本についています。
ここで花粉をつくって、動物や昆虫、もしくは風とかに運んでもらいます。
一方、「雌花」には、花粉を受粉するために必要な機能が付いており、受粉を行なう「柱頭」や、受粉後に果実になる「子房」があります。
ヘチマの花を分解してみると、雄花には、
花弁:5枚
がく:5枚
おしべ:5本
雌花には、
花弁:5枚
がく:5枚
めしべ:1本
がついています。
ヘチマはウリ科の植物だから、花弁は5枚です。同じウリ科のスイカやキュウリの花も花弁の数は5枚あり、
ヘチマの花は被子植物なので、「胚珠」は子房の中にあって、外から見えませんヘチマの花の子房は受粉して果実になると、ヘチマの実になります。
アサガオの花の作りで具体的に見てみよう
アサガオの花弁は、1枚につながっていいるので、このように花弁が一枚につながっている植物は「合弁花類」と呼ばれます。
アサガオの花弁は1枚につながってるんだけど、実はその1枚の中には「5枚の花弁」が含まれています。
アサガオを分解して見ると、
花弁:5枚
おしべ:5本
めしべ:1本
がく:5枚
ついています。
そして、アサガオの花では、子孫繁栄に必要な、おしべとめしべの2つが1つの花の中に一緒に含まれています。先述したヘチマの花とは違った花のつくりをしているので抑えておきましょう。
また、アサガオは被子植物なので、「胚珠」が子房に隠れて外からは見えなくなっています。
裸子植物のつくり
裸子植物の花には花弁やがくがないが、胚珠や花粉のうがあり受粉によって種子を作られます。
裸子植物の花には子房がなく胚珠がむき出しになっているのが特徴です。
裸子植物の花は1つの花におしべとめしべがあるのではなく、雄花、雌花にわかれていて、雌花には子房がなく胚珠がむき出しになっています。
雄花には花粉のうがあり、その中に花粉があります。
マツの花の作りで具体的に見てみよう
マツの花には、雄花と雌花の2種類あります。
雄花と雌花はだいたい同じようなつくりをしていますが、りん片に違いがあります。
雄花のりん片には、「花粉のう」と呼ばれる、花粉を収納していいる入れ物がついているのに対して、雌花には花粉が入っておらず、その代わりに将来種子になる「胚珠」がついています。
マツは裸子植物なので、雌花のりん片を拡大してみると、胚珠がむき出しになっています。
マツの花には、花弁がくがないため、花粉を運んでくれる動物がおらず、風によって運ばれることになります。
風でしか花粉を移動させられないからこそ、マツの花の花粉は風で拡散しやすいようになっています。
番外編:イヌワラビの特徴
中1理科の植物の世界のテスト頻出の「イヌワラビ」の特徴も紹介しておきます。
イヌワラビはシダ植物で、種子で増えない代わりに胞子で増える胞子植物の一種です。
コケ植物との違いは、葉っぱ、茎、根、維管束、の4つがシダ植物にはあって、コケ植物にはないです。
イヌワラビの胞子は、胞子のうっていうところで作られ、ここにたくさんの胞子が詰まっています。
胞子のうは葉っぱの裏側にあり、数え切れないぐらいたくさんの胞子のうがついており、この胞子のうが破れると、中に入ってる胞子が外に飛び出る仕組みになっています。
飛び出た胞子が地面に落ちるとやがて発芽していきます。そして胞子が発芽して成長すると、ハート型をしている前葉体に変化し、この前葉体では主に、子孫を残すために卵と精子が作られて受精が行われます。
無事に受精が終わると、この前葉体から新しい葉っぱが出てきます。
よく出題されるので覚えて欲しいのが、イヌワラビが育つ場所です。それは「日陰で湿った場所」です。
それは、前葉体の受精では、前葉体でできた精子が卵まで泳ぐ必要があり、泳ぐために水分が必要ということで、イヌワラビは水分が豊富な場所を好むということです。