音の伝わり方を解説
音さや弦、楽器や鐘のように、音を発しているものを「音源」といい、別名で「発音体」とも呼ばれます。音源がどうやって音を出しているかというと、音源が振動することで音を出しています。 では、音源の振動がどのように伝わり、音が聞こえるのかを考えてみましょう。 音源の周りには空気や水、あるいは固体などの物質があります。音源の振動が、これらの物質を次々に振動させることで音が伝わるのです。音を伝えるものとは?
空気中で音が伝わることは実感できるので、気体中で音が伝わることはわかりますが、液体や固体中でも音は伝わります。- 気体…空気など
- 液体…水など
- 固体…金属や木など
真空中の場合は?
真空中の場合では、音は伝わりません。真空とは空気がない状態のことで、振動するものがないため、音が伝わらないということです。 密閉した容器に音源を入れて。真空ポンプで空気を抜いていくと、だんだんと音が小さくなっていき、最終的に音がしなくなります。 これは、音源の周りに振動するものがなくなってしまうからです。音の伝わり方「音の波」
空気中や水中を音はどのように伝わっていくかは、「音の波」となって伝わっていきます。 音源の振動によって、その周りの空気が押し縮められて濃くなったり、引かれてうすくなったりします。 これが次々と伝わり音の波となって空気中を伝わっていくのです。音の大きさや高さは何が違う?
音の性質がわかったところで、次は音それぞれによってどんな違いがあるのかをみていきましょう。 大きい音や小さい音、高い音や低い音にはどのような違いがあるのでしょうか?まずは大事な用語の意味から解説していきます。振幅
音源の振動の幅を表したものが「振幅」です。 振幅の大小によって音の大きさが変わり、以下のようになります。- 振幅が大きければ大きいほど大きい音
- 振幅が小さければ小さいほど小さな音
振動数
音源が1秒間に振動する回数を振動数といい、単位は[Hz](ヘルツ)とで表されます。 この振動数の数によって音の高い、低いが決まります。- 振動数が多ければ多いほど高い音
- 振動数が少なければ少ないほど低い音
音の伝わる速さ
空気中を音が伝わる速さは、「約340m/s」です。 空気の温度によって少し変化しますが、ひとまずこの数値を覚えておきましょう。光の伝わる速さ
音とは関係ないですが、よくこの単元で問題となるのが光の速さです。音の速さと一緒に光が空気中を伝わる速さも覚えておきましょう。 光が空気中を伝わる速さは、30万km/sと非常に速く、音の速さと比較するととてつもなく差があることがわかりますね。 つまり、よく出題される問題である、雷が鳴ってから何秒後に音が聞こえるというのは、光は瞬時に届き、音の速さの方が遅いので雷の音が遅れて聞こえるというのを利用した問題となっています。雷までの距離の計算問題の解き方を解説
さて、この単元でよく出題されるのが雷までの距離を求める問題です。 この問題を解く上で、雷は「光」と「音」っていう2つからできていると考えましょう。 先述したように光の速さは瞬時に届くのに対して、音は、光に比べると遅く、「毎秒340m」の速さです。- 雷の光は、一瞬で届くため、時間を計算する必要はありません。
- 一方の雷の音はしっかり「毎秒340m」で進むため、雷の光よりも遅れて聞こえます。
(音の速さ)x(光ってから音がなるまでの時間)=(雷までの距離)
つまり、音が移動した距離だけ観測者と雷の位置から離れているということがわかります。これは雷以外でも花火などでも同様に光は計算に入れずに音速のみで計算して求めることができます。例題:Aさんは雷が光ってから4秒後に雷の音が聞こえました。Aさんの雷までの距離を求めなさい音速は毎秒340mとします。 340(音の速さ) x 4(聞こえるまでの時間) = 1360 m(雷までの距離)