中学1年生の理科では、「身のまわりの現象-力」という単元を学習します。
この単元では、高校に進んでからも勉強する物理でも基本となるものなので、ここで苦手意識を持たずにしっかりと定着させましょう。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
力のはたらき
中学の理科で学習する力の働きは以下の3つです。
- 物体を変形させる
- 物体を支える
- 物体の動き(速さや向き)を変える
力は目に見えないので、物体が変形したり、支えられたり、動きを変えたりしていればその物体に力が働いている状態と言えます。
力の種類
この力を中学理科では以下の6つを学習します。
- 弾性力
- 重力
- 抗力
- 摩擦力
- 磁力
- 電気の力
それでは一つずつどんな種類の力なのかを確認しましょう。
弾性力
弾性力とは、変形した物体が元の形に戻ろうとするときに働く力のことです。
例えばゴムやバネなどは伸ばしたらもとに戻ろうと反発してくると思いますが、この力が弾性力です。
重力
地球上の物体はすべて地球から、地球の中心向きに力を受けています。
そして地球が、物体を地球の中心に向かって引く力のことが重力です。
抗力(垂直抗力)
先ほど説明したように、地球には重力がありますが、机や床の上に置いた物体は変形したり沈んだりということは起きません。それは、机や床が物体を支えているからです。
この机の上や床の上に置かれた物体を支える力が垂直抗力で、物体を面に垂直に押し返すように働きます。
摩擦力
摩擦力は物体が接している時、接触している面に働く平行な力です。
机上に置いた消しゴムを軽く押しても動かない、勢いよく滑らせてもすぐに止まってしまうのは、物体の運動を妨げる方向に摩擦力がはたらいているからです。
磁力
磁石のN極とS極は引き合い、N極どうしやS極どうしではしりぞけあいます。
この力を磁力(磁石の力)といいます。
電気の力
電気にはプラスとマイナスがあり、磁力と同じように異なる電気どうし(プラスとマイナス)では引き合い、おなじ電気どうしではしりぞけあう力が働きます。
これが電気の力です。
力の大きさはニュートン(N)という単位で表す
力の働きや力の種類の次は力を数字で表すために、ニュートン(N)という単位を使います。
ニュートンとは、100gの物体に働く重力の大きさが約1Nです。
力の大きさとばねの関係は「フックの法則」
力の単元でよく登場するバネですが、このバネの伸びは、バネを引く力のおおきさに比例します。
これを「フックの法則」といいます。この法則を用いるとバネののびから力の大きさを求めることができます。
圧力の単位はパスカル[Pa]
ある面に力がはたらいているとき、単位面積に垂直にはたらく力の大きさを圧力と言います。
そしてこの圧力はパスカル[Pa]という単位を使うのでしっかりと覚えましょう。
圧力を求める式
圧力は面積に垂直に働く力なので、面を垂直に押す力を面積で割って求めることができます。
式にすると以下の通り。
圧力(Pa)=面に垂直な力(N)/面積(㎡)
この際単位に気をつけましょう。
長さ1m=100cmだが、 面積1㎡=10000㎠ になるのでしっかりと合わせる必要があります。
大気圧
この圧力が空気の重さによって生じたものが大気圧(気圧)です。
海面上で約1013hPa=1気圧
上に乗っている空気が少なくなるので、気圧は高いところに行けば行くほど小さくなります。
水中で働く力「水圧と浮力」
最後に水中ではたらく力をみていきましょう。
水中では「水圧」と「浮力」という力が働くので、それぞれの特徴をしっかり覚えておかないと計算問題も解けないので注意です。
水圧
水中で水の重さによって生じる圧力のことを「水圧」といい、水の深さが深いほど水圧は大きくなる、つまり水圧は水深に比例します。
この水圧は、同じ深さならあらゆる向きに同じ大きさに働いているという特徴を持っています。
浮力
水中で物体に上向きの力がはたらく力が「浮力」です。
同じ物体の重さを空気中と水中ではかると浮力がかかる分、水中のほうが軽くなります。
浮力は、水圧と違って水深には関係なく変わらないという特徴を持っています。
浮力とは、水から物体上面に受ける力と下面に受ける力との差によって起きるので、以下のように表すことができます。
浮力=物体の下面にかかる上向きの力−物体の上面にかかる下向きの力
そして、水の密度より小さい物質を水に入れた場合、物体にはたらく重力より浮力のほうが大きいので浮きます。