中学2年生の理科では、「電気・磁石-電気基礎」という単元を学習します。
電気の性質と電気抵抗は、この先何度も繰り返し登場するので、復習をしっかりして完璧にしておきましょう。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
電気の性質
電気には、プラス(+)とマイナス(−)があります。
同じ種類の電気同士(+と+、−と−)はしりぞけあう力が、
異なる種類の電気どうし(+と−)には引き合う力が働きます。
静電気
物質はプラスとマイナスの電気が同数あるので、普通の状態では電気的に中性になっています。
異なる種類の物質をたがいにまさつすると、一方から他方へマイナスの電気(電子)が移動し、電子を失った方はプラスに帯電し、電子を受け取った方はマイナスに帯電します。
電気がバランスを崩しているとこの状態が静電気と言います。
静電気に電流が流れたり、放電をすると電気が元の状態に戻ろうとするので静電気ではなくなります。
放電
放電とは、電気が空間を移動したり、たまっていた電気が流れだす現象です。
雷が良い例で、雲の中で静電気が発生し、地上の電気の状態によって雲にたまたっていた電気が地上に流れてくる放電です。
また、放電は圧力の低い気体のほうが起こりやすく、圧力の低くした気体で起こる放電を真空放電といいます。
電流
電流とは、金属中の電子の流れのことです。
これではピンとこない人も多いと思いますので、この電流について詳しく見ていきましょう。
電子とは?
電流とは電子の流れとのことですが、電子とはなんでしょうか。
電子とはマイナスの電気を帯びている小さな粒子のことで、質量が非常に小さいです。
自由電子
金属では、原子の中の一部の電子が自由に動きまわっているのですが、これが自由電子です。
金属に電圧をかけると、自由に動きまわっていた電子が一斉に+の方向に動きます。
これが電流の正体という訳です。
ただし、電子はマイナスからプラスに流れるが、電流の流れる向きはプラスからマイナスという点に注意しましょう。
電気抵抗
電気抵抗とは、電流の流れにくさを表す量のことです。
単位はΩ(オーム) で、電気抵抗は物質の種類によって異なっています。
この電気抵抗は、次の式で表すことができます。
抵抗(Ω) = 電圧(V)/電流(A)
この式からもわかるように、電圧が同じの時、大きい電流が物質ほど電気抵抗は小さくなり、電流が小さい場合は分母が小さくなるから電気抵抗は大きくなります。
電気抵抗の大小を決める要因
電気抵抗は様々な要因によって大小します。
最後に、その要因を一つずつ見ていきましょう。
物質の種類
物質の種類によって電流の流れやすが異なるので、物質の種類で抵抗値は変わります。
電流の流れは、物体を構成する原子によって電子の通りやすさが変化するので、原子が詰まっている構造の物質では抵抗値が大きく、そうでない構造の物質では抵抗値が小さくなります。
物体の温度
物体の温度が高くなるほど抵抗値が大きくなります。
物質の温度が変化すると、物質中の原子の運動が大きく、速くなるので、電子が通りにくくなります。
その結果として電流が流れにくくなるという訳です。
物体の長さ
物体が長ければ長いほど、電気抵抗は大きくなります。
物体が長いと、電子が通る距離が増えるため、物質の中の原子に妨害されやすくなります。
物体が長いと抵抗値も大きくなり、短いと抵抗値は小さくなるとうことです。
物体の断面積
断面積が大きければ大きいほど抵抗値は小さくなります。
断面積が大きくなるということは、電子が通りやすくなるので、抵抗値は小さくなります。
逆に断面積が小さければ電子が通りにくいので、抵抗値が大きくなるということです。