中学1年生の社会の歴史では、「文明のおこり」という単元を学習します。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
人類の誕生
現在知られている範囲では、今から約700万年前から600万年前にアフリカに現れた猿人と言われています。すでに足で歩いていたと考えられています。
その後、250万年ほど前頃の氷河時代をはさんだ後頃より、打製石器を作りはじめ、狩りや防御をするようになり、木の実などの採取も始めました。
さらに約200万年前に原人が出現。火や言葉を使用することもできるようになりました。
現在の人類の直接の祖先は、約20万年前にアフリカに現れ、世界中に広がった新人(ホモ・サピエンス)と言われています。
フランスにあるラスコーの壁画は、人類最古の絵画と言われ、この時代の雄牛やバイソンや今はもう絶滅した動物たちで飾られた洞窟の独特の雰囲気を見ることができ、世界遺産にも認定されています。
ここまでの人類が狩りや採取を行って移動しながら生活し、打製石器を使っていた時代を「旧石器時代」と言います。
打製石器を使った旧石器時代は、約1万年前まで、猿人→原人→新人の順番は覚えておきましょう。
新石器時代
約1万年前に、土器や石をみがいて形を整えた道具(磨製石器)が使われるようになり、この時代を新石器時代といいます。
旧石器と新石器の大きな違いは、土器により食物を煮ることができるようになったことと農耕や牧畜をはじめたことです。
新石器時代以降、農耕や牧畜が発達すると、次第に人々は食料を計画的に蓄えるようになり、争いも増えるようになりました。そして、国や、支配する者(王や神官、貴族)と支配される者(農民や奴隷)との区別も生まれていきます。
やがて、神殿や宮殿などを持つ都市が生まれ、戦争や、神をまつる時に使う青銅器や鉄器が作られるようになりました。文字もこの頃発明されました。
こうした、人間が作り出した高度な文化あるいは社会を包括的に指したものを文明と言い、アフリカやアジアの大河のほとりを中心として発展していきます。
四大文明
アフリカやアジアの大河で発展した文明は四大文明と呼ばれます。
それぞれの文明がどの川(位置も)でおこり、どんなものを作り出したのかを押さえましょう。
メソポタミア文明
チグリス川・ユーフラテス川(西アジア、イラク周辺)
楔形文字と太陰暦
エジプト文明
ナイル川(アフリカ、エジプト周辺)
象形文字と太陽暦、ピラミッド
インダス文明
インダス川(南アジア、パキスタン周辺)
インダス文字とインダス式印章
中国文明
黄河(東アジア、中国北部)
甲骨文字や優れた青銅器
日本列島の誕生と文化
日本列島が誕生したのは、約1万年前と言われています。それまでは氷河時代で、日本は大陸と陸続きだった時もあるようです。
その頃、人々は岩かげや洞窟に住み、打製石器を使ってマンモス、ナウマン象やオオツノジカ、野牛などを狩猟していました。
群馬県の岩宿遺跡からは、旧石器時代の打製石器が発見されています。
縄文時代の文化
縄文時代は、魚や貝が豊富にとれ、くり、どんぐりなどの木の実や、鳥、しか、いのししなどの動物も豊かだったので、農耕や牧畜はあまり発達しなかったようです。
縄文時代で欠かせないキーワードを以下にまとめました。
- 「縄文土器」 表面に縄目の文様がつけられている
- 「土偶」 魔よけや食物の豊かさを祈るときに使われる
- 「貝塚」 海岸や水辺にみられる、当時のごみ捨て場
- 「たて穴住居」 地面をほり柱を立てて、その上に屋根をかけた住居
- 「三内丸山遺跡」 縄文時代の代表的な遺跡 (青森県)
弥生時代の始まり
弥生時代の始まりはだいたい紀元前10世紀から紀元前4世紀頃と言われています。九州北部に稲作が大陸より伝わり、鉄器や青銅器などの金属器も使われるようになりました。
この頃、赤褐色で薄手でかための弥生土器が発見された地名(東京都本郷区向ヶ丘弥生町)を取って弥生時代と呼ばれています。
人々は、むらをつくり、収穫した稲を高床倉庫に保存していたようです。
やがて、人々の間に貧富の差が生まれるようになり、銅鐸(どうたく)や銅鏡(どうきょう)・銅矛(どうほこ)・銅剣(どうけん)などの青銅器も作られたという特徴があります。
弥生時代の代表的な遺跡として「吉野ケ里遺跡」(佐賀県)と「登呂遺跡」(静岡県)の2つは覚えましょう。