中学1年生の社会の歴史では、「古代日本の文化」という単元を学習します。
歴史の中で文化が苦手という人も多いかもしれませんが、高校・大学受験の日本史でも頻出のジャンルなのでちゃんと文化も目を通しましょう。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
飛鳥文化
飛鳥文化とは、6~7世紀に飛鳥地方(奈良盆地南部)を中心として栄えた日本で最初の仏教文化のことです。
朝鮮半島からの渡来人(特に親交のあった百済など)の子孫が法隆寺建設の中心的役割を果たしました。但し、南北朝時代の中国やインド・西アジアの影響も取り入れられているようです。
これまでの古墳にかわって、寺を造る文化が目覚めたのも飛鳥時代の特徴です。
この法隆寺を建てた責任者は聖徳太子です。
白鳳・天平文化
白鳳文化が興った時代は、645年の大化の改新から710年の平城京遷都までの間と言われています。
実は、“白鳳“という年号は書物によって記録されていない場合がある様ですが、飛鳥文化と区別をつけるために、この様に名付けられたそうです。
この時代といえば、藤原京と呼ばれる古代の都の中でも最大規模の中国風都城が有名です。期間は短いものの、白鳳文化は貴族や天皇たちがいた藤原京を中心に最盛期を迎えることになります。
奈良時代の文化を天平文化と言います。奈良時代には、唐の制度や文化を取り入れようと十数回の遣唐使が派遣されたため、平城京を中心に栄えた、仏教と唐の影響を受けた貴族中心の国際的な文化という特色があります。
東大寺の正倉院宝物の中には、当時の遣唐使が持ち帰ったと考えられる聖武天皇の遺品などがおさめられています。
シルクロードを通って西域から伝わったペルシャ風の水さしや五弦琵琶など楽器も保存されています。
古代の国書(天平文化の書物)
- 『古事記』『日本書紀』…歴史書
- 『風土記』…地誌
- 『万葉集』…歌集
国風文化
平安時代の中ごろの、9~11世紀半ばに栄えたこの文化のことを国風文化といいます。
894年に遣唐使が停止され、以降、唐からもたらされた文化をもとに、日本独自の文化が生まれました。唐の文化を消化し、日本の風土や生活、日本人の感情に合った貴族が中心の文化といった特色があります。
内容は、仮名文字(平仮名・片仮名)による文学の発達します。これらは漢字をもとに、日本語の発音を表すことができるように生み出された文字です。
かな文字によって、人々の感情が書きあらわされるようになり、数々の文学作品がつくられました。
この時代の作品は頻出問題なので必ず押さえましょう。
国風文化の書物
- 古今和歌集…天皇の命令により、紀貫之たちが編集した和歌集
- 枕草子…清少納言によって書かれた随筆
- 源氏物語…紫式部によって書かれた長編物語
国風文化(続)と浄土芸術
「念仏を唱えて阿弥陀仏にすがればだれでも死後に極楽浄土に生まれ変わることができる」ことを願う浄土信仰が平安時代の後期に広まりました。
極楽浄土とは、阿弥陀如来が住んでいて苦しみや悲しみのない世界とされています。
浄土信仰は、都の貴族から次第に地方の庶民にも広まっていき、阿弥陀如来の像やそれをおさめる阿弥陀堂もつくられるようになりました。
その代表的なものが、藤原頼通が建てた宇治(京都府)の平等院鳳凰堂は代表的な阿弥陀堂です。