中学2年生の理科では、「発熱反応・吸熱反応」と「質量保存の法則」という単元を学習します。
原子と分子の特徴を抑え、科学変化によってどのようなことが起きているのか、またその具体例と実験について覚えなkればなりません。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
発熱反応・吸熱反応
発熱反応と、吸熱反応の意味をしっかり覚えましょう。
発熱反応
・化学変化が起こるときに熱を発生する反応(基本的に周りの温度が上がる)吸熱反応
・化学変化が起こるときに周りから熱を吸収する反応(基本的に周りの温度が下がる)
化学反応によって発熱反応が起きるか、吸熱反応が起きるかは決まっており、中学では以下の2パターンの吸熱反応の例だけを覚えておけば、それ以外を発熱反応と判断して大丈夫でしょう。
吸熱反応①~アンモニウムと○○を混ぜる反応
塩化アンモニウムに水酸化バリウムを混ぜるた場合、以下吸熱反応が起こります。
塩化アンモニウム + 水酸化バリウム → 塩化バリウム + アンモニア + 水
{2NH}{4}{Cl} + {Ba(OH)}{2} → {BaCl}{2} + {2NH}{3} + {2H}_{2}{O}
吸熱反応②クエン酸と○○を混ぜる反応
クエン酸を使っていれば吸熱反応です。
発熱反応
この2パターン以外が発熱反応です。
質量保存の法則
質量保存の法則とは、化学変化の前後で、物質全体の質量は変化しないという法則です。
なぜ、化学変化の前後で質量が変化しないのかと問われた場合、「化学変化の前後で、原子の結びつき方は変化するが、原子の種類と数は変化しないから」と答えれば大丈夫です。
沈殿ができる反応
水溶液の硫酸と水酸化バリウム水溶液を混ぜる実験をします。質量保存の法則が成り立ちますので、化学変化の前後で物質全体の質量は変化しません。
硫酸+水酸化バリウム水溶液→硫酸バリウム+水
H₂SO₄+Ba(OH)₂→BaSO₄+2H₂O
硫酸バリウムは水に溶けにくい物質ですので、白い沈殿になります。空気中に気体が逃げて行ったり、空気中の酸素が反応しているわけではないので、化学変化前後で物質の質量は変化しません。
炭酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混ぜる反応も、白い沈殿が生じる反応になります。
炭酸水素ナトリウム+塩化カルシウム→塩化ナトリウム+炭酸カルシウム
Na₂CO₃+CaCl₂→2NaCl+CaCO₃
炭酸カルシウムは水に溶けにくい物質なので、白い沈殿になります。
気体が発生する反応
固体の炭酸水素ナトリウムと塩酸を混ぜる実験をします。密閉した容器内で実験を行えば、化学変化の前後で物質全体の質量は変化しません。
炭酸水素ナトリウム+塩酸→塩化ナトリウム+水+二酸化炭素
NaHCO₃+HCl→NaCl+H₂O+CO₂
炭酸水素ナトリウムに塩酸を加えると気体の二酸化炭素が発生します。密閉した容器内で実験を行えば、発生した気体が空気中に逃げないので、物質全体の質量は変化しませんが、気体の発生後、容器のふたを開けると、発生した二酸化炭素が空気中に逃げ、反応後の質量はその分減少します。
塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムと水を混ぜる反応も気体が発生する反応になります。アンモニアが発生しましたね。下のような二又試験管に風船をとりつけ、物質を混ぜるとアンモニアが発生し風船が膨らみます。
塩化アンモニウム+水酸化ナトリウム→アンモニア+水+塩化ナトリウム
NH₄Cl+NaOH→NH₃+H₂O+NaCl
発生したアンモニアは水によく溶ける気体ですので、風船が膨らみますが、やがてアンモニアが水に溶け風船がしぼみます。
空気中の酸素が化合する反応
金属の銅粉を空気中で加熱すると、空気中の酸素が化合し黒色の酸化銅ができます。化合した酸素の分だけ質量が増加します。
銅+酸素→酸化銅
2Cu+O₂→2CuO
式を見ればわかるように、化合した酸素の分だけ加熱後の物質の質量は増加します。
しかし、反応前に反応した酸素の分もあわせて質量を考えると、全体の質量は変化していません。