中学2年生の理科では、「血液の循環」と「消化と吸収」という単元を学習します。
それぞれ役割や流れなどをしっかり覚えることが求められる単元ですので、位置や見た目も確認しつつ学習することが大事になりまあす。
そこでこの記事では、この単元が苦手という中学生やそして中学生に勉強を教える親御さんのために抑えておくべき重要なポイントをわかりやすくまとめたので参考にしてください。
血液の循環
血液にはどんな役割があるのかを覚えましょう。
・空気中から取り入れた酸素を全身の細胞に届ける
体の中の細胞で発生した二酸化炭素を肺に送り体外に出す・栄養分を全身の細胞に届ける
上記の例のように血液には基本的に細胞とやり取りする物質を運ぶ役割を担っています。
血液の成分とはたらき
血液には複数の成分で構成されており、主要なものの名称とはたらきについてもしっかり学習しましょう。
- 赤血球・・・ヘモグロビンという赤い色素を含んでいて、これが酸素と結びつき、酸素を運んでいる
- 白血球・・・細菌を殺す
- 血しょう・・・不要物など様々な物質を運ぶ透明な液体成分
- 血小板・・・傷口をふさぐ
- 組織液・・・血しょうが血管の外にしみ出したもの
心臓のつくりとはたらき
心臓は大きく分けて4つの部屋から構成されているので、その名称と以下の血液の流れがポイントになります。
全身→右心房→右心室→肺→左心房→左心室→全身
この単元に関して、以下の用語を資料集や図解で確認しておきましょう。
- 動脈・・・心臓から出ていく血液(肺動脈と大動脈)
- 静脈・・・心臓に戻ってくる血液(肺静脈と大静脈)
- 肺動脈・・・心臓から肺にいく血液(二酸化炭素が多く含まれている)
- 肺静脈・・・肺から心臓にいく血液(酸素が多く含まれている)
- 大動脈・・・心臓から全身に出ていく血液
- 大静脈・・・全身から心臓に戻ってくる血液
- 動脈血・・・酸素を多く含んだ血液(肺静脈・大動脈)
- 静脈血・・・二酸化炭素を多く含んだ血液(肺動脈・大静脈)
- 体循環・・・心臓→全身→心臓という血液の循環
- 肺循環・・・心臓→肺→心臓という血液の循環
また、静脈には逆流を防ぐ弁というものがついていますが、動脈についていないという違いがあります。
全身の血液の流れ
心臓から全身へ流れ出た血液は主に細胞に酸素を届け、アミノ酸からエネルギーを取り出す際に発生するアンモニアを運んだり、小腸で吸収された栄養分を運んだり様々な物質を運ぶ役割を持っています。
この流れのなかで以下の二つが重要なポイントなので覚えておきましょう。
・肝臓を通過すると有害なアンモニアが尿素に変わる。すなわち肝臓を通過後の血液はアンモニアが比較的少なくなっている。
・じん臓には尿素をこし出す機能があり、じん臓を通過後の血液には尿素が比較的少なくなっています。
ということを覚えましょう。
じん臓は腹部の背中よりに一対ある尿の排出器官で、「じん臓→輸尿管→ぼうこう」と伝って体外に尿素を含んだ尿を排出しています。
脊椎動物の心臓のつくり
脊椎動物の種類によって心臓のつくりは異なり、鳥類や哺乳類の2心房2心室のような複雑なつくりであるほど、体全身に酸素を効率よく送ることが出来る。
しかし、魚類はえらから酸素を取り込んだり、カエルは体表から酸素を取り込む皮膚呼吸などで、酸素不足を補っている。
鳥類と哺乳類・・・2心房2心室
は虫類・・・2心房1心室(心室に少しだけ仕切りがある)
両生類・・・2心房1心室(心室が仕切りは無い)
魚類・・・1心房1心室
消化と吸収
動物は、生きていくために必要なエネルギーのもととなる栄養分を食べることで食物から取り入れており、 食物の多くは他の生物の体や、生物が作り出したものです。
炭水化物や脂肪は主にエネルギー源となり、 タンパク質は体を作る材料やエネルギー源になり、これらの栄養分以外のビタミンや無機物なども健康を維持するために必要な物質です。
消化
食物に含まれている栄養分はそのままでは分子が大きくて吸収できない。そのため、体に吸収されやすいように小さく分解すること を消化といいます。
消化の流れとして、口から入った食べ物の通り道は大まかに以下の通り。
口 → 食道 → 胃 → 小腸 → 大腸
これらは、つながる1本の管になっているのですが、これを消化管といいます。それぞれの働きについて流れとともに覚えましょう。
- 口・・・食物を噛み砕く。唾液を分泌する
- 胃・・・収縮をくりかえし食物を細かくつぶし、胃液を分泌する。胃液には消化酵素のほか塩酸も含まれる。
- 小腸・・・すい液、胆汁、小腸の壁の酵素で消化。柔毛から吸収。
- 大腸・・・小腸で吸収しきれなかった水分を吸収。
- すい臓・・・すい液をつくる。
- 肝臓・・・胆汁をつくる。栄養分を貯えたり、他の物質に変えたり、全身に送ったりする。有害なものを無害にする。アンモニアを尿素にするなど
- 胆のう・・・胆汁をたくわえる。
消化液
消化液は消化酵素を含み栄養分を分解するものです。それぞれの役割を押さえておきましょう。
- 唾液(唾液腺)・・・アミラーゼを含みデンプンを糖(麦芽糖)に変える
- 胃液(胃)・・・ペプシンを含みタンパク質を分解する
- すい液(すい臓でつくられ小腸から分泌)・・・アミラーゼ、トリプシン、リパーゼなど複数の消化酵素が含まれ、デンプン、タンパク質、脂肪を分解する。
- 胆汁(肝臓でつくられ胆のうにためられ小腸から分泌)・・・消化酵素を含んでいない。脂肪を小さな粒にして脂肪の分解を助ける
- 小腸の壁の酵素・・・数種類の酵素で完全に消化する。
消化酵素
消化液に含まれる消化酵素は、栄養分を分解する触媒のはたらきをしています。また、消化酵素の以下の特徴があります。
・少量でたくさん分解できる。
・体温に近い温度ではたらく。
・分解する物質が決まっている。
消化酵素として、以下のものが代表的です。
- アミラーゼ…デンプンを分解、唾液、すい液に含まれる
- ペプシン…タンパク質を分解、胃液に含まれる
- トリプシン…タンパク質を分解、すい液に含まれる
- リパーゼ…脂肪を分解。すい液に含まれる
栄養分
栄養分は消化管を通る間に消化酵素などのはたらきで分解されます。
デンプン…ブドウ糖
デンプンは唾液中のアミラーゼ、すい液中のアミラーゼ、小腸の壁にある消化酵素の働きで最終的にブドウ糖に分解される。
タンパク質…アミノ酸
タンパク質は胃液中のペプシン、すい液中のトリプシン、小腸の壁にある消化酵素の働きで最終的にアミノ酸に分解される。
脂肪…脂肪酸とモノグリセリド
脂肪は胆汁のはたらきで水に混ざりやすくなり、すい液中の働きで脂肪酸とモノグリセリドに分解される。
吸収
消化された栄養分は小腸で吸収されます。
この小腸の壁にはたくさんのひだがあり、そのひだの表面に柔毛という小さな突起がたくさんあるという特徴も大事なポイントです。