大学受験の英語で点数を稼ぐためには、「単語力」が不可欠だ。
たとえ文法をしっかり理解していたとしても、単語の意味が分かっていなければ「何を書かれているか分からない…」と問題を解くことができない。
受験で必要となる単語力は志望校の英語出題レベルによって異なるが、関関同立やMARCHなどの難関私大レベルになると、「最低でも約2,000語~2,500語」覚えなけれなならないのがキホンだ。
しかし、暗記がどうしてもニガテな生徒は、「2,000語~2,500語なんて到底覚えられるはずがない」と不安を感じているのではないだろうか?
ということで今回は、暗記がニガテな生徒に向けて、効率的に暗記ができるオススメの「英単語帳」を紹介しよう。英単語帳と一口にいっても情報量やレイアウトなどが異なるから、自分が暗記しやすいタイプのものを選ぶことが重要だ。
ここでは、各単語帳のタイプやレベル別のシリーズ、効果的な使い方も一緒に解説していくから、キミたちが自分に合うものを見つけてほしい。受験だけでなく、日頃の勉強として利用できるものもあるからチェックしてくれ。
単語力を身に着けて、英語の基礎をしっかり固めていこう!
英単語は基礎固めの一歩!単語帳はどう選んだらいい?
単語帳にはさまざまな種類があるから、何を選んだらよいか迷う生徒も多いだろう。
目的に合わないものを選んでしまうと、「かえって暗記しにくい」「受験対策になっていない」といった失敗が起きるケースも少なくない。
暗記がニガテな生徒が単語帳を選ぶうえで大切な3つのポイントはコレだ!
①大学受験に適したもの
TOEICやビジネス用などの単語帳もあるが、日頃の授業はもちろん、大学受験にも特化していない。「試験対策用」のものがオススメだ。
②頻出単語が約2,000語~2,500語収録されているもの
暗記に自信がない生徒は、必ず抑えておきたい「頻出単語約2,000語~2,500語」に絞ったものをオススメする。なぜなら、難易度が高い英単語が多く掲載されている「3,000語以上の単語帳」は、そのボリュームの多さから挫折してしまう生徒も多いからだ。
③自分の勉強スタイルにあったもの
単語帳にはさまざまなタイプがあり、スタンダードなものには3種類がある。
・単語列挙型 ➡ 単語だけを掲載したシンプルなものだからサクサク進められる
・フレーズ・例文暗記型 ➡ 試験に出やすい単語をフレーズとともに暗記できる
・長文読解・語義理解型 ➡ 長文の中で英単語の意味を覚える
とにかく単語だけをシンプルに暗記したい!という場合は「単語型列挙型」がオススメだが、英文と関連付けて覚えることができないため、暗記が難しいことがある。日頃の授業の復習をしたい場合には便利。
「例文型」は複数の単語を同時に覚えられるというメリットはあるが、情報量が多く暗記が難しいため、基礎力が付いていない段階では厳しいかもしれない。
暗記がニガテな生徒は、短めなフレーズとともに単語を暗記しやすい「フレーズ型」がオススメだ。
英単語は長文読解の基礎
英単語は、文法問題をはじめ、どの大学・学部でも配点率の高い「長文読解問題」で点数を稼ぐための基礎となる知識だ。「途中で文章の意味が分からなくなった」「文法は分かるのに和訳できない」と挫折しないように、日頃から単語力から身につける必要がある。
たとえ「暗記がなかなかできない…」という生徒であっても、ここが踏ん張り時。
大学受験は多くの大学・学部が英語にウェイトを置いているから、「単語を諦める」という訳にはいかないのだ。
「単語を全然覚えれていない」という場合は、先に長文読解や過去問などの勉強に入るのではなく、かならず「単語力で基礎を固めておくこと」を忘れないようにしよう。
また、単語帳は複数冊を同時に使うよりも、「自分に合った一冊を重点的にやり込む」ことが暗記のポイント。中途半端に知識を広げるよりも、「1語1語を確実に覚えていく」ことを意識して取り組んでほしい。
英単語は、文法問題をはじめ、どの大学・学部でも配点率の高い「長文読解問題」で点数を稼ぐための基礎となる知識だ。「途中で文章の意味が分からなくなった」「文法は分かるのに和訳できない」と挫折しないように、日頃から単語力から身につける必要がある。
たとえ「暗記がなかなかできない…」という生徒であっても、ここが踏ん張り時。
大学受験は多くの大学・学部が英語にウェイトを置いているから、「単語を諦める」という訳にはいかないのだ。
「単語を全然覚えれていない」という場合は、先に長文読解や過去問などの勉強に入るのではなく、かならず「単語力で基礎を固めておくこと」を忘れないようにしよう。
また、単語帳は複数冊を同時に使うよりも、「自分に合った一冊を重点的にやり込む」ことが暗記のポイント。中途半端に知識を広げるよりも、「1語1語を確実に覚えていく」ことを意識して取り組んでほしい。
1.英単語ターゲットシリーズ
『英単語ターゲット』シリーズは、受験の入試によく出る単語から順にリストアップされている「単語列挙型」の単語帳。
同じ単語でいくつもの意味が掲載されている単語帳もよくあるが、この単語帳はあくまで「1単語につき1つの意味」がベースだ。覚える項目が少なく、フラッシュ学習のようにサクサクと暗記が進められるから、暗記がニガテな生徒にぴったりなのだ。
動詞や形容詞などが混同せずに覚えられるよう、品詞ごとにセクションが分かれているのも、効率よく進められるポイント。
また、単語を使った短い例文も掲載されているから、例文を覚えれば単語の使い方も習得できる。大学入試の過去問題からの引用文も多く掲載されているから、受験対策にもぴったりだ。
3種類のシリーズが展開されているから、志望校のレベルに応じて選んでほしい。高1や高2で受験まで時間があるという生徒は、1200や1400から始めるようにしよう。
ターゲットはこんな人にオススメ
- シンプルなデザインが好きで、出題頻度の高い単語に絞って覚えたい人
- 「1語1義」タイプの単語帳で、とにかく中心的な意味だけ覚えたい人
- 赤シートをフラッシュ暗記のようにサクサク進めたい人
- 中学レベルや高校2までの英単語を復習したい人
ターゲットのレベルまとめ
英単語ターゲット1200 | 英単語ターゲット1400 | 英単語ターゲット1900 | |
到達レベル | 中学の英単語~ センター試験入門レベル | センター試験レベル~ 中堅私立大学(日東駒専等) | センター試験レベル~ 難関私立大学(関関同立、MARCH等) |
収録語数 | 1200語 | 1400語 | 1900語 |
向いている人 | 中学の基礎単語を復習したい人、日頃の授業で利用したい人 | これから受験勉強を始める高2~高3の人 | 偏差値55~60の難関私立大学を目指す人 |
ターゲットのメリット、デメリット
メリット
◯入試に「出る順」で構成されているから、効率的に試験対策が可能
◯「1単語に1つの意味」のシンプルな構成だから、覚える項目が少ない
◯品詞ごとにセクションを分けていて、リズムよく暗記しやすい
◯右側のページに例文があるため、フレーズとして記憶することもできる
◯3種類のシリーズにより、それぞれの志望校に適した単語を効率的に学習可能
デメリット
×単語をサクサク覚えるタイプだから、学習スタイルによっては向いていない人もいる
×熟語や関連語、派生語の収録されておらず、他の参考書が必要になる
×上級レベルでも1900語と情報量が少なめだから、重要単語を完璧にしたい人はもっと単語を覚える必要がある
ターゲットの活用方法
※本書では、動詞や形容詞などのセクションに分けて「出る順」から単語が掲載されている。
【左ページ】➡1単語と1つの意味、【右ページ】➡単語を使った短い例文
①1ページ目から進め、1週間200語をペースに暗記する(文字に書くよりも声に出すのが◎)
②前日覚えた単語は、赤シートでテストしてから次の単語を覚える
③赤シートで覚えられていない単語にチェックを付けて重点的に覚える
④2周目以降は、セクションの順番を変えながら赤シートで繰り返しテストする
じっくり時間をかけて取り組むよりも、短時間で何週も繰り返すことで頭に定着しやすくなる。
一度覚えたという単語も何度も目で見て、意味が直感的に捉えられるくらいになるのが理想。
暗記が苦手な生徒は、「忘れてやすい単語」「何度やっても覚えられない単語」をチェックをつけて区別して、シートで隠しながら繰り返しテストしよう。定着しないときは、単語単体だけでなく、「例文を自分が覚えやすい文章に変えて」覚えるのも効果的だ。
ターゲットのマナビバ評価は?
2.ユメタンシリーズ
『ユメタン』シリーズは、レベルに応じて4種類のシリーズ展開されており、中学終了レベルから東大・京大レベルまで幅広く対応できる単語帳。
最大の特徴は、「英単語を短期間で覚えるメソッド」に沿って、7日間で100語ずつ覚えていく構成であること。1日ごとに課題が提示されているから、「1日目はこれ、2日目はこれ」と、順序立てて学習をすることが苦手な生徒でも、効率よく暗記を進められるのが魅力だ。
また、CDが付属されているから、音声を聴きながら発音も同時に覚えることもできる。メソッド通りに取り組めば、「読む・書く・聞く・話す」といった4つの技能を身につけることが可能だ。
収録語数は1,000語(上級シリーズのみ8,000語)ほどと他の単語帳に比べると少ないが、志望する大学レベルや出題傾向によってシリーズが分かれているから、「入試や試験に必要な単語を最低限覚える」のに便利といえる。できるだけ少ない単語数で、無理なく暗記をしたいという生徒にぴったりだ。
現在では新訂版として『夢をかなえる英単語 新ユメタン』という4種類展開がされている。到達レベルや志望校に応じて、自分に合ったものをチョイスしよう。
ユメタンはこんな人にオススメ!
- 最低限の単語数を、じっくり時間をかけて確実に覚えたい人
- 暗記勉強のスケジュールを自分で計画するのが難しい人
- 高1~高2で、英単語の勉強に時間がかけられる人
- CDを使いながら暗記したい人
ユメタンのレベルとまとめ
【新ユメタン0】 中学修了〜 高校基礎レベル | 【新ユメタン1】 大学合格 必須レベル | 【新ユメタン2】 難関大学合格 必須レベル | 【新ユメタン3】 スーパー ハイレベル | |
到達レベル | 中学の英単語~ 高校の基礎レベル | センター試験に必要な最低限レベル | センター試験レベル~難関私立大まで(関関同立、MARCH等) | 早慶上智~超難関大レベルまで(東大・京大) |
収録語数 | 800語 | 1000語 | 1000語 | 8000語 |
向いている人 | 中学レベルの英単語から見直したい人、高校の授業の復習をしたい人 | 受験に必要な単語を最低限抑えたい人 | 偏差値55~60程度を目指す人 | 偏差値65以上を目指す人、受験英語を完璧に抑えたい人 |
ユメタンのメリットとデメリット
メリット
◯覚えるためのステップが提示されているから、暗記が苦手な人も覚えやすい
◯1週間単位で完璧に覚えるステップがあるから、勉強の計画が立てられない人に向いている
◯レベルごとに4冊あるため、志望大学のレベル、自分に合ったものを選べる
◯CDで単語だけでなくフレーズも聞くことができる(日本語→英語の順で読まれるから復習もできる)
デメリット
×メソッドでは「1週間に100語」と決められているため、自分のペースで進みづらい
×全部網羅するのに時間がかかるため、短期間でサクサク単語を覚えたい人には不向き
×シリーズ0~2は単語数が約1000語と少なく、志望校に必須の最低限の単語しか覚えられない×シリーズ3は単語数が8000語と網羅できるが、オーバーワークになる人もいる(暗記が苦手な人には不向き)
ユメタンの活用方法
著者であるキムタツブログで紹介されている活用方法はこちら。
ユメタン0:中学修了〜高校基礎レベル、高1レベルの英語力
ユメタン1:大学合格必須レベル、センター試験易レベルの問題がスラスラ解ける
ユメタン2:難関大学合格必須レベル、旧帝大やGMARCHの長文問題でつまずかずに解答できる
ユメタン3:スーパーハイレベル 東大京大、早慶レベル
ユメタンのマナビバ評価
3.システム英単語シリーズ
『システム英単語』のシリーズは、大学入試のレベルに応じて2種類のシリーズを展開。
改訂新版では、入試英語の最新トレンドを抑えた「約2000語」が収録されているから、長文読解や文法問題に向けて効率的に単語を習得できるのが魅力だ。
最大の特徴は、単語が単体で記載されているのではなく、「ミニマルフレーズ」で記載されていること。暗記がニガテな生徒にとって長い例文を覚えるのは一苦労だが、重要な形だけを使ったコンパクトなフレーズなら覚えやすい。
「どんな形で単語が使われるか」といった文章の中での使い方で単語を捉えられるから、「1語1義の単語帳では覚えづらい」という生徒にもオススメだ。
また、収録単語は過去の出題傾向をリサーチしているから、「多く使われやすい品詞の種類」「頻出の派生語や熟語」なども徹底的に抑えられている。文章のつながりや仕組みも同時に頭に入れられるから、「自動詞や他動詞の区別」といった語法問題にも備えられる。
また、単語と日本語訳読み上げてくれるCD、もしくは音声ダウンロード(無料と有料あり)も可能だ。音声に出してフレーズを覚えたり、リスニング対策にも使える。
シス単はこんな人にオススメ
- 短いフレーズを使って覚える方が向いている人
- 単語の使い方や、語法、派生語などをまとめてインプットしたい人
- 中学レベルの基礎単語はクリアしていて、これから受験勉強を始めるという人
- CDや音声データで、音読やリスニングの練習もしたい人
シス単のレベルまとめ
システム英単語Basic〈5訂版〉 | システム英単語〈5訂版〉 | |
到達レベル | 高校基礎レベル~センター試験レベル | 難関私立大(関関同立、MARCH)・中堅国公立レベル~難関国公立(早慶上智)まで |
収録語数 | 1500語+多義語170 | 2000語+多義語180 |
向いている人 | 高校基礎単語を網羅したい人 偏差値50に達していない人 | ・難関私立大や国公立大学を目指す人 ・大学入試に必須の単語を網羅したい人 |
シス単のメリットとデメリット
メリット
◯入試に「出る単語・用法」が基礎レベルから順序よく掲載している◯必要な単語と連語関係をミニマルフレーズで暗記できる◯最新の入試データの分析をもとに、単語を原形ではなく「出る品詞の形」で掲載している◯重要な派生語や熟語も掲載されていて、文章の中での使い方が理解できる◯一冊で、センター試験(共通テスト)レベル~難関大学まで網羅できる◯無料で音声をダウンロード可能
デメリット
×単語と意味だけををサクサクと覚えたい「単語列挙型」タイプには不向き×CDの再生時間が長いため、こま切れ学習がしにくい×フレーズを覚える必要があるから、単語だけよりも覚えるボリュームが多くなる
シス単の活用方法
シス単は、覚える英単語によって、2種類のレイアウトが構成されている。
Aパターン:語法が複雑で、複数の訳語が必要な単語は、フレーズの下に個別に解説
Bパターン:語法がシンプルで派生語も少ない単語は、フレーズのみを記載
いずれも、基礎レベルのものから順番に難易度が高くなっていくから、1章から順に進めるようにしよう。
①1日10ページくらいのペースで取り組む
②単語と意味を見て、理解する ※Aパターンのみ
③単語が含まれたミニマルフレーズを読む(始めから完璧に暗記する必要はなし)
④ミニマルフレーズを暗記できるよう、赤シートを使って反復学習する
⑤覚えられなかったフレーズにはチェックを付け、重点的に復習する
⑥次の10ページに進むときは、前回覚えた10ページ分に目を通してから進める
1日で10ページを完璧に覚えるのではなく、繰り返し目を通すことで、フレーズが声に出して言えるくらいになることがポイント。
1周したあとは、同じ英単語に複数回目を通すよう「1日100フレーズ」と決めて暗記することを心掛けてほしい。CDや音声データを使って音読すれば、よりフレーズを頭に定着しやすくなる。
シス単のマナビバ評価
【まとめ】反復学習こそが暗記を制する!
暗記が苦手な生徒にオススメの英単語帳と、効果的な勉強法を紹介した。
自分にぴったりのものは見つかっただろうか?
どれも難易度に応じてさまざまなシリーズが登場しているから、自分のレベルや志望校に合ったものを選ぶようにしよう。
3つの単語帳タイプをまとめてみると、こんな感じだ。
英単語ターゲット | ユメタン | システム英単語〈5訂版〉 | |
単語帳のタイプ | 単語列挙型 | 単語列挙型+フレーズ型(1単語につき、フレーズが2つ) | フレーズ型 |
収録語数 | ※全3シリーズ・1200語・1400語・1900語 | ※全4シリーズ・800語~1000語(新ユメタン3は、8000語) | ※5訂版は全2シリーズ・1500~2000語(+多義語が170~180語) |
特徴 | ・「1語1義」がベースだから、覚える項目が少ない・右ページには例文もある・フラッシュ学習のようにスピード感ある暗記が可能 | ・「7日間100単語」のステップに沿って勉強できる・収録語数が少なめ(※新ユメタン3を除く)・100個の単語を時間をかけて確実に暗記できる | ・ミニマルフレーズで単語の使い方が覚えられる・入試傾向を分析し、最新トレンドの単語が掲載・熟語や派生語も同時に理解できる |
単語帳によって勉強法は異なるが、共通しているのは「繰り返し反復学習をすること」だ。
1度で完璧に覚えようとせず、繰り返しのテストで「覚えられない単語」「間違いやすい単語」をピックアップしてみよう。
ニガテな単語でも、繰り返しテストして反復学習すれば、忘れずにしっかり定着させることができる。付属のCDなど使って音読をしながら覚えるのもワザのひとつだ。
「フレーズと一緒の方が覚えやすい」「文法は理解できているから、単語だけを繰り返し復習できるものが良い」など、自分が学習しやすいものを見つけて英単語のニガテを克服しよう。
英単語の基礎に手を抜かずしっかり土台を作っていれば、文法や長文読解を勉強するときにも、必ずその努力が報われるはずだ!