今回は、いわゆる「お金持ち」が多い大学をご紹介します。
例年、高額納税者番付に出てくるような所得税の支払いが数億円という浮世離れしている億万長者から、
年収1千万円に届くか届かないかの一般市民にまだ近いプチお金持ちまで、「お金持ち」の幅もかなり広いのが実情です。そこで、幾つかのデータから見る「お金持ち」と「大学」の関連を探っていき、ご紹介します。
卒業したらお金持ちになれそうな大学は?
ここでの「お金持ちが多い有名大学」とは、「卒業後に稼いでお金持ちになる人が多い大学」という意味です。毎日の仕事をしていて、学歴と収入は特に関係ない、と感じる人も多数います。では、自分の出身大学が年収と関係ないのは本当なのでしょうか、見てみましょう。
立身出世という表現に当てはまる人たちは、どこの大学を出て「お金持ち」になっているのでしょうか。
<年収が高い卒業生が多い大学ベスト10>
「ダイアモンド」より
オープンワーク株式会社が出身大学別の想定年収を年齢別に算出しています。出身大学によって年収の差はあるのか、年齢別に年収アップしているのか、などを調査して発表しています。今回は、大学を出て10年未満の30歳の時点で想定される年収を基準に、上位10校を掲載しています(30歳時の出身大学別年収ランキング)。
30歳での想定年収が高い順に、1位は東京大学で763万円です。2位は一橋大学で697万円、3位は慶應義塾大学で687万円という結果でした。やはり高学歴が高収入に結びついているようです。
有名大学を出た人はどんな仕事をしている⁉
30歳で高い年収を得るには、自ら起業して成功するか、弁護士や公認会計士、司法書士、税理士、などの仕事でバリバリ稼いでいる、または日本で大抵の人が知っている一流企業で順当に昇進している、国家公務員になって毎年着実に昇給できている、などが考えられます。
今回のオープンワーク社の調査では、年齢を5歳ずつ区切って調べており、40歳時では一橋大学が年収1065万円となり、東京大学を逆転して首位に立っています。一橋大学の卒業生は年収のアップ幅が大きいようです。防衛大学校や東京大学も年収のアップが大きく見込めています。
このような40代でさらに高収入という話を聞くと、どちらかといえば国家公務員や有名な大企業に多数の卒業生が就職し、安定して高い収入を得ながら順当に昇進している人が多いのだろうと考えられます。
お金持ちの家の子が多い大学はどこ⁉
続いて、お金持ちになれるような有名大学を出た人たちの息子さんや娘さんたち、つまり「お金持ちと呼ばれる家のご子息やお嬢様」が通う大学 にはどんな大学があるのか見てみましょう。
<お金持ちの子が通っている大学ベスト10>
「プレジデント」より
同志社大学の橘木教授が行った「全国高額納税者番付」をもとにした調査によると、お金持ち(医師を除く)の家の息子さんや娘さんが卒業する大学には有名私立大学と最難関の国立大学が多いことがわかりました。先述の「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」と似た結果になりました。
国立では東京大、京都大、大阪大が、私立では慶応義塾大、早稲田大、同志社大がベスト10に入っています。特にこの東西を代表する名門大学がベスト10に入っていることは、受験教育に相当な力を入れていることがよくわかります。
これに加えて、社長の数が全国最多の日本大も入ります。必ずしも親子二代かどうかはわかりませんが、親が自分の息子さん娘さんを母校に通わせようとしている、という見方も考えられます。また、日本大はそもそもの学生数が多いのでベスト10に入るのは当然かも知れません。
ベスト10の残りはMARCHの中の大学が3校で中央大、明治大、法政大です。やはり勉強して入学したのだろうと思われる大学が並びます。
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お金持ちが多い有名大学の特徴は?
富裕層の家では、自分の子どもを名門大学に行かせたいという高学歴の志向が強く、子どもの頃から家庭教師が付くなどして勉強を優位に進めていける環境にあります。その結果、かなり勉強しないと入れないような大学に多くのお金持ちの息子さん娘さんが合格して進学する、ということになります。
そして、高学歴を活かして有名企業に就職し、そこで高い給料をもらう、という好循環が生まれます。
一方では、昔から代々で資産を受け継いでいる富豪の息子さんや娘さんもいます。そうなると、大学を卒業して自分自身で起業する必要はないため、割と自由に過ごしてきた人も実際にいます。例えば兵庫県の芦屋大学のような経済的に余裕のある人たちが通っているのが見てすぐわかる校風の「お金持ちが多い大学」もあります。
単に「家柄」という点だけでいえば、学習院大のように皇室や財閥の一族など特別な立場の子どもが行く大学や、立教大、上智大、青山学院大などキリスト教の団体を母体とする難関の私立大など「おしゃれ感が高くてリッチ」というイメージの有名大学もあります。
もちろん、それらのリッチな大学を出た人たちも大体は高収入を得る率が高いと予想できます。
全体としては、経済力が進学に優位に働き、受入れ人数の多い大学が「お金持ちの子が通っている大学ベスト10」に名を連ねた結果と考えられます。
お金持ちのお嬢様が行く女子大学の収入は⁉
有名な女子大学は幾つもありますが、今回の調査の「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」や「お金持ちの子が通っている大学ベスト10」には、両方とも入っていませんでした。
いわゆる「お嬢様大学」は多数あります。首都圏には聖心、白百合、清泉、フェリス、東京女子、学習院女子などがあります。京阪神では神戸女学院、京都女子、同志社女子、神戸女子などがあります。名前を挙げればまだまだありますが、「お嬢様大学」かどうかを明確に分ける基準や定義はありません。
ただ、「お嬢様大学」の卒業生の平均年収が高いかどうかというと、「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」には及ばないようです。日本の女子大学で最高峰のお茶の水女子大学ですら、卒業生の年収が高い大学の上位30位までに入っていませんでした。
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医者の子どもも有名大学に行くの⁉
医師を仕事にしている人は全国に多数いますが、開業医が大半です。その子どもが医学部へ進んで病院や診療所を継いでいき、それが代々続くと相当な資産家になれます。先述の橘木教授の調査では「医師のほぼ半数は世襲と推定できる」ことがわかっています。
特に私立大の医学部は学費が非常に高額で、ここを出て医師になる自体が経済的にも学力的にも他の一般的な大学より大変です。当然に一般家庭の経済力では入学するのが困難で、私立大の医学部を出ているのは大抵が開業医の息子さん娘さんです。
このような代々続く医師の家庭の人々は上記の「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」 とは別の富豪にあたる人たちと見て間違いありません。卒業生はほとんどが医師になるので収入も当然に高いことはわかります。
なお、医学部を出れば医師ではなく研究職であったとしても、その年収は600万円くらいは得られます。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10701000-Daijinkanboutoukeijouhoubu-Kikakuka/0000170876.pdf
賃金構造基本統計調査
一方、日本の医学部で最難関に位置する東京大や、それに次ぐ京都大、大阪大、慶応義塾大の4校は何故か1校も「親が医師である人の行く大学」の10位以内に入っていませんでした。資金豊富な開業医の息子さん娘さんは、勉強についてはどこまでも資金を投入できると思われますが、東京大や慶応義塾大へはあまり行っていないということです。
これは、実は「家業を継ぐ」という点で合理的な選択をしている結果なのです。つまり、地方の国公立大の医学部か、または入りやすい私立大の医学部を出れば目的達成できるということです。猛勉強に猛勉強を重ねて東京大などに入学しなくても、国家試験にきちんと合格すれば医師になって自分の病院を持てます。無理をして最難関校を目指さなくてもいいというわけです。
そのような事情も加味すると、「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」とは別の「お金持ち」が全国の医学部を出て存在しているということになります。
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025095798-00
(参考文献:日本経済出版「新・日本のお金持ち研究」)
「お金持ちの多い学部」はどこ?
先述の「年収が高い卒業生が多い大学ベスト10」のランキングは総合大学の出身者のみを載せていますが、他の見方をすると順位が変わります。大規模ではない「単科大学も含める」という別の観点で見ると違う結果が出ました。
<平均年収の高い出身大学ベスト10>(単科大学を含む、医学部を除く)
- 1位:星薬科大学 (727 万円)
- 2位:京都薬科大学(634 万円)
- 3位:東京大学 (632 万円)
- 4位:一橋大学 (628 万円)
- 5位:東京工業大学(616 万円)
- 6位:岐阜薬科大学(615 万円)
- 7位:東京薬科大学(600 万円)
- 8位:京都大学 (597 万円)
- 9位:慶應義塾大学(590万円)
- 10位:明治薬科大学(589 万円)
「DODA」より
これは、薬剤師が国家資格であり、薬学研究に必要な人材を求める大手製薬会社に多数が入社していることが挙げられます。また、病院や薬局で他の一般の職業より高い収入を得たり、ドラッグストアでも一般の販売員より待遇が良いなど、幾つもの点で薬学部の出身者は平均年収が高くなる傾向にあります。
医学部を除くと、6年制の大学といえば大体が薬学部です。 4年制の大学より1.5倍の期間を勉強しています。その知識と技能を活かせば通常の4年制大学より金銭的に優遇されても不思議ではありません。
まとめ
今回は幾つかの観点から「お金持ちの多い大学」をご紹介しました。
校風がリッチという雰囲気の大学もあれば、学費が本当に高額でお金持ちでなければ入学できない大学もあります。一口に「お金持ちの多い大学」といっても統一された定義はなく、色々な大学があるということです。
ハッキリわかるのは、「年収の高い卒業生が多い大学」は難関の大学ばかりということです。家がお金持ち、という人でなくても難関大学を突破して自力でお金持ちになるのも可能であることがわかりました。だからこそ本人の努力次第で道は開けるのです。