今回は、「文系と理系では給料が違うの?」「文系と理系、どちらの年収が高いの?」という疑問、質問にマナビバがお答えします。
もちろん、文系や理系といっても様々な職業や職種があります。それらを平均して比べることは可能ですが、一人ひとりの能力やキャリアによって年収も違います。それを踏まえて、文系と理系の収入の違いを見ていきます。
文系と理系の年収差はどれくらい⁉
文系の人が就く仕事と理系の人が就く仕事とでは、全体としてどちらのほうが年収が高いのでしょうか。以下のグラフで大まかな年収の差がわかります。
平均の年収は、理系の職業・職種が約593万円、文系の職業・職種が約558万円です。
このグラフによれば、全体としては理系の職業・職種は文系の職業・職種に比べ、平均年収が30万円〜40万円程度高い、ということがわかりました。理系職・文系職とも600~699万円、400~499万円、500~599万円の層が多いようです。
理系職は年収700万円を超えても一定の人数がいますが、文系職はかなり少ない人数になることがわかります。その一方で、年収300万円未満では文系職がかなり多くなるのが特徴です。ここで文系の人と理系の人とで平均の数値を出したときの格差が生じている可能性が高いと考えることができます。
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文系の主な職業・職種と年収は?
まず文系の職業・職種にはどういったものがあるのでしょうか。代表的なところを見てみましょう。
<事務職>
どの企業でも事務職は必要といわれています。いわゆる一般職として文系の人が希望する職業・職種の代表格といえます。事務には一般事務や経理事務、さらには貿易事務など複数の種類があります。
その人が大学の学部でどのような勉強をしたかによって、企業もその人に対して求める業務内容も少しは違ってきます。例えば電話対応や資料作成、顧客管理、基礎的なパソコンスキルと会話能力などが求められます。
やはり、コミュニケーションをとる機会が多いため、人と話すことが好きな人に向いています。
事務職の平均年収は約330万円です。
<営業職>
営業はメンタル的な要素も大きく、また実績重視の業務といわれています。文系の人にとっては、タフで粘り強く取り組めば成果が得られ、それを目標に頑張るタイプの人に合った職業・職種といえます。
入社後の実力次第で評価される、学歴にもあまり左右されません。IT系、インフラ系、メーカーなど活躍できる舞台は多く、実際に求人が多いのも特徴です。
顧客に商品やサービスを提案・紹介する対話能力、行動力、断られても落ち込まない精神的な強さなどが必要です。
営業職の平均年収は約380万円です。
<記者、編集職>
記者は、情報収集や取材、執筆などをメインとする業務です。文章化することが多いので文系の人に向いている職業・職種です。特に文学部や社会学部の出身者には取り組みやすい仕事といえます。
新聞や雑誌、Webサイトなど多様な場で活躍できます。常日頃から政治経済、海外情勢、文化や流行などに関心があり正確な情報を提供しなければなりません。
また、編集の業務も文系の人が目指せる職業・職種です。文章力に自信があり、構想を練ったり見やすいページ作りが得意な人に向いています。ただし、記者と同様に物事をコツコツと進めて期日を守り、内容にも正確性を守る真面目さが求められます。
記者、編集職の平均年収ですが、かなりバラつきがあり、人によって250万円〜500万円の幅があります。
理系の主な職業・職種と年収は?
次に、理系の職業・職種にはどういったものがあるのでしょうか。代表的なところを見てみましょう。
<研究職>
実験と検証と評価などを通じ、そこから得られた技術やノウハウに基づいて新たな製品を考るのが研究職の業務です。十分な情報収集と調査、そこからの仮説、そして有効性を検討・立証した後に製品化を実現します。
大別して「基礎研究」と「応用研究」がありますが、「基礎研究」は5年〜10年先の実用化を見据えて先進的な技術開発に取り組みます。一方の「応用研究」は基礎研究の成果を活用し、既存製品の品質や性能を向上させる取り組みが研究の中心です。
いずれにしても、具体的な製品の完成とそのサービス供給をしていきます。
研究の平均年収は約450万円です。
<技術職>
理系で培った技術と知識に基づいて、主に製品の製造の実践を主導し、アフターフォローもしていく業務です。製品の企画に携わりつつ、顧客の製品に関する新たなニーズや情報を把握し、より良い開発のために提案をすることも必要になります。
専門性が必要なのはもちろんですが、開発側の意図を理解する必要もあるため、取引先とのやり取りを生じ、自社の研究開発部や企画部とのやり取りも行い、顧客の要望に応えられるような製品の開発を目指します。部署によっては営業的な側面もあります。
それだけ多くの人と接するのでコミュニケーション能力や課題解決力、技術と知識など多方面の能力が求められます。
技術職の平均年収は約440万円です。ただし、食品系は約400万円、電子・機械は約480万円など、業界によって差があります。
<システムエンジニア・プログラマー>
システムエンジニアは、ソフトウェアやアプリなど、コンピュータシステムを作る土台となる設計部分に関わる業務です。
まず、企業などの依頼者から、そのシステムを使って何をしたいのかを聞き取り、どのようなシステムにするかの基本設計と、どのような機能を持つプログラムにするかの詳細設計を実践し、開発費用の交渉もします。
プログラムを作成するプログラミングに加えて、顧客、依頼者の要望をコンピュータ上で実現するためのヒアリングや、製作工程を伝えるプレゼンテーション、プログラマーにとって設計しやすい設計書を作成する文章構成など、幅広い能力が必要になります。
これに加えて、コンピュータシステムはほぼ全ての業界で必要なため、IT業界以外の世の中の動向や各業界の最低限度のことをわかり、できる限りの専門知識も理解することも求められます。このシステムエンジニアから提示を受けてプログラミングするのがプログラマーです。
システムエンジニアの平均年収は約690万円、プログラマーは約530万円です。
文理の選択はどうすればいい?
文系か理系か、で悩む人は多数います。
ここで重要なカギを握るのは、科目の好き嫌いではなく、自分の人生設計です。そう考えると、文理の選択で忘れてはいけないのは「就きたい職業・職種」です。
本当になりたい職業や職種があるなら、よほど極端に苦手でどうしてもできない、ということでなければ自分が就きたい仕事につながる大学の学部や学科を目指して受験勉強するのが本筋です。
例えば自分は文系だけど心理学を学んでカウンセラーになりたい、という人がいたとします。あるいは、文系だけど起業して会社を運営するため経済の勉強をしてみたい、という人がいたとします。そういう人たちは、必ず数学を勉強することになります。心理学も経済学も日本以外では理系に属しているところからすれば、大学に入学後は文系であっても数学を勉強するワケです。
高校生は、単にその科目の得意・不得意ということだけでなく、将来に進む道を考えて大学ならびに学部や学科を選びましょう。
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まとめ
文系か理系かの選択を自在にできて、どちらに行っても難なくこなせる人もいます。しかし、大抵は得意科目と不得意科目という視点で見て、それがそのまま文系へ行くか理系へ行くかに直結しているのが実情かと思われます。
文系か理系かへの決断は、学校の勉強から就職へ、そして長く働く職業・職種を身につけることへの足がかりになる大事な場面です。その仕事によって、収入も多かったり少なかったりします。平均の年収は、全体の平均なので、もちろん一人ひとりの年収は違います。本人の努力で高い年収を得ることも可能です。