「IQ」という用語を聞いたことはあるかと思いますが、これは「知能指数」を指す言葉です。どちらかと言うと「IQ」のほうが「知能指数」よりも聞いた回数が多いかもしれません。
IQテスト(知能検査)は、100を基準としています。つまり、100より上ならIQが高い、100より下ならIQが低い、ということになります。
この「IQ」が高い人は、世間一般では「頭がいい人」や「天才」などと言ったりすることがあります。では、「IQ」が高い人は、あまり苦労せずに難関大学に合格し、高学歴を得られるのでしょうか。
今回は、「学歴にIQは関係あるのか」ということについて、考えてみます。
学歴にIQは関係あるの?
学歴にIQが関係あるかないかといえば、関係はあります。
そもそも知能とは、人間の知的活動全般に共通に関わる因子と定義されています。ですから、特定分野の専門性のみに関わる因子とは明確に区別されています。そのような知能を測定するための検査が「知能検査」「IQテスト」です。
IQは数値で表されます。したがってIQは、人間の知的活動全般に広く関わる知的能力の数値化を試みたものである、ということがわかります。
学校の勉強を中心として、そこから実施される学力テスト、入学試験などは、人間の知的活動全般の中の一部分であることは間違いありません。このことから、どの学校に進んだかという「学歴」は、IQとは関係がないとはいえず、むしろ関係はあるということになります。
東大生はIQが高い
東京大学の学生のIQの平均は大体120くらいという話をよく聞きます。これは、昭和の時代からよく言われていることです。その反対に、IQが100以下だけど東京大学に合格できたという話はほぼ聞きません。
この点からも、例えば東京大学のような難関の大学にはIQの高い人が多く、IQが低い人は少ない、だからIQが高ければ努力次第で難関大学にも合格できるチャンスはある、といえます。
ただし、学力テストや入試問題は、英単語を覚えるなどの記憶に関わるところも大きいので、いくらIQが高くても英単語や漢字を覚えないで入試に臨んだら合格はできません。言い換えれば、例えばモノを覚える能力が高く、短時間で多数の暗記ができたとしても、その覚えるという作業そのもを全然しなければ覚えられません。
あくまでも、IQが高い人は勉強にも有利ではあるという意味で理解しましょう。
IQの高い人にも落とし穴がある!
IQの高い人には欠点がないのかというと、実はついついやってしまいがちな落とし穴もあります。
知的水準が高いことと、全ての設問に答えることとは別です。だからIQが高い人が努力すれば東京大学にも合格できる可能性が高いとは言えますが、IQが高い人は英単語や漢字を覚えなくても合格できるということにはなりません。
IQは、知能検査(IQテスト)によって測られる数値ではありますが、全般的な頭の良さを示すものではありません。あくまで知能の一つの側面を示す指標として、知能検査の結果から得た数値を「IQ」と呼んでいます。
ですから、IQの高い人は何でもできて何でも知っているということではなく、考える力がある、問題を考えて解くスピードが速い、物事の説明をすぐ理解したり、図面や公式などをよく理解できる、ということに秀でていると受け止めるのが妥当です。
学校の勉強では、読み書きや計算の力を養成しながら、同時に多方面の知識を蓄積していきます。
記憶力や問題解決能力、紙に書かれていない物を見たり、人から話を聞いたりする力など幅広く頭を使う必要があります。そういう意味で、学校では様々な考える能力や覚える能力、知恵を絞ることなど多岐にわたるものを総合したものが求められます。
自分は今の成績も良いしIQテストでも高い数値を出している、だからあまり勉強しなくても今後もいい成績をとれるだろう、と思っている人がいたら、それはIQの高い人が陥る落とし穴の危険があります。
IQテストのように準備無しで受ける試験は、その分野での才能があれば容易に高い数値を出せます。それに対して受験勉強は、何年もかけて準備をしっかりやるべきものです。
例えば暗記モノは、仮に覚えたとしても、どこかで思い出す練習をしないと必ずしも思い出せるとは限りません。その点で、地道に受験勉強を続けるのが苦手という人は、その高い知能を存分に発揮できずに受験が終了してしまう懸念もあります。
IQが高くない人はどうすればいいのか?
では、IQが高くない人は、どうすればいいのでしょうか。
もちろん、IQが高くなくても努力と工夫で難関大学に合格することは可能です。
努力の量で上回る
例えば人間の知的活動の中の一部である、モノを覚えることを想像してみましょう。当然ながら個人差があるので1回で覚えられる人もいれば2回で覚えられる人、3回で、4回で、という記憶する能力には差があります。
それならば、3回やらないと覚えられない人は3回やって覚えればいい、ということになります。
入学試験や学力テストには、問題が本当に難しくて、いくら考えてもわからないという試験問題も少しは出題されるかも知れませんが、覚えていれば正解できる問題も多数あります。むしろ覚えていれば正解できる問題のほうが多いです。
根気よく努力を地道に続けるという別の面で頑張れる人は、最後に自分よりIQの高い人を追い抜く可能性もあります。できるだけ早めに受験勉強を開始すれば、チャンスはあります。
学習環境を改善する
これまで勉強が面倒くさいからやらなかったという人は、ヤル気を起こす環境を整えましょう。
部屋にあるゲームやマンガを押入れに入れて、机から目が届かないようにする。部屋の壁に目標を書いて貼り、家での学習の時間割も貼る。どうしてもゲームをやめられない人は、決めた勉強を終わらせてからにする、など自分の部屋での環境改善とルール作りに取り組みましょう。
学校の図書室で勉強してから帰宅する、勉強習慣のある人に聞いて学習環境の作り方や勉強の進め方を教わる、気持ちを切り換えて先生にもわからない所を質問しに行く、など勉強しなかった癖を取り除く手段を次々と実行すれば、前に進めます。
通塾を習慣化する
それでも自宅での勉強が進められない人は、塾などの勉強できる場所に通い、自宅での勉強が進まない環境を断ち切る、というのも有効な方法です。
もっとも、塾と自宅での両方で勉強するのがベストで、塾ではわからないことを教わったり学習プランを相談するなどをして、自宅では塾の指導に基づいた宿題を進めるという形をとれば、やりたい、やりたくないという段階を超えて「やるしかない」方向へ進むことができます。
将来のことを考えて学習するために投資をすることも時には必要です。
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認知能力検査の標準化と心理統計法
http://www.jartest.jp/pdf/11-3hattori.pdf
厚生労働省・子ども子育て支援
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/index.html
まとめ
今回は、「学歴にIQは関係あるのか」について説明しました。
学歴とIQは関係があり、IQの高い人は考える力があるため勉強もよくできて、東京大学などの難関大学にも合格できる可能性があることがわかりました。
その一方で、覚えるべき所を覚えなければ、いくらIQが高くても難関大学には合格できず、逆にIQの高くない人でも地道に一所懸命に勉強すれば難関大学にも合格できるチャンスがあります。
勉強できる環境をしっかり整えて、学力を高めるために相応の投資をすればIQの高い人たちとも勝負できます。受験勉強の準備は早い段階から始めましょう。