私立大学の入試では、早稲田大学と慶應義塾大学が最難関の双璧です。これに匹敵するのが上智大学、東京理科大学、国際基督教大学です。これら5大学に次ぐ位置にいる難関の大学、上位の大学のグループが関東圏の【MARCH】と関西圏の【関関同立】です。
では、【MARCH】と【関関同立】とでは、どちらが難しいのでしょうか。偏差値では、どちらが上なのでしょうか。
MARCHと関関同立の偏差値は?
<MARCH>
<関関同立 >
平均の偏差値で見た各大学の難易度の序列
大学 | 偏差値帯 | 平均 |
---|---|---|
明治大学 | 57.5~62.5 | 61.25 |
立教大学 | 55.0~62.5 | 61.25 |
青山学院大学 | 55.0~67.5 | 60.75 |
同志社大学 | 55.0~65.0 | 60 |
中央大学 | 55.0~65.0 | 59 |
法政大学 | 55.0~65.0 | 59 |
関西学院大学 | 52.5~65.0 | 58.75 |
立命館大学 | 55.0~62.5 | 58.75 |
関西大学 | 52.5~62.5 | 58.5 |
上記の表は、各大学の学部ごとの偏差値を集計して出した「平均」の数値です。この平均の偏差値に限っていえば、MARCHの下位と関関同立の上位が同じくらいの位置にいます。この点で見ると、全体においてMARCHが関関同立より難易度では上ということができます。
ただし、多くの予備校や全国模試などで偏差値は微妙に変わっています。参考が過去数年間の倍率と昨年度のみの倍率とでも違ってきます。また、同じ学部でも学科によってレベルが違う学校もあります。
もちろん、大学の受験生は何らかの学部を目指して入学するので大学の平均の偏差値で見てもその学部に入れるかどうかはわかりません。また、大学を選ぶときは偏差値以外にも幾つもの観点が必要です。
例えば、大学の校舎の立地、他の大学に同様の学部学科があるか、国公立大との併願者がどれくらいいるか、昔からの知名度や就職先からの評価、授業料が高いかなど、様々な観点があります。それらによって受験者の人数や層も変化します。
実際に、社会的な評価ではどうでしょうか。関東圏の私大ではMARCHの上に早慶上理ICUといったレベルの大学があるのに対して、関西圏の私大では関関同立が最上位です。そのため、就職活動では関東圏のMARCHよりも関西圏の関関同立の方が企業の採用では優位にいると言われています。
以上のことから、この平均の偏差値は参考程度に思って見ておきましょう。
MARCHの学部ごとの難易度は?
今度は、各大学の学部ごとの偏差値と近年の傾向などを探っていきましょう。【MARCH】を順に見ていきます。
<明治大学>
商学部 | 62.5 |
政治経済学部 | 62.5 |
法学部 | 62.5 |
情報コミュニケーション学部 | 62.5 |
国際日本学部 | 62.5 |
経営学部 | 62.5 |
農学部 | 60.0 |
文学部 | 60.0 |
総合理数学部 | 60.0 |
理工学部 | 57.5 |
明治大学は、MARCH・関関同立の中では最も早慶上理に近い難関校で、知名度も全国的に抜き出ています。大学としても早慶明のビッグ3を目指して「脱MARCH」を標榜しています。学力が高いということに加え、伝統的な「東京六大学」野球リーグの一角としても有名です。
毎年どの学部も倍率が高く、全体に学力レベルが高いのが明治大学です。看板の学部を問われても、商学部、法学部、政治経済学部など幾つもの学部が挙げられます。他にも農学部は私大では最高ランクであり、近年では国際日本学部の偏差値が少しずつ上がってきています。
MARCHの中では最大のマンモス校で、学生数は3万人を超えています。
かつては「バンカラ」と呼ばれる男臭い校風がありましたが、近年はオシャレで明るい印象の大学に変貌しています。男子学生は爽やかで、女子はサッパリ系が多いイメージを持たれているようです。また、古くからの自分が学びたいことを主体的に楽しく学ぶ校風は現代も健在です。
以上のことから、明治大学は今後もMARCHの最上位の人気と難易度に位置することが予想されます。
<明治大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯駿河台キャンパス 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
(法学部・商学部・政治経済学部・文学部・経営学部・情報コミュニケーション学部、各学部3・4年次)
- ◯和泉キャンパス 〒168-8555 東京都杉並区永福1-9-1
(法学部・商学部・政治経済学部・文学部・経営学部・情報コミュニケーション学部、各学部1・2年次)
- ◯生田キャンパス 〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1
(理工学部・農学部、1~4年次)
- ◯中野キャンパス 〒164-8525 東京都中野区中野4-21-1
(国際日本学部・総合数理学部、1~4年次)
明治大学公式ホームページ
https://www.meiji.ac.jp/
<青山学院大学>
法学部 経営学部 国際政治経済学部 総合文化政策学部 | 62.5~65.0 |
文学部 | 60.0~67.5 |
教育人間科学部 経済学部 地球社会共生学部 経済学部 | 62.5 |
社会情報学部 | 60.0~62.5 |
コミュニティ人間科学部 | 60.0 |
理工学部 | 55.0~60.0 |
青山学院大学の看板学部は文学部英米文学科と国際政治経済学部ですが、地球社会共生学部や総合文化政策学部の人気も急上昇しています。また、法学部、経営学部、経済学部の難易度も高く、MARCHでは明治、立教に匹敵する学力があります。大学全体としても英語教育に力を入れいます。
青山学院大学は、キリスト教プロテスタント、メソジスト派に由来するキャンパスが綺麗で、都会的な雰囲気を保っています。幼稚園から大学まで青山ブランドでまとまっているなど幾つもの強みがあり、似ているイメージの大学として兵庫県の関西学院大学とよく比較されます。
キャンパスが表参道に位置していることもあり、ファッション誌に出てくるようなオシャレな大学という印象で見られ、女子高校生からも人気があるのが青山学院大学です。
その一方で、渋谷・表参道・青山という街の響きから軟派なイメージを持たれがちですが、実際には遊んでいる学生は少数です。しっかり勉学に励む学生が多くいます。都会生活を満喫しながら勉学も両立させるのが青山学院大学の長所といえます。
また、箱根駅伝や野球の東都学生リーグなど、スポーツも盛んな大学です。知名度も高いため、今後も人気のある大学として多くの受験生が志望すると予想されます。
<青山学院大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯青山キャンパス 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
(文学部・教育人間科学部・経済学部・法学部・経営学部・国際政治経済学部・総合文化政策学部)
- ◯相模原キャンパス 〒252-5258 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1
(理工学部・社会情報学部・地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部)
青山学院大学公式ホームページ
https://www.aoyama.ac.jp
<立教大学>
文学部 異文化コミュニケーション学部 経済学部 経営学部 | 65.0 |
社会学部 | 62.5~65.0 |
法学部 | 60.0 |
現代心理学部 | 57.5~62.5 |
観光学部 | 57.5~60.0 |
理学部 | 57.5 |
コミュニティ福祉学部 | 55.0~57.5 |
立教大学の看板学部は、かつては文学部英米文学科でしたが、現在は経営学部が看板と言われています。また異文化コミュニケーション学部も経営学部と並ぶ看板学部に挙げられるまで評価が高まっています。
幾つかの学部の偏差値が高くなると、明治大学と同様に他の学部も大学ブランドの効果で難易度が上がっていく傾向があります。そのため、経済学部や法学部なども難関となっています。
早慶上智につぐ、国際基督教大と同様に語学に強い大学として有名な立教大学ですが、かつては大学全体の学部数や学生数が少なかった印象がありました。それも徐々に消えていき、次々と新しい学部を設置して規模の大きい大学へ変わってきています。
MARCH・関関同立の中では明治大学や同志社大学と並んで学力レベルが高く、MARCHブランドを牽引する存在に挙げられます。また、学力はもちろんですが、長嶋茂雄さんの出身校として昔から「東京六大学」野球リーグの大学で知られていました。
立教大学のキャンパスは、蔦に囲まれている池袋のモリス館が特に有名です。キリスト教の英国聖公会をルーツとするミッションスクールが始まりです。英国の敬虔なクリスチャンを母体とする学校という経緯から、そこに通う学生も英語が得意で性格も温厚、誠実という印象を伝統的に持たれているようです。
また男女比率で女子学生の割合が最も高く、女子学生が半数を超えているのが大きな特徴です。全体に気品が高くおとなしめの校風というイメージがあり、附属高校から上がってくる生徒も穏やかで協調性が高く、個性を主張する学生が少ない、との見られ方もあります。
以上のことから立教大学は女子の受験者が多いなど今後も人気を保つことが予想されます。
<立教大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯池袋キャンパス 東京都豊島区西池袋3-34-1
(文学部・異文化コミュニケーション学部・法学部・経済学部・経営学部・社会学部・理学部)
- ◯新座キャンパス 〒352-8558 埼玉県新座市北野1丁目2−26
(観光学部・コミュニティ福祉学部・現代心理学部・スポーツウェルネス学部)
立教大学公式ホームページ
https://www.rikkyo.ac.jp
<中央大学>
法学部 | 57.5~65.0 |
国際経営学部 国際情報学部 | 60.0~62.5 |
経済学部 総合政策学部 | 60.0 |
理工学部 | 57.5~60.0 |
文学部 商学部 | 55.0~60.0 |
中央大学といえば特に法学部が有名で別格の存在です。司法試験の合格実績はMARCHの中でダントツの1位です。これまで数多くの人材を法曹界へ輩出してきました。その点で、法学部は他の学部より伝統と実績があり、社会的な評価も高いです。
「中央大学です」と名乗る人には念のため「まさか法学部ではないでしょ?」と質問することがあるという話もよく聞きます。
近年は、国際経営学部、国際情報学部、総合政策学部などの比較的新しい学部に人気が集まり、偏差値も全体に底上げされてきています。
中央大学は多摩キャンパスが学生の大半を占めます。MARCHの中では地方出身の学生が多く、静かな環境下で黙々と勉強する人が実際に多いため、真面目でおとなしい学校という評判です。
多摩キャンパス付近には遊ぶ場所がほとんどないこともあり、そこに通う学生は自ずと真面目でおとなしいイメージになります。そのことから、やはり勉学に対しては地道にコツコツ取り組むタイプの学生が多く、資格試験の勉強にはもってこいの学習環境です。
ただし、都会育ちの人には東京の都心部とは別世界のように感じる人も少なくありません。静かな環境は一長一短で、中央大学のブランド力は徐々に低下した印象を受ける人もいたかも知れません。
なお、看板学部の法学部は、2023年に多摩キャンパスから東京都文京区にある茗荷谷への新キャンパス移転が実施されます。このことから再び偏差値や倍率が高まることが予想できます。
<中央大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯多摩キャンパス 〒192-0393 東京都八王子市東中野742−1
(法学部・経済学部・商学部・文学部・総合政策学部・国際経営学部)
- ◯後楽園キャンパス 〒112-8551 東京都文京区春日1丁目13−27
(理工学部)
- ◯市ケ谷田町キャンパス 〒162-8478 東京都新宿区市谷田町1丁目18
(国際情報学部)
- ◯茗荷谷キャンパス 〒112-0012 東京都文京区大塚1-58-33
(2023年に法学部が移転)
中央大学公式ホームページ
https://www.chuo-u.ac.jp/access/
<法政大学>
グローバル教養学部 | 62.5~65.0 |
国際文化学部 | 62.5 |
法学部 キャリアデザイン学部 | 60.0~62.5 |
文学部 | 57.5~65.0 |
経済学部 社会学部 スポーツ健康学部 | 57.5~62.5 |
人間環境学部 | 60.0 |
デザイン工学部 | 55.0~62.5 |
現代福祉学部 理工学部 | 55.0~60.0 |
情報科学部 生命科学部 | 55.0~57.5 |
法政大学はMARCHの中で偏差値が下位に位置するため、日東駒専〜成成明学獨國武などの中堅校〜上位校の辺りを第一志望とする受験生が挑戦校として受験する傾向があります。
また、早稲田大学、慶應義塾大学の最難関や明治大学、立教大学、青山学院大学などMARCH上位の大学を狙う受験生からは滑り止め校と見られているため、全体に受験者の数が多いのも特徴です。
看板学部は、出発が名称通り法律や行政を学ぶ学校のため法学部の法律学科と政治学科が伝統的に有名です。ただ、近年はグローバル教養学部の偏差値が非常に高くなり、法学部とは別の新しい看板学部として注目されています。また国際文化学部も人気が出てきています。
早稲田大学や明治大学が難関校の中では学生数の多いマンモス校として有名ですが、法政大学も学生数が多く、昔よりも知名度は上がっています。
明治政府の法律顧問として来日したボアソナードが教頭に就任し、その名前をとって建てられた地上27階・地下4階建てのボアソナードタワーは、市ヶ谷キャンパスのシンボルとなりました。
長年、受験で言うMARCHよりずっと昔から「東京六大学」野球リーグの強豪だったことから硬派なバンカラ風のイメージがありました。地方の年配の人には野球が強いことで記憶されています。
それが近年は新しい現代的な学部や施設を設置したことで学生数も志願者数も増え、昔とは違う印象になりつつあります。男女比も縮まり、オシャレな女子学生も増えてアカ抜けた雰囲気を近年は持たれているようです。
以上のことから法政大学は人気、偏差値ともに上がりつつあります。
<法政大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯市ヶ谷キャンパス 〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
(法学部・文学部・国際文化学部・グローバル教養学部・経営学部・キャリアデザイン学部・人間環境学部・デザイン工学部)
- ◯多摩キャンパス 〒194-0298 東京都町田市相原町4342
(経済学部・社会学部・スポーツ健康学部・現代福祉学部)
- ◯小金井キャンパス 〒184-8584 東京都小金井市梶野町3-7-2
(理工学部・情報科学部・生命科学部)
・https://www.hosei.ac.jp/access/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54
関関同立の学部ごとの難易度は?
次は、近畿圏・関西圏の【関関同立】について、順に見ていきます。
<関西大学>
外国語学部 | 60.0~65.0 |
法学部 文学部 | 57.5~60.0 |
総合情報学部 | 55.0~62.5 |
社会学部 | 55.0~60.0 |
経済学部 商学部 | 57.5 |
政策創造学部 社会安全学部 | 55.0~57.5 |
環境都市工学部 化学生命工学部 | 52.5~60.0 |
システム理工学部 | 52.5~57.5 |
人間健康学部 | 55.0 |
関西大学は、関関同立とMARCHの中では最も入りやすいと言われています。
入試日程が多く組まれていることや合格最低点が比較的低めに設定されていること、出題傾向が割とオーソドックスで細かく込み入った出題が少なく受験対策を立てやすいこと、などの点で関関同立やMARCHを志望する受験生にはとっかかりやすい所があります。
ただし、関東圏の法政大学と同様に、近畿地方や中国・四国地方の中堅クラスの大学受験者が挑戦校として関西大学も受ける人が多いため、倍率は高めになる傾向があります。
関西大学の看板学部は、関西法律学校という開校の伝統からすれば法学部ですが、外国語学部が最も難しく、実質上は外国語学部が代表的な学部になっていきそうです。また、総合情報学部の人気も出てきています。
千里山キャンパスは広々として綺麗です。設備面でも図書館が広くゆったりとしたスペースが確保されているなど充実しています。また、近くには飲食店や娯楽施設など、学業とは別で楽しめる店が多数あり、一人暮らしの学生も食事や遊びに困らず学生生活を送れます。
高槻キャンパスは、京都と大阪のちょうど中間に位置していることもあり、どちらにも15分程度で行けるため路線上の利便性は良いですが、駅やバス停からキャンパスまでの距離がやや遠いところが難点と言われています。スケートリンクは高槻キャンパスにあります。
関関同立・MARCHの一角として、今後も中堅クラスの私大から挑戦校としてのターゲットにされると考えられます。
<関西大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯千里山キャンパス 〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号
(法学部・文学部・経済学部・商学部・社会学部・政策創造学部・外国語学部・システム理工学部・環境都市工学部・化学生命工学部)
- ◯高槻キャンパス 〒569-1095 大阪府高槻市霊仙寺町2丁目1番1号
(総合情報学部)
- ◯高槻ミューズキャンパス 〒569-1098 大阪府高槻市白梅町7番1号
(社会安全学部)
- ◯堺キャンパス 〒590-8515 大阪府堺市堺区香ヶ丘町1丁11番1号
(人間健康学部)
関西大学公式ホームページ
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/academics/
<関西学院大学>
国際学部 | 60.0~65.0 |
文学部 教育学部 | 55.0~60.0 |
社会学部 法学部 理工学部 | 57.5~60.0 |
経済学部 商学部 | 57.5~62.5 |
総合政策学部 | 57.5 |
工学部 | 52.5~60.0 |
神学部 人間福祉学部 | 55.0~57.5 |
生命環境学部 | 52.5~57.5 |
理学部 | 52.5~55.0 |
建築学部 | 55.0 |
関西学院大学は、入試での受験科目選択の自由度が比較的高いと言われています。
例えば、文学部と神学部を除く学部で、入試科目を英語と数学の2教科で受験ができます。これは社会や理科が苦手な人には助かる制度です。また数学がずば抜けて得意な人にとってはかなり有利ともいえます。
また国公立大学の志望で数学をかなり勉強した人が法学部や経済学部などの文系学部(文学部と 神学部以外)を受験しようとする場合は、有りがたい受験制度になっています。
関関同立のある近畿地方はMARCHのある首都圏に比べるとやや地方色があり、国公立大学に行くほうが私立大学に行くよりいいと考える風土が残っています。京都大学、大阪大学、神戸大学、京都繊維工芸大学、大阪公立大学(府立大と市立大を統合)などの難易度の高い国公立大の受験者が、首都圏などへ出ずに地元の私立大を滑り止め校として受験しやすいように受け皿の役割を関西学院大学などの関関同立が兼ねていると考えられます。
その他、国際学部は英語1教科で受験ができる制度もあり、英語に自信のある人には優位な方式です。
関西学院大学は【通称:関学】で通っています。キリスト教プロテスタントに基づいた教育を行っているミッションスクールで、明治19年に来日したアメリカの宣教師J.W.ランバス一が神戸の元町の外国人居留地に「読書館」を設立したのが始まりです。
西宮の上ヶ原キャンパスはとても美しいとい言われ、国の登録有形文化財である時計台(旧図書館)があることでも知られています。また学生がオシャレな大学とも言われています。神戸に近いこともあり、今後も人気を維持しそうです。
<関西学院大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯西宮上ケ原キャンパス 〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町1番155号
(神学部・文学部・社会学部・法学部・経済学部・商学部・人間福祉学部・国際学部)
- ◯西宮聖和キャンパス 〒662-0827 兵庫県西宮市岡田山7-54
(教育学部)
- ◯神戸三田キャンパス 〒669-1330 兵庫県三田市学園上ケ原1番
(総合政策学部・理学部・工学部・生命環境学部・建築学部)
関西学院大学公式ホームページ
https://www.kwansei.ac.jp/about/academics/
<同志社大学>
グローバルコミュニケーション学部 | 60.0~65.0 |
経済学部 商学部 心理学部 グローバル地域文化学部 | 62.5 |
文学部 法学部 | 60.0~62.5 |
政策学部 | 60.0 |
社会学部 | 57.5~62.5 |
神学部 理工学部 | 57.5~60.0 |
文化情報学部 生命医科学部 | 55.0~60.0 |
スポーツ健康科学部 | 55.0~57.5 |
同志社大学は、西日本でNo.1の私立大学です。東日本では早稲田大学と慶應義塾大学が常に1、2を争う関係にありますが、同志社大学は西日本で独壇場のトップ校として君臨しています。
単に偏差値ではMARCHの明治大学、立教大学、青山学院大学と同じくらい、または少しだけ下の数値にはいるものの、近畿圏でトップであり、西日本全体でもトップという立ち位置からすると、MARCHと関関同立の中ではある意味で別格の存在になっています。
同志社大学は、多様性を受け入れる自由な校風で知られています。学生の勉強したいという向学心や自主性を尊重し、できるだけ自由にカリキュラムを組みながら現代の諸問題を考える力をつける教育をしているという評判があります。
附属の同志社高校も偏差値70を超える超難関校で、中学・高校・大学まで一貫してレベルの高い教育を受けられることで社会的にも高い評判を維持しています。世界学生環境ネットワークという世界各国の学生が集まり環境について討論し合う会議を創設したのも同志社大学で、その先進性も注目されています。
キャンパスはキリスト教主義に基づいて開学した精神を受け継ぎ、伸び伸びした雰囲気を感じられます。今後も同志社大学を脅かす存在は簡単には出てこないと思われます。
<同志社大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯今出川校地 〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸東入
今出川校地内に今出川、室町、新田、烏丸の各キャンパスがあります。
(神学部・文学部・社会学部・法学部・経済学部・商学部・政策学部・グローバル地域文化学部)
- ◯京田辺校地 〒610-0394 京田辺市多々羅都谷1-3
京田辺校地内に京田辺、学研都市の各キャンパスがあります。
(文化情報学部・理工学部・生命医科学部・スポーツ健康科学部・心理学部・グローバルコミュニケーション学部)
https://www.doshisha.ac.jp/academics/undergrad/undergrad_list.html
同志社大学公式ホームページ
<立命館大学>
国際関係学部 | 60.0~62.5 |
グローバル教養学部 | 60.0 |
法学部 経営学部 | 57.5~60.0 |
文学部 | 55.0~62.5 |
産業社会学部 総合心理学部 | 55.0~60.0 |
政策科学部 経済学部 | 57.5 |
映像学部 食マネジメント学部 薬学部 | 55.0~57.5 |
スポーツ健康科学部 | 55.0 |
理工学部 | 50.0~57.5 |
情報理工学部 | 52.5~57.5 |
生命科学部 | 50.0~57.5 |
立命館大学の入試問題は、英語は英文法や会話問題など知識系重視の問題構成となっているため、対策をしっかり行えば充分に合格点を取れます。その一方で社会は記述形式の問題が多く、語句に関してもレベルがやや高く、難しめといえます。
学力的には関西学院大学とだいたい互角と言われていますが、近年でいえば関西学院大が徐々に上がってきているため、相対的に偏差値は下がりつつあり、巻き返しを図っています。ただし、京都の同志社大学と並んで昔から知名度は抜群であり、単に偏差値だけでは測れない人気があります。
近年はグローバル教養学部と国際関係学部の人気が高まり、立命館大学の看板学部といえばかつては文学部と法学部でしたが、その地位も逆転しそうな勢いがあります。キャンパスは京都・滋賀・大阪の3ヵ所にあり、他の大学にはない個性的な学部が多いのも特徴です。学部数も16あり、全国的に見ても大規模な大学に数えられます。
明治時代を支えた政治家である西園寺公望が開設した私塾「立命館」の流れをくむ名門で、教学理念に「平和と民主主義」を掲げています。そのため国際色豊かな教育の実践にも積極的です。学内の雰囲気も活発で、サークル活動も盛んです。
京都の学校という魅力もあり全国から入学者が集まり、さらに国際系に強い大学という新たな評価で人気を維持すると予想されます。
<立命館大学の学部とキャンパス基本情報>
- ◯衣笠キャンパス 〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
(法学部・産業社会学部・国際関係学部・文学部・映像学部)
- ◯大阪いばらきキャンパス 〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150
(経営学部・政策科学部・総合心理学部・グローバル教養学部)
- ◯びわこ・くさつキャンパス 〒525-8577 滋賀県草津市野路東1丁目1-1
(経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部・理工学部・生命科学部・薬学部・情報理工学部)
ただし、映像学部と情報理工学部は2024年から大阪いばらきキャンパスへ移転
http://www.ritsumei.ac.jp/
立命館大学公式ホームページ
MARCHと関関同立、どちらの評価が高い⁉
ここまでの「大学の平均偏差値」と「学部別の偏差値」の全体を見ると、数値の上では【MARCH】が相対的に【関関同立】よりやや上の位置にいることがわかります。
しかしながら、【MARCH】で下位の中央大学と法政大学は、【関関同立】でトップの同志社大学に及びません。
一方で、就職や社会的な評価では、同志社大学が西日本でNo.1という点で東日本の早稲田大学や慶應義塾大学に次ぐ評価があり、単に偏差値では決められない面もあります。その意味で、立命館大学と関西学院大学も明治大学や立教大学、青山学院大学と比べても遜色ない地位にあると言っても過言ではありません。
近年の傾向としては、「国際教養学部」など「国際」の名の就く学部を設置すると人気が集まり、難易度も上がる現象が見られます。
まとめ
今回は、私立大学で有名な「MARCH」と「関関同立」の偏差値を比べながら、どちらが難しいか、どちらが上かを見ていきました。受験生の場合は参考資料としてなり得ますが、実際に通学するには立地と受験科目はもちろんのこと、出題の相性や就職しやすいかなどもよく考えて選ぶ必要があります。
また、学力や入試の難易度も年々変わっていくため、数年後には違う評価になるかも知れません。あまり数字にとらわれずに、自分のやりたい学生生活や興味のある学問を考えて決めていくことをオススメします。
いずれにしても、今後も長期にわたって就職など社会的に見たブランド力のある大学群としてMARCH・関関同立は存在していくと考えられます。
河合塾
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パスナビ
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