MARCHと関関同立をマナビバが徹底比較！

よく知られた大学群に、「MARCH」と「関関同立」があります。

早稲田大学、慶應義塾大学の私立大学２トップに、上智大学、国際基督教大学（ICU）、東京理科大学を加えた５大学をトップ５とすると、そこに続く位置づけの私立大学が「MARCH」と「関関同立」です。

この「MARCH」は関東圏はモチロン全国的にも有名であり、「関関同立」は関西圏で特別な存在感を発揮しています。

では、この有名で似た存在である二つの大学群を比較してみましょう。これにより、あなたの目標とする学校が見つかるかも知れません。

MARCHはどんな大学群？

まず、「MARCH」の５大学を見ていきましょう。

＜明治大学＞

明治大学は、「MARCH」の中で最も知名度が高く、例年、高校生が行きたい大学の上位に入っています。また、難易度も「早慶上智＋国際基督教大学」に次いで高く、就職も大手企業に多数が採用されるなど、頭ひとつ抜き出てきたイメージで見られてきています。

明治大学の全学部の平均が大体６０前後の偏差値であることを基準に考えると、日本の大学受験を志す人たちの中の上位１５％以内に入る難関私立大学に分類されることになります。

昔からバンカラ風と呼ばれる男臭い伝統を残しつつも、女子学生の数も増えてアカ抜けた都会の明るい大学の印象も併せ持つ人気の高い大学になっています。勉学と楽しい学生生活を両立する学生が多数います。

＜明治大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜青山学院大学＞

青山学院大学の大きな特徴として挙げられるのが「自由」な校風です。生徒一人ひとりが目的を持って自由に学問に専念することができるような工夫がされています。

各学部の専門の科目と「全学共通科目」という一般教養の科目を受講するのですが、必修科目と選択科目で構成されているので、自分の好きなような時間割を組みやすくなっています。

このような主体的で自由に取り組める校風に惹かれて入学する生徒も多く、何の勉強をしたいか目的を持った学生が青山学院大学を志望校として受験し、入学しているケースが多いように見受けられます。

また、最もオシャレな都会派の大学で、初等部から中等部、高等部、大学まで一貫したブランドイメージがあるのも強みで、関西圏の関西学院大学と似ているのでよく比較されます。

＜青山学院大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜立教大学＞

立教大学は学力が安定して高く、英語に力を入れて国際的な視野を身につけられる学校として注目されています。元々がキリスト教の聖公会の流れを汲むミッションスクールで、明治時代に日本が国際化するために必要な英語力を養ってきました。

このため、立教大学の受験科目は2科目または3科目で、基本的には文系科目の中での選択になりますが、英語が非常に重要です。

入試の際には、英語の資格・試験を取得していることを前提としている学部・学科や、大きな配点として換算されることも多いので、ぜひ、資格・検定は取得してから挑んで欲しいところです。

かつては学部の数が少なく都会の有名大学の中では比較的小規模でしたが、現在は大規模な大学になってきました。

＜立教大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜中央大学＞

中央大学は、法学部が看板学部で、こと法学部に関しては別格の扱いをされています。早稲田大学の法学部や慶應義塾大学の法学部と並び称されるほどの難易度を誇ります。

近年までは多くの大学が都心から少し離れた所にキャンパスを分散させていましたが、最近は都心回帰の現象が見られます。この中央大学も看板の法学部を都内文京区の茗荷谷にキャンパスを移転し、人気復活を狙っています。

学生はおとなしい雰囲気の地方出身者が比較的多く、堅実な学生生活を送っているイメージがあります。スポーツも強く、MARCHの中では法政大学と並んで比較的難易度が低いため、受験では狙われやすい大学と言えます。

中央大学は、中堅〜上位クラスの大学を目指す受験生のチャレンジ校という位置づけにあります。

＜中央大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜法政大学＞

法政大学は、「MARCH」で最も合格しやすい大学です。それだけに、中堅〜上位クラスを目指す受験生にとっては法政大学は絶好のチャレンジ校となっています。

近年はグローバル教養学部が台頭し、看板だった法学部を抜き去って法政＝グローバル教養、という印象が出てきています。その他、近年の労働環境や男女平等社会の実現、就職への価値観などの社会的な変化を学ぶキャリアデザイン学部も人気が出てきています。

法政大学の学生たちは、「東京六大学」という大学群の呼称を好んで使います。高年齢層や地方の人々にとっては学生野球リーグとしての「東京六大学」に馴染みがあり、実際に地方での就職活動では未だに「MARCH」より「東京六大学」のグループ呼称を耳にすることがしばしばです。

＜法政大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

　

以上が明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の「MARCH」５大学です。

この中では、明治大学、青山学院大学、立教大学が上位に位置し、中央大学と法政大学が下位に位置します。この下位２校とほぼ同じくらいの難易度である学習院大学を加えた「GMARCH」の呼称もよく使われています。

関関同立はどんな大学群？

続いて、「関関同立」の４大学を見ていきましょう。

＜関西大学＞

関西大学は、13の学部と３万人の学生、５カ所のキャンパスなど規模が大きく、大阪では近畿大学と並ぶマンモス校として知られています。非常に多くの学生と交流できるメリットがあります。

キャンパスも広く、図書館も大きいなど、全体にスケールの大きい学校です。その一方で校舎の中での移動に時間を取られたり食堂が混雑するなど、大きい大学ならではの側面も見られます。

「関関同立」の中では最も難易度が低いため、中堅クラス以上を目指す受験生のチャレンジ校となっています。また、「関関同立」のどこかには入りたい受験生が複数の学部を併願するため、全体に倍率が高めになる傾向があります。

大学の拡大に伴いキャンパスも分散しているため、学部と校舎の位置はよく調べておく必要があります。

＜関西大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜関西学院大学＞

関西学院大学は、校舎の外観や学生のファッションなど特におしゃれな大学であることで知られています。港町で坂道と教会が多い神戸の街並みに溶け込んでいるヨーロッパ風のキャンパスが特徴です。

学生生活を送りたい憧れの大学として、「日本一美しいキャンパス」と言われてることも多々あります。

幼稚園から大学まで「関学ブランド」で通っており、勉学だけでなくスポーツ活動も盛んである点などで、東の青山学院大学、西の関西学院大学でよく比較されます。

近年は、「関関同立」で同志社大学に続く二番手の位置づけに一歩抜き出ようとしかかっているところで、大学全体に活気が出てきています。

＜関西学院大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜同志社大学＞

同志社大学は西日本の私立大学では最難関であり、東の早稲田大学、慶應義塾大学に対して西の同志社大学という形でよく比較されます。

「関関同立」の大学群の中でも抜きん出た存在であり、地域的には近畿地方の有名な難関私立大学というまとめ方をされがちですが、やはり同志社大学は別格です。

入試で国立の京都大学や大阪大学、神戸大学の受験生が併願してくる程の難易度の高さを誇り、また就職においては企業からの圧倒的な信頼度を得ています。

外国のキリスト教の団体が布教活動のために設立したミッション系スクールとは異なり、創立者の新島襄が独自の日本人向けのキリスト教主義に基づく人格形成を目標に掲げていました。校風も独立独歩で自由かつ勉学への高い意識を醸成している大学です。

＜同志社大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

＜立命館大学＞

立命館大学は京都を代表する名門私立大学で、同志社大学と共に全国的にも知名度の高い大学です。

近年は伝統だけでなく就職などのキャリアサポートにも力を入れています。就職については就活ガイダンスや自己分析、業界分析セミナー、公務員試験対策講座など多数のサポート体制を整えています。また語学教育ではTOEIC講座や留学プログラムがあります。

学部も16学部を持ち、年々マンモス化しているため、立命館大学なら取り組んでみたい大抵の学部・学科があり、勉学の選択肢については結構な範囲を包括していると言えます。ただし、キャンパスを拡大したため京都ではなく滋賀県や大阪府を拠点に学生生活を送る学生もいます。

大学の付属高校などから推薦入学で入る学生が増えたため、一般入試の受入人数が減り、その分だけ入試の倍率も高くなりました。

＜立命館大学の学部・学科別の偏差値と共通テスト得点率＞

※グローバル教養学部は情報がありません

以上が関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の４校で「関関同立」のグループ呼称となっています。　

近畿圏では、「関関同立」だけでなく幾つもの大学群がありますが、全国的に知られているのは「関関同立」です。よく予備校や塾などで有名私立大学、難関私立大学と呼ばれるレベルは、この「MARCH」「関関同立」か、それよりも難しい早慶上智、国際基督教大学、東京理科大学を指しています。

偏差値の参考資料：パスナビ

https://passnavi.obunsha.co.jp/

MARCHと関関同立の就職状況は？

「就職に強い大学」には、幾つかの特徴があります。「MARCH」「関関同立」は、その特徴に当てはまります。

企業から見て、ここの大学から採用しておけば間違いない、という伝統的に信用度の高い大学が就職では非常に有利です。毎年この大学からは採用している、というような指定枠クラスの大学に、「MARCH」「関関同立」が含まれることが多くあります。

その特徴を挙げると、大きく２点あります。

• 大学の偏差値が高い
• 先輩後輩のパイプがある

この２点について、見ていきましょう。

＜大学の偏差値が高い＞

大学の偏差値が高いと、受験勉強を一所懸命に続け、思考力や集中力を養ってきた人たちが多数いることになります。まず、大概は好きではないであろう勉強を一所懸命に続けてきたこと自体が評価され、採用する企業は「この人なら、仕事も真面目にやってくれるだろう」という見立てをします。

これに加え、思考力、集中力、忍耐力、分析力、判断力など諸々の点で鍛えられているため、こういう偏差値の高い大学、言い換えれば学力が高い大学から採用しておけばいい、という考え方になります。

例えば、間違いがないかどうかをしっかり点検する作業は、テストで見直しをしっかりすることに通じます。これを中学高校時代から続けてきたというだけでも採用する理由の一つになります。

＜先輩後輩のパイプがある＞

毎年いつも採用する大学から入ってくる新人には、会社で必ず面倒をみてくれる同じ大学出身のOBやOGがいます。大学の先輩からすれば、自分の出身大学の後輩なので助けてあげよう、という心情的なつながりが生まれます。コミュニケーションが取りやすく、仕事もスムーズに進みます。

つまり、同じ大学の先輩が多数いれば、それだけ助けてもらえたり教えてもらえたりする機会に恵まれやすくなります。そして、同窓生が多数集まると「学閥」が形成され、一つのグループができていきます。

実際に、その企業で働いている人たちの仕事ぶりを見て、「この人たちの後輩なら間違いないだろう」という見立てができるという点も確かなところです。

以上の２点を満たす「MARCH」「関関同立」の就職状況は、概ね良好と言えます。

西の関関同立と東のMARCHは互角!?

西日本で見ると、近畿地方は政治、経済、文化などの中心的な地位を担ってきました。それだけに、大学も同志社大学を筆頭に「関関同立」の知名度と信頼度は抜群です。

近畿圏の企業では、首都圏の東京大学に対する京都大学という構図と似た見方をして首都圏の「早慶上智」に対する「関関同立」という構図もあります。

西日本で最高評価の大学群、という意味で「関関同立」は「MARCH」より社会的評価が地域的に上という評価もあります。

一方、大学受験の難易度という点では、西の同志社大学と東の明治大学、青山学院大学、立教大学がだいたい同程度の難易度になります。次いで、中央大学と法政大学、さらに僅差で関西学院大学と立命館大学、GMARCHの一角に入る学習院大学が続きます。その後に関西大学、という難易度の序列になります。

これらの難易度の序列を見ると、全体として「MARCH（またはGMARCH）」が「関関同立」を上回っていることがわかります。

以上の観点を総合すると、「関関同立」と「MARCH」はどちらにもそれぞれ優位と思われる評価があります。そのことから一概にどちらが上とも言えず、「関関同立」と「MARCH」はほぼ互角と思っておいて相違ありません。

まとめ

今回は、関西圏を代表する私立大学のグループである「関関同立」と、関東圏で難関校に数えられる「MARCH」を紹介しつつ、両者を比較していきました。

それぞれの大学に特色があり、規模も大きく、就職にも有利であることがわかりました。

ただし、学部の数が多いため、大学の名前だけでなく学部と学科もよく見て選びましょう。それほど興味のない学部や学科に入学しやすいかどうかだけで決めてしまうと、入学後の勉強は相応に難しいので自分が困ることになります。

名前さえ有名な大学ならどの学部でも構わないから入りたい、という考えは捨てるのが賢明です。自分の取り組みたい学問分野と将来なりたい職業などを考え、その上で「MARCH」「関関同立」などの有名大学に挑みましょう。