大学で「理系」に進むと、「何かの専門を集中して勉強するのが理系」という印象はありませんか?
大体はその通りですが、その反対に「幅広く学ぶ」ということは可能なのでしょうか!?
実は、可能なのです。
今回は、「理系」で「幅広く学べる学部」をマナビバがご紹介します!
理系の幅広く学べる学部4選
理系は文系と比べると専門性の高い勉強をするのが当たり前、というイメージが一般的にあります。そんな中、その専門性を追究しながらも可能な限り幅広く学べる学部を選びました。
<農学部>
「農学部」は、農業について学べるほか、大学によっては畜産や林業、水産業、園芸など第一次産業全域について広く勉強することができます。農業に携わる機器の工学や流通に関わる経済を研究する学科もあります。
また、近年では農業や林業に関連する微生物や遺伝子工学、有機化学など、専門的な学問も次々と登場し、最新の農学を学べます。獣医の資格を取得できる学科も農学部にあり、獣医を目指す人は獣医学部でなくても農学部で可能という大学もあります。
このように、多種多様で広範囲の農学を学べるのが「農学部」です。
就職においては、食品業界で高く評価されます。
<環境学部>
「環境学部」では、広く地球の環境を様々な観点から学ぶ学部です。
生物や土壌、水質などの理系の観点から地域社会の環境など文系の観点まで網羅している大学もあれば、生物の生育に関するところに絞った大学もあります。
幅広く学びたい人は、理系から文系まで横断するカリキュラムを持つ大学の「環境学部」を選びましょう。
「環境学部」と聞けば「エコ」「資源」「ゴミ」など社会生活を想起する人が多いかもしれませんが、その根本にあるのは、「生物がどうやって生きていくか」を考えるところに立ち返ります。
時代の要請に応えるべく登場してきたのが「環境学部」といえます。
<人間科学部>
「人間科学部」では人体の仕組みと脳や精神、健康、さらに思想、行動などを科学的に学びます。
このような「人間科学部」を学ぼうとするなら、従来の縦割り的な学部の授業体系では多くの視点で考えることがなかなか出来ません。
そこで、学部の枠を越えてそれぞれの学問領域をまたがって多くの視点から学ぶことを可能にする柔軟なカリキュラムが必要になります。
よく文理融合といわれるバランスのとれた学びを追究するような学部の設定は、まさに「人間科学部」が該当します。 多彩な学問領域に触れることにより、幅広い知識を持ちながら、専門性も深く極めていくことを目標にできる学部です。
「人間科学部」の勉学を通じて、自らが具体的に問題を見い出し解決を図ることができる問題解決能力に優れた人材の育成を目指します。
<教養学部>
「理系を幅広く学べる学部」というと、「教養学部」は必ず名前が挙がります。
「教養」を幅広く身につけるため、理系か文系かという枠組みから離れて学ぶのが「教養学部」の目的です。世の中の事象はそれぞれ関連していて、それを多角的に見ながら広い視野で考えていける人材を目指します。
大学という所は、教養を身につけるところです。その意味では大学らしい大学が「教養学部」といえます。その点で、この「教養学部」の中で理系の分野を中心に受講していけば、自然と幅広い知識と教養が身につけられます。
特に有名なのは国際基督教大学(ICU)の「教養学部」です。主専攻と副専攻を理系も文系も関係なく選んで学ぶことができるため、理系の人にもオススメです。
理系で幅広く学ぶメリット
<多くの情報を扱える>
幅広く学ぶということは、より多くの情報を取り込んで勉学に向き合う必要があります。これは幅広く学ぶ上で、学術書を読むだけではなく情報機器の俊敏な操作も身につくメリットがあります。
また、情報機器の操作に長けてはいるけど地道に読書をするのは苦手だ、という人は一所懸命に学術書を読み漁ることも時には必要であることを思い知らされます。
たとえば、「情報学部」のような名前の学部では、当然ながら日々進歩していく情報機器を使いこなせることが大前提で、そういう機器を使いこなせないと情報リテラシーは向上しません。同様に、本もロクに読めないようでは話になりません。
情報リテラシーとは、情報を読み書きし、受信も発信も可能な技量のことですが、大学の勉学についていくために情報機器の操作そのものの能力が毎日の課題を通して向上でき、なおかつ読書という基本中の基本も身につくのは大きいメリットです。
情報について考えたり調べたりする前提にあるのは、まずは情報を制御したり深く取り組んだりする能力です。それでもパソコンで書物の全ての文章を入手できるワケではないことは理解しておきましょう。
<語学も対話力も身につく>
幅広く学ぶということは、他の学部の学生とも一緒に勉学に取り組む機会も増えます。これが幅広く学ぶ上で、単に幅広い内容の学術書を読むだけでは身につかない大きなメリットを生み出します。
たとえば、「外国語学部」や「国際文化コース」あるいは「コミュニケーション文化学科」など語学やコミュニケーションを主体とする学部、学科、コースは多数の大学に設置されています。
そこでは帰国子女や留学生なども多数いるので国際的な環境が出来上がり、授業も英語主体だったりディスカッションが多いなど、対話の能力を養うことができます。
そうすると、そこで語学力の高い学生が増え、そういう学生たちと交流することで英語力やコミュニケーション力を身につけていけるメリットがあります。
また、大学を卒業した後の長い人生で、幅広い教養を持っている自体が周囲から一目置かれるような存在になる可能性があります。多角的な視点で物事を考えて含蓄のある言動をとれる人物は、どの業界にいても信頼され、尊敬されます。
理系で幅広く学ぶデメリット
<専門性が高くない>
広い分野を学ぶことで、主体的に考えて動き、色々なことを知っていて色々なことをやれる人になれれば理想的です。しかし、それができない場合、何の専門性も持たない学生になってしまう危惧は否定できません。
言い換えると、広く浅く学んだために深い知識は獲得できなかった、ということになりかねません。
<文章力が弱いと困る>
また、理系は文系の真逆というイメージがありますが、基本的には何らかの文章と図表と資料などを常に見る、ということには変わりません。
その点で、「文章を読むのが嫌いだから理系にした」という人は入学後に苦労します。理系は実験が多いことで知られますが、その統計や数値を正確に記録するだけでなく、文章で書いて説明したり、他の人の文章を読んで理解する力も求められます。
理系でも文系と同様に一定の読書量は必須です。また、理系は大学院に進む人が多いですが、それには語学力も必要です。それを幅広く学ぶなら、読書や語学はますます必要ということになります。
理系でも丹念に書物を読むことを求められます。それにより、幅広く学んだことを整理したり体系づけたり比較したりすることができます。
まとめ
今回は、「理系で幅広く学べる学部」について紹介し、そのメリットとデメリットを説明しました。
- 農学部
- 環境学部
- 人間科学部
- 教養学部
以上が理系の学部で幅広く学べる4学部です。
どの学部も下地として幅広い知識や多角的な視点、多くの人と対話できるコミュニケーション力を持つ人に向いています。
また、情報機器を駆使して多くの情報や膨大なデータを扱えること、多くの書物を読んだり多くの学生と議論するなどで文系並みの対話力や語学力も身につくのがメリットです。
その一方で、文章を扱う自体が苦手な人は、「幅広く学ぶ」ことは幅広く読み書きしたり調べたりする量が多いことであるということを前もって認識し、承知しておかないと大変な苦痛になるのがデメリットです。
以上のことを理解し、理系で幅広く学べる学部を志すのをオススメします。
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